<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?><rss version="2.0" xmlns:content="http://purl.org/rss/1.0/modules/content/" xmlns:atom="http://www.w3.org/2005/Atom" xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/"><channel><title>馬田 隆明のブログ（政策）</title><description>馬田隆明のブログの「政策」の記事。</description><link>https://takaumada.com/blog/tags/policy/</link><language>ja</language><atom:link href="https://takaumada.com/blog/tags/policy/rss.xml" rel="self" type="application/rss+xml"/><item><title>研究開発助成のメタサイエンスが重要な理由</title><link>https://takaumada.com/blog/metascience-for-funding/</link><guid isPermaLink="true">https://takaumada.com/blog/metascience-for-funding/</guid><description>日本の研究力をめぐって厳しい話題が続いています。注目度の高い論文（Top10％補正論文数）の順位では、2022〜2024年平均の分数カウントで日本は13位にとどまり、大学教員の研究活動時間の割合も長期的に低下しています。博士課程入学者が3年…</description><pubDate>Sun, 06 Sep 2026 09:56:42 GMT</pubDate><content:encoded>&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/metascience-for-funding/20260906172058.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;日本の研究力をめぐって厳しい話題が続いています。&lt;a href=&quot;https://www.nistep.go.jp/sti_indicator/2026/hyoudata/STI2026_4-1-06.xlsx&quot;&gt;注目度の高い論文（Top10％補正論文数）の順位&lt;/a&gt;では、2022〜2024年平均の分数カウントで日本は13位にとどまり、大学教員の&lt;a href=&quot;https://www.mext.go.jp/content/20250418-mxt_chousei01-000040124.pdf&quot;&gt;研究活動時間の割合&lt;/a&gt;も長期的に低下しています。&lt;a href=&quot;https://www.nistep.go.jp/sti_indicator/2026/NR212_table.html&quot;&gt;博士課程入学者が3年連続で増加する&lt;/a&gt;など明るい変化もありますが、研究環境には引き続き多くの課題が残っています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そして、この種の議論は多くの場合、最終的に「&lt;strong&gt;研究費をいくら増やすか&lt;/strong&gt;」という金額の話に行き着きます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;私も研究費の総額が重要だと思っています。その前提のうえで、本稿で取り扱いたいのは、金額とともに成果を左右するもう一つの要素、&lt;strong&gt;研究費を「どう配るか」という、配り方の設計です。&lt;/strong&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;日本では毎年、多くの公的資金が競争的資金や運営費交付金として研究に配分されています。その際、「どういった目的に設定するか」「審査員は何人必要か」「1件あたりいくらを、何年間配るか」「申請はどの程度大変か」といった設計によって、申請や審査の負担も、そして研究者が挑戦できる内容も変わってきます。これまでも&lt;a href=&quot;https://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/40_kaikaku/tenken.html&quot;&gt;科研費の審査システム改革とその点検&lt;/a&gt;など、日本でも改善は進められてきましたが、そこからさらに改善していく余地もあるのではないか、というのがこの配り方についての問題意識です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/metascience-for-funding/20260906171550.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;というのも私自身、これまで様々な助成制度に審査員として関わったり、補助金や助成金に申請するスタートアップや研究者を支援したりしてきました。そこで強く感じてきたのは、&lt;strong&gt;配り方や審査の仕組み自体を変えなければ、大きな成果を出す可能性のある研究に十分な資金を届けられず、結果的にイノベーションやスタートアップも起きづらいのではないか&lt;/strong&gt;、ということです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そうした問題意識から、これまで&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/random-lottery-funding/&quot;&gt;ランダムファンディング&lt;/a&gt;や&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/innovation-of-grant-choice/&quot;&gt;審査のイノベーション&lt;/a&gt;、&lt;a href=&quot;https://speakerdeck.com/tumada/duo-yang-hua-suruinobesiyonzheng-ce&quot;&gt;多様化するイノベーション政策&lt;/a&gt;などについて記事を書いてきました。そして最近、国内外でこの領域で新しい動きが相次いでいます。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&quot;メタサイエンスへの注目の増加&quot;&gt;メタサイエンスへの注目の増加&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;科学の進め方や、それを支える制度そのものを研究する分野は、&lt;a href=&quot;https://www.macroscience.org/p/the-six-camps-of-metascience&quot;&gt;メタサイエンス（メタ研究）&lt;/a&gt;と呼ばれます。研究資金の配り方もその対象の一つです。以前から蓄積のある研究領域ですが、この数年で、政府や資金配分機関が自ら実験に取り組む動きが広がってきました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;たとえば英国は、政府とUKRIにまたがるMetascience Unitを2024年に設け、審査方式などの実験を進めています。&lt;a href=&quot;https://www.gov.uk/government/publications/a-year-in-metascience-2025/a-year-in-metascience-2025-executive-summary&quot;&gt;2025年の初年度報告&lt;/a&gt;では、審査期間の短縮や審査員間の評価の一致度などを検証しています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;米国の科学技術政策局（OSTP）が2026年に公表した&lt;a href=&quot;https://www.whitehouse.gov/wp-content/uploads/2026/07/Science-A-New-Golden-Age.pdf&quot;&gt;『Science: A New Golden Age』&lt;/a&gt;は、各連邦科学機関に、助成制度の実験を行うメタサイエンス部門を置くことを提案しています。また、NSFは独立した研究組織を支援する&lt;a href=&quot;https://www.nsf.gov/news/nsf-announces-15b-nsf-x-labs-initiative-pursue-generational&quot;&gt;X-Labs&lt;/a&gt;の事業を発表し、研究開発を担う組織の形も広げようとしています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;日本でも、審査にAIの補助的活用と無作為抽出を取り入れる文部科学省の&lt;a href=&quot;https://www.mext.go.jp/aifors_spread/&quot;&gt;SPReAD&lt;/a&gt;が始まりました。2027年度に向けては、研究者と行政官が協働して科学技術政策の新しい手法を研究する&lt;a href=&quot;https://www.mext.go.jp/content/20260825-ope_dev02-000051779-7.pdf&quot;&gt;CATALYST&lt;/a&gt;に、5億円の概算要求が出されています。また官庁だけではなく、有志による&lt;a href=&quot;https://sites.google.com/view/metascience/home&quot;&gt;メタサイエンス研究会&lt;/a&gt;なども行われています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;科学機関へのメタサイエンスユニット設置は、&lt;a href=&quot;https://ifp.org/science-agencies-need-metascience-units/&quot;&gt;Institute for Progress (IFP) も提言&lt;/a&gt;しています。IFP とも関係を持つCaleb WatneyとJenn Gusteticは、メタサイエンスを&lt;a href=&quot;https://www.macroscience.org/p/the-six-camps-of-metascience&quot;&gt;六つの潮流&lt;/a&gt;に整理しています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;(1) 研究の公正性・再現性を高める研究、(2) 知識の公開と共有を進めるオープンサイエンス、(3) 科学の活動や成果を測る科学計量学、(4) 資金や誘因の効果を調べるイノベーション経済学、(5) 研究組織の運営や制度の実装を研究するR&amp;amp;Dマネジメント、そして(6) 新しい研究組織をつくる制度起業家の取り組みです。ファンディング研究は、とくに後半の三つと深く関わります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;本稿では、「&lt;strong&gt;メタサイエンスがなぜいまの日本にとって重要なのか&lt;/strong&gt;」について、とくに研究開発助成という観点から、個人の意見を簡単にまとめておきます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/metascience-for-funding/20260906171658.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&quot;理由1人と財源の制約のなかでより多くの成果を出すため&quot;&gt;理由（1）人と財源の制約のなかでより多くの成果を出すため&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;日本のようなミドルパワーの国が、米国や中国とあらゆる分野で競うことはもはや難しlくなってきています。財政的にも米中レベルまで投資するのは厳しく、そもそもの担い手候補である生産年齢人口も今後減少していきます。となると、国内の研究費の拡充だけではなく、国外の科学系財団等の資金の獲得や、海外からの人材受け入れを進めつつ、限られた人と資金をどう配分するかが、ますます重要になります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;もし&lt;strong&gt;資源を効果的に配分ができれば、同じ金額でも、より多くの科学的成果が挙げられるようになるかもしれません&lt;/strong&gt;。だからこそ、同じ科学的資源の投入量に対して、より多くの成果を出していくための方法を探っていくのは、資源の少ない日本だからこそ意識的に行っていく必要があるように思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そのときに重要なのがメタサイエンスのような取り組みです。どういった配分であれば、コストを落としながらより多くの成果を出せるのか、ということに対して改善案を常に出していくことが大事になってきます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;特に研究費というのは単に科学研究に直接使える費用だけではありません。そこには審査や運用のプロセスにかかるコスト（運用の外注費等含む）もあります。総額の科学研究費が増えていても、そのほとんどが運用のコストアップやアウトソーシング先のコンサルティング会社に吸収されていたら、研究者の手に残る研究費は変わらないかもしれません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そうしたことがないように、どのようにすれば研究費をうまく使えるのかを見極めていくことは、日本にとって切実な問題だと考えています。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&quot;理由2科学の生産性を高めるため&quot;&gt;理由（2）科学の生産性を高めるため&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;上記は主に日本の事情でしたが、現在は科学全体でも問題を抱えています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;研究への投入を増やしても、それに見合う進歩が得られにくくなっているという問題は、海外でも指摘されています。&lt;a href=&quot;https://www.aeaweb.org/articles?id=10.1257/aer.20180338&quot;&gt;Bloomらの研究&lt;/a&gt;は、複数の産業や技術で、研究投入の増加と研究生産性の低下が同時に起きていることを示しました。OSTPの&lt;a href=&quot;https://www.whitehouse.gov/wp-content/uploads/2026/07/Science-A-New-Golden-Age.pdf&quot;&gt;2026年報告書&lt;/a&gt;も、研究開発投資の収益逓減を問題視し、制度と研究課題の適合を問い直しています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;研究課題そのものが難しくなっている可能性もあり、配り方だけが原因とは言えませんが、現在的な科学的課題に合った形に資源配分をしていくことで、より多くの成果が出せるかもしれません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;たとえば、研究者個人に長期間自由なお金を渡すことで、より多くの成果が出るかもしれません。一方、特定のミッションを持たせた時限付きのチームの方が良い場合もあるでしょう。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;米国エネルギー省（DOE）の&lt;a href=&quot;https://www.nationalacademies.org/read/24778/chapter/4&quot;&gt;ARPA-E&lt;/a&gt;は、従来の仕組みでは支えにくい、高リスクで変革的なエネルギー研究への支援機関です。研究を実施する組織にも、&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/fro-introduction/&quot;&gt;FRO（Focused Research Organization）&lt;/a&gt;という試みがあります。&lt;a href=&quot;https://www.nsf.gov/funding/initiatives/nsf-x-labs&quot;&gt;NSFのX-Labs&lt;/a&gt;も、独立した専任チームで課題に取り組む点で、FROに近い発想だと考えています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;大学や国立の研究機関といった仕組みも、ある意味で、当時の社会の外部性をうまく取り込むための「発明」でした。しかし、現在ではそれぞれが発明当時より広い責任が求められるようになってきており、その役目を見直す時期にもさしかかっているようにも思います。場合によっては、たとえば&lt;a href=&quot;https://www.unbundle-the-university.com/&quot;&gt;大学をアンバンドルする&lt;/a&gt;ことも視野に入れた方が良いと感じています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;組織の形以外でも、同じ資金を与えたときに、どういった形なら科学的成果を最も挙げられるのか、は科学全体での課題となりつつあります。それに対して日本も貢献していく、あるいはより良い答えを出すことで、より多くの科学的成果を日本から出していくことには一定の意義があるのではないかと思っており、そのためには単に資金量を増やすだけではなく、科学技術研究の営み自体をメタに見ていく必要性が増してきているように思います。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&quot;理由3aiによって研究工程が変わるかもしれない&quot;&gt;理由（3）AIによって研究工程が変わるかもしれない&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;より現代的な課題として、新しいAIというツールが出てきたことによる研究プロセスの転換の可能性があります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;現在は論文執筆や査読の問題などが挙げられていますが、今後、AIが電気と同様の汎用的技術として知的作業を補助する形で導入されていくのであれば、科学の方法論にも大きな変化が起こる可能性があります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;100年ぐらい前の電気の科学研究プロセスの導入は、照明や冷却など研究環境を変え、電気分解のような操作も可能にしました。オシロスコープや電子顕微鏡などにより、観測できる現象や測定方法も広がりました。その後、コンピュータの発展により、複雑な分析や実験の自動化も進んでいます。（工学史は&lt;a href=&quot;https://ethw.org/Electrical_Technology_Comes_to_the_Laboratory&quot;&gt;ETHWの解説&lt;/a&gt;も参考になります。）&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;AIもまさにそうしたツールの一種である可能性があります。理工系のみならず、人文社会系も、その研究のプロセスが大きく変わってくる可能性は高いように思います。そしてそのための最適な方法を見つけることが、まさに今科学のメタレベルで求められているとも言えるでしょう。それこそ、もしかしたらChatGPT Proを全員に配ることで、より多くの成果が生まれる、ということもあるかもしれません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ただしこれは単に従来のプロセスを効率化するだけではなく、組織の単位でも考えていくことも大事です。ビジネス組織におけるAI利用は&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/tags/ai/&quot;&gt;別のブログ記事等&lt;/a&gt;で解説していますが、科学もそれと同様に、AIが有望な実験候補を短時間で提案できても、装置が埋まっていたり、操作する人が足りなかったりすれば、実験できる件数は増えないかもしれません。その場合、追加の研究費を共用設備の運営や技術職員の雇用に使う方が、研究全体を進められる、といった資源配分を行った方が全体最適になる、ということもありえます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そして研究者にAIを使ってもらうときには、設備を誰が動かし、必要な計算資源とデータをどう提供するかも、一緒に考える必要があります。一つの工程が速くなれば、別の工程に必要な資源が増えるため、適切な配分も変わっていきます。たとえばOSTPでも、&lt;a href=&quot;https://www.whitehouse.gov/wp-content/uploads/2026/07/Science-A-New-Golden-Age.pdf&quot;&gt;検証基盤への投資&lt;/a&gt;を提案しているように、AIの普及に合わせて、結果を確かめる能力も高める必要があります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;AIを個々の研究工程で使うだけでなく、科学技術研究のプロセス全体にどう受け入れるかを考える必要があります。そこにもメタな視点が必要ではないかと思いますし、実験的な資源配分をしていく必要があるように思います。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&quot;理由4研究の重み付けの変化&quot;&gt;理由（4）研究の重み付けの変化&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;科学の内側の変化に加えて、社会から研究に求められることも変わってきています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;2022〜2023年に68か国で行われた&lt;a href=&quot;https://www.nature.com/articles/s41562-024-02090-5&quot;&gt;調査&lt;/a&gt;では、回答者が望む科学の優先順位と、科学が重視していると感じる優先順位に隔たりがありました。また、日本での科学者への信頼は5段階で3.37と、調査全体の平均3.62を下回っています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;今後日本国内で様々な供給不足が続いているであろう中で、科学技術がそうした国民の目の前の課題に貢献できていなければ、科学への信頼度はまた下がり、それに伴って配分される予算も減少していくかもしれません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;それと並行して、各国政府では社会的な目標の達成を目指す&lt;a href=&quot;https://www.oecd.org/en/publications/forging-new-frontiers-in-mission-oriented-innovation-policies_d13d0142-en.html&quot;&gt;ミッション志向のイノベーション政策&lt;/a&gt;などが近年行われようとしています。研究者の好奇心ドリブンの研究だけではなく、ミッションドリブンの研究も、様々な観点から求められてきているのが現状です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;科学者による好奇心ドリブンの研究も引き続き必要だと思いますが、本稿で扱う公的な研究開発助成は税金で支えられていることを考えると、このような社会の要請に応えていくことも重要ではないかとも思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ではそのミッション志向の研究をどのようにうまく管理していくのか、というのは、どの国もまだ&lt;a href=&quot;https://fas.org/publication/moonshots-using-evidence-to-design-transformative-initiatives/&quot;&gt;模索している段階&lt;/a&gt;のように見えます。これもまた実験や改善の対象となります。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&quot;理由5国内の研究能力と国際協力の分配&quot;&gt;理由（5）国内の研究能力と国際協力の分配&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;理由（1）で述べたように、日本という国を、すべての分野で最大規模の研究を行うことを前提としないミドルパワーの国として考えるなら、すべてを実施することはできません。だからこそ、様々な国と手分けしながら自らの強みを磨いていく必要があります。しかし一方で、だからといって完全にメリハリをつけると、吸収能力が失われてしまう可能性もあります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;経営学でいう&lt;a href=&quot;https://www.business-research-lab.com/251216-3/&quot;&gt;吸収能力&lt;/a&gt;は、外部の知識の価値を認識し、取り込み、活用する能力です。その形成には、自ら蓄積した知識が関わります。この考え方を日本の科学技術戦略にも広げれば、海外の技術を使うためにも、国内に研究者や技術者を育てておくことも大切な一面です。現在アメリカが製造業の再興で苦労しているように、一度失った能力は、後からかなりの金額を払っても、同じ能力が戻るとは限りません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;一方で、既存の研究への配分が固定されれば、新しい研究方向への参入を妨げる可能性があります。米国の生命科学では、著名研究者の死後、その人と共著関係のない研究者、とくに分野外からの参入者の論文が増えたという&lt;a href=&quot;https://mitsloan.mit.edu/shared/ods/documents?PublicationDocumentID=5663&quot;&gt;研究&lt;/a&gt;もあります。資金配分の変更効果を直接示す結果ではありませんが、新しい研究方向への参入も配分設計で考えたい論点でもあります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;これはまさに配分の問題であり、そして論文数では捉えにくい問題です。こうした能力に、どれだけ投資し、何を確かめるかは、国際協力の条件が変わるいま、改めて検証する意味は大きいと考えています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/metascience-for-funding/20260906171736.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&quot;資源配分は戦略である&quot;&gt;資源配分は戦略である&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;ここまで理由をいくつか見てきました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;科学には現在、内在的な要因による変化もあれば、外在的な脅威による変化もあります。今後も公的な研究投資を続け、増やしていくためには、科学のプロセス自体をどのように変化させて成果を出し、信頼を高めていくかが重要であり、そのための大きな変数となりうるのが、資金配分の方法であるとも思います。（※ただし成果を出せば自動的に政治的信認が得られるわけではないので、成果と同時に別の手段も必要です。）&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;チャンドラーの古典定期な定義によれば、戦略とは「企業における基本的な長期目標や目的を決定し、それらを実現するために必要な行動計画を採択するとともに、リソースを配分すること」です。資源配分は戦略の一部であり、科学の資源配分も国の科学戦略を左右する重要な問題です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そして期待した成果が出なかったとき、研究者に理由を求めるのと同じように、配分する側も支援条件を検証する必要があります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;科学が仮説と観察・実験で理解を更新するように、科学を支える制度にも、その方法を取り入れられるはずです。申請書の短縮、支援期間の延長、資金の空白をつなぐ支援を試し、結果を次の設計に生かす実験が求められます。その際、実験・評価の費用も含め、短期の審査効率と長期の研究成果を分けて確かめる必要があると考えています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;こうした変化の時期は、正解が変わっていく時期でもあります。だからこそ、研究を支える側も学ぶ能力が重要になります。配分する側が自らの方法を確かめ、改善を続けられる仕組みを、日本で育てていくことが、今まさに大事なのではないかと思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/metascience-for-funding/20260906171814.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;</content:encoded><dc:creator>馬田 隆明</dc:creator><category>AI</category><category>政策</category><category>ディープテック</category><category>イノベーション</category></item><item><title>生活言語を政策言語に翻訳する</title><link>https://takaumada.com/blog/policy-language/</link><guid isPermaLink="true">https://takaumada.com/blog/policy-language/</guid><description>感情的な言説や生活実感の痛みを伴う言説の増加は、社会の痛みや不信、不公平感や尊厳の毀損といった、社会のどこかで制度や分配がうまくいっていないといったような問題を知らせる重要なシグナルです。 ただ、痛みや憎しみといった言説は感情的な対立につな…</description><pubDate>Mon, 18 May 2026 03:34:59 GMT</pubDate><content:encoded>&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/policy-language/20260518111021.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;感情的な言説や生活実感の痛みを伴う言説の増加は、社会の痛みや不信、不公平感や尊厳の毀損といった、社会のどこかで制度や分配がうまくいっていないといったような問題を知らせる重要なシグナルです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ただ、痛みや憎しみといった言説は感情的な対立につながることもありますし、具体的な政策論や社会論になりづらい傾向にあります。仮にそのまま政策に反映できたとしても、ああり効果的ではない政策になってしまうこともあるでしょう。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/policy-language/20260518111047.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そこで必要なのは、感情が指し示す不安や背後にある価値観を、検証可能・議論可能な問いに変えることです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;この記事では、そのための試みとして、「感情を含む生活の言葉」や「感情言語」を「政策の問いや言葉」に翻訳する表を ChatGPT 5.5 Pro との対話を通して一例として作ってみました。普段、政治家や公務員の皆さんがやられていることは、おそらくこうした言葉の「翻訳」なのだろうと思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/policy-language/20260518111056.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;なお、この翻訳表は、感情的な言葉を否定するためのものではありませんし、怒りや不安を丸め込んで既存制度を正当化するためのものでもありません。言葉の背後にある痛みや価値を見つけるためのレンズの一種として、そして「生活言語」と「政策言語」の翻訳の例として見ていただければと思います。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&quot;税金社会保障財政&quot;&gt;税金・社会保障・財政&lt;/h2&gt;


















































&lt;table&gt;&lt;thead&gt;&lt;tr&gt;&lt;th&gt;生活・感情言語&lt;/th&gt;&lt;th&gt;背後にある不安・懸念&lt;/th&gt;&lt;th&gt;政策言語への翻訳&lt;/th&gt;&lt;th&gt;政策手段候補&lt;/th&gt;&lt;th&gt;確認すべき指標・ファクト&lt;/th&gt;&lt;th&gt;守るべき権利・避けるべき偏見&lt;/th&gt;&lt;th&gt;議論に変える問い&lt;/th&gt;&lt;/tr&gt;&lt;/thead&gt;&lt;tbody&gt;&lt;tr&gt;&lt;td&gt;「税金ばかり取られて何も返ってこない」&lt;/td&gt;&lt;td&gt;負担感、受益感の不足&lt;/td&gt;&lt;td&gt;受益と負担の可視化&lt;/td&gt;&lt;td&gt;税・社会保障負担の見える化、行政サービス明細、所得階層別シミュレーション&lt;/td&gt;&lt;td&gt;所得別負担率、給付額、公共サービス利用状況、可処分所得&lt;/td&gt;&lt;td&gt;低所得層や高齢者を「得している人」と単純化しない。ライフサイクル全体で見る&lt;/td&gt;&lt;td&gt;誰がどれだけ負担し、どんなサービスを受けているか見えるか&lt;/td&gt;&lt;/tr&gt;&lt;tr&gt;&lt;td&gt;「税金の無駄遣いだ」&lt;/td&gt;&lt;td&gt;財政不信、行政不信&lt;/td&gt;&lt;td&gt;事業評価と予算透明性&lt;/td&gt;&lt;td&gt;行政事業レビュー、第三者評価、成果連動予算、廃止・縮小基準の明確化&lt;/td&gt;&lt;td&gt;事業費、成果指標、監査結果、費用対効果、執行率&lt;/td&gt;&lt;td&gt;「公的支出＝無駄」と決めつけない。必要な支出と非効率を分ける&lt;/td&gt;&lt;td&gt;その事業は代替案より効果的か、終了条件はあるか&lt;/td&gt;&lt;/tr&gt;&lt;tr&gt;&lt;td&gt;「生活保護だけ得している」&lt;/td&gt;&lt;td&gt;不公平感、制度濫用への疑念&lt;/td&gt;&lt;td&gt;セーフティネットの設計、不正防止、捕捉率改善&lt;/td&gt;&lt;td&gt;不正調査、申請支援、就労支援、給付設計見直し、ケースワーカー増員&lt;/td&gt;&lt;td&gt;生活保護捕捉率、不正受給率、貧困率、就労移行率&lt;/td&gt;&lt;td&gt;貧困者へのスティグマを避ける。少数の不正と制度全体の必要性を混同しない&lt;/td&gt;&lt;td&gt;必要な人を救いながら、不正や不公平感をどう抑えるか&lt;/td&gt;&lt;/tr&gt;&lt;tr&gt;&lt;td&gt;「中間層だけ損している」&lt;/td&gt;&lt;td&gt;税・保険料・教育費の圧迫&lt;/td&gt;&lt;td&gt;中間層の可処分所得、税・給付の谷間&lt;/td&gt;&lt;td&gt;所得税・住民税控除、社会保険料見直し、教育費支援、住宅支援&lt;/td&gt;&lt;td&gt;世帯類型別手取り、教育費、住宅費、社会保険料負担率&lt;/td&gt;&lt;td&gt;低所得層支援との対立にしない。中間層支援と貧困対策を両立させる&lt;/td&gt;&lt;td&gt;中間層の生活基盤を維持する制度になっているか&lt;/td&gt;&lt;/tr&gt;&lt;/tbody&gt;&lt;/table&gt;
&lt;h2 id=&quot;政治不信&quot;&gt;政治不信&lt;/h2&gt;


















































&lt;table&gt;&lt;thead&gt;&lt;tr&gt;&lt;th&gt;生活・感情言語&lt;/th&gt;&lt;th&gt;背後にある不安・懸念&lt;/th&gt;&lt;th&gt;政策言語への翻訳&lt;/th&gt;&lt;th&gt;政策手段候補&lt;/th&gt;&lt;th&gt;確認すべき指標・ファクト&lt;/th&gt;&lt;th&gt;守るべき権利・避けるべき偏見&lt;/th&gt;&lt;th&gt;議論に変える問い&lt;/th&gt;&lt;/tr&gt;&lt;/thead&gt;&lt;tbody&gt;&lt;tr&gt;&lt;td&gt;「どうせ政治家は自分たちのことしか考えていない」&lt;/td&gt;&lt;td&gt;代表されていない感覚、政治不信&lt;/td&gt;&lt;td&gt;代表制の応答性、利益相反、説明責任&lt;/td&gt;&lt;td&gt;政治資金公開、ロビイング登録、面会記録公開、議員活動報告の標準化&lt;/td&gt;&lt;td&gt;政治資金収支、政策要望記録、議員の採決行動、選挙区別相談対応&lt;/td&gt;&lt;td&gt;政治家全体を一律に腐敗扱いしない。正当な政治活動と不透明な利益誘導を区別する&lt;/td&gt;&lt;td&gt;代表者が誰の利益を代弁しているか、市民が検証できるか&lt;/td&gt;&lt;/tr&gt;&lt;tr&gt;&lt;td&gt;「全部裏で決まっている」&lt;/td&gt;&lt;td&gt;密室政治への不信&lt;/td&gt;&lt;td&gt;政策形成過程の透明性&lt;/td&gt;&lt;td&gt;審議会議事録公開、政策要望書公開、パブコメ回答義務、行政文書保存強化&lt;/td&gt;&lt;td&gt;審議会資料、議事録、業界団体要望、パブコメ反映率&lt;/td&gt;&lt;td&gt;陰謀論化を避ける。疑念は検証可能な情報公開請求・監査の論点に変換する&lt;/td&gt;&lt;td&gt;誰が、いつ、何を求め、政策にどう影響したか追跡できるか&lt;/td&gt;&lt;/tr&gt;&lt;tr&gt;&lt;td&gt;「専門家会議は結論ありきだ」&lt;/td&gt;&lt;td&gt;専門知への不信、権威利用への反発&lt;/td&gt;&lt;td&gt;専門家選定の透明性、反対意見の制度化&lt;/td&gt;&lt;td&gt;利益相反開示、反対専門家の招聘、少数意見掲載、第三者レビュー&lt;/td&gt;&lt;td&gt;委員選定基準、利益相反、反対意見の有無、会議資料&lt;/td&gt;&lt;td&gt;専門家不信を反知性主義にしない。専門家の人格ではなく、選定手続と根拠を検証する&lt;/td&gt;&lt;td&gt;専門家の結論だけでなく、前提・限界・反論が公開されているか&lt;/td&gt;&lt;/tr&gt;&lt;tr&gt;&lt;td&gt;「国民の声を聞く気がない」&lt;/td&gt;&lt;td&gt;政治的効力感の低下&lt;/td&gt;&lt;td&gt;市民参加と政府応答の制度化&lt;/td&gt;&lt;td&gt;熟議会、市民陪審、パブコメ回答義務、政策ごとの市民説明会、請願制度改善&lt;/td&gt;&lt;td&gt;パブコメ件数、回答率、熟議会実施数、政府回答までの日数&lt;/td&gt;&lt;td&gt;「声の大きい人」だけを代表扱いしない。無作為抽出や属性バランスを確保する&lt;/td&gt;&lt;td&gt;市民の意見に対し、政府は理由付きで応答しているか&lt;/td&gt;&lt;/tr&gt;&lt;/tbody&gt;&lt;/table&gt;
&lt;h2 id=&quot;物価賃金生活苦&quot;&gt;物価・賃金・生活苦&lt;/h2&gt;


















































&lt;table&gt;&lt;thead&gt;&lt;tr&gt;&lt;th&gt;生活・感情言語&lt;/th&gt;&lt;th&gt;背後にある不安・懸念&lt;/th&gt;&lt;th&gt;政策言語への翻訳&lt;/th&gt;&lt;th&gt;政策手段候補&lt;/th&gt;&lt;th&gt;確認すべき指標・ファクト&lt;/th&gt;&lt;th&gt;守るべき権利・避けるべき偏見&lt;/th&gt;&lt;th&gt;議論に変える問い&lt;/th&gt;&lt;/tr&gt;&lt;/thead&gt;&lt;tbody&gt;&lt;tr&gt;&lt;td&gt;「生活が全然楽にならない」&lt;/td&gt;&lt;td&gt;実質所得低下、将来不安&lt;/td&gt;&lt;td&gt;可処分所得と生活コストの問題&lt;/td&gt;&lt;td&gt;賃上げ促進税制、最低賃金引上げ、住宅支援、物価高対策給付&lt;/td&gt;&lt;td&gt;実質賃金、CPI、家計支出、住宅費負担率&lt;/td&gt;&lt;td&gt;生活苦を個人の努力不足にしない。地域・世帯構成による差を考慮する&lt;/td&gt;&lt;td&gt;経済成長が家計の手取りに届いているか&lt;/td&gt;&lt;/tr&gt;&lt;tr&gt;&lt;td&gt;「働いても貧しい」&lt;/td&gt;&lt;td&gt;ワーキングプアへの不満&lt;/td&gt;&lt;td&gt;低賃金労働、非正規処遇、就労支援&lt;/td&gt;&lt;td&gt;最低賃金、同一労働同一賃金、社会保険適用拡大、職業訓練&lt;/td&gt;&lt;td&gt;就業形態別賃金、貧困率、社会保険加入率&lt;/td&gt;&lt;td&gt;低賃金労働者を「能力不足」とみなさない。労働市場構造を見る&lt;/td&gt;&lt;td&gt;フルタイムで働けば生活できる賃金水準か&lt;/td&gt;&lt;/tr&gt;&lt;tr&gt;&lt;td&gt;「大企業だけ儲かっている」&lt;/td&gt;&lt;td&gt;成長の分配不信&lt;/td&gt;&lt;td&gt;企業収益と賃金・下請け取引の関係&lt;/td&gt;&lt;td&gt;下請け取引規制、賃上げ税制、価格転嫁対策、労働分配率の開示&lt;/td&gt;&lt;td&gt;企業収益、賃金上昇率、下請け単価、配当、内部留保&lt;/td&gt;&lt;td&gt;企業全体を敵視しない。大企業・中小企業・労働者の力関係を分けて見る&lt;/td&gt;&lt;td&gt;企業収益を賃金・投資・取引適正化にどうつなげるか&lt;/td&gt;&lt;/tr&gt;&lt;tr&gt;&lt;td&gt;「結婚も子育ても無理」&lt;/td&gt;&lt;td&gt;生活設計不能感&lt;/td&gt;&lt;td&gt;若年層の所得、住宅、育児コスト&lt;/td&gt;&lt;td&gt;家賃補助、保育拡充、児童手当、若年賃上げ、長時間労働是正&lt;/td&gt;&lt;td&gt;若年所得、家賃、保育定員、出生率、労働時間&lt;/td&gt;&lt;td&gt;未婚・非子育てを責めない。結婚・出産は個人の選択であり、環境整備を議論する&lt;/td&gt;&lt;td&gt;家族形成を阻む最大の制度的コストは何か&lt;/td&gt;&lt;/tr&gt;&lt;/tbody&gt;&lt;/table&gt;
&lt;h2 id=&quot;子育て教育若者&quot;&gt;子育て・教育・若者&lt;/h2&gt;


















































&lt;table&gt;&lt;thead&gt;&lt;tr&gt;&lt;th&gt;生活・感情言語&lt;/th&gt;&lt;th&gt;背後にある不安・懸念&lt;/th&gt;&lt;th&gt;政策言語への翻訳&lt;/th&gt;&lt;th&gt;政策手段候補&lt;/th&gt;&lt;th&gt;確認すべき指標・ファクト&lt;/th&gt;&lt;th&gt;守るべき権利・避けるべき偏見&lt;/th&gt;&lt;th&gt;議論に変える問い&lt;/th&gt;&lt;/tr&gt;&lt;/thead&gt;&lt;tbody&gt;&lt;tr&gt;&lt;td&gt;「子どもを産めと言われても無理」&lt;/td&gt;&lt;td&gt;経済不安、時間不足&lt;/td&gt;&lt;td&gt;出産・育児の構造的コスト&lt;/td&gt;&lt;td&gt;保育整備、児童手当、住宅支援、育休給付、長時間労働是正&lt;/td&gt;&lt;td&gt;所得、住宅費、保育定員、教育費、出生率&lt;/td&gt;&lt;td&gt;出産を義務化・道徳化しない。産む・産まない選択の自由を守る&lt;/td&gt;&lt;td&gt;子育てを個人責任から社会制度へどう移すか&lt;/td&gt;&lt;/tr&gt;&lt;tr&gt;&lt;td&gt;「教育費が高すぎる」&lt;/td&gt;&lt;td&gt;階層固定化への不安&lt;/td&gt;&lt;td&gt;教育機会の公平性&lt;/td&gt;&lt;td&gt;授業料減免、給付型奨学金、所得連動返済、学習支援&lt;/td&gt;&lt;td&gt;教育費、奨学金返済、所得階層別進学率&lt;/td&gt;&lt;td&gt;親の責任だけにしない。子どもの機会保障を中心に置く&lt;/td&gt;&lt;td&gt;親の所得で子どもの進路が決まりすぎていないか&lt;/td&gt;&lt;/tr&gt;&lt;tr&gt;&lt;td&gt;「若者の声が政治に届かない」&lt;/td&gt;&lt;td&gt;世代代表の不足&lt;/td&gt;&lt;td&gt;若者参加、世代間政策評価&lt;/td&gt;&lt;td&gt;若者議会、被選挙権見直し、世代別政策影響評価、学校での主権者教育&lt;/td&gt;&lt;td&gt;若年投票率、若年議員比率、世代別給付負担&lt;/td&gt;&lt;td&gt;若者を「無知」「未熟」と扱わない。政治参加の機会格差を見る&lt;/td&gt;&lt;td&gt;若年層の利害を政策形成にどう組み込むか&lt;/td&gt;&lt;/tr&gt;&lt;tr&gt;&lt;td&gt;「親ガチャで人生が決まる」&lt;/td&gt;&lt;td&gt;機会不平等、階層固定化&lt;/td&gt;&lt;td&gt;子どもの貧困、教育・文化資本格差&lt;/td&gt;&lt;td&gt;乳幼児支援、学習支援、給食・体験格差対策、児童扶養手当&lt;/td&gt;&lt;td&gt;子どもの貧困率、学力格差、体験格差、進学率&lt;/td&gt;&lt;td&gt;親や子どもを責めない。家庭環境の不利を制度で補正する&lt;/td&gt;&lt;td&gt;出身家庭による不利をどこまで政策で補正するか&lt;/td&gt;&lt;/tr&gt;&lt;/tbody&gt;&lt;/table&gt;
&lt;h2 id=&quot;高齢化医療介護&quot;&gt;高齢化・医療・介護&lt;/h2&gt;


















































&lt;table&gt;&lt;thead&gt;&lt;tr&gt;&lt;th&gt;生活・感情言語&lt;/th&gt;&lt;th&gt;背後にある不安・懸念&lt;/th&gt;&lt;th&gt;政策言語への翻訳&lt;/th&gt;&lt;th&gt;政策手段候補&lt;/th&gt;&lt;th&gt;確認すべき指標・ファクト&lt;/th&gt;&lt;th&gt;守るべき権利・避けるべき偏見&lt;/th&gt;&lt;th&gt;議論に変える問い&lt;/th&gt;&lt;/tr&gt;&lt;/thead&gt;&lt;tbody&gt;&lt;tr&gt;&lt;td&gt;「介護で家族が壊れる」&lt;/td&gt;&lt;td&gt;家族負担、孤立、限界感&lt;/td&gt;&lt;td&gt;介護の社会化、家族介護者支援&lt;/td&gt;&lt;td&gt;介護人材確保、レスパイトケア、介護休業給付、地域包括ケア&lt;/td&gt;&lt;td&gt;介護離職、要介護者数、施設待機、介護者負担&lt;/td&gt;&lt;td&gt;介護を家族愛だけに押し込めない。介護者本人の生活権も守る&lt;/td&gt;&lt;td&gt;家族にどこまで介護責任を負わせるのか&lt;/td&gt;&lt;/tr&gt;&lt;tr&gt;&lt;td&gt;「医療費が膨らんで将来が不安」&lt;/td&gt;&lt;td&gt;財政不安、世代間不公平&lt;/td&gt;&lt;td&gt;医療費適正化、負担配分、予防&lt;/td&gt;&lt;td&gt;予防医療、診療報酬見直し、自己負担設計、高額療養費の保護&lt;/td&gt;&lt;td&gt;医療費、年齢別支出、自己負担、健康寿命&lt;/td&gt;&lt;td&gt;高齢者を財政負担としてだけ扱わない。必要医療へのアクセスを守る&lt;/td&gt;&lt;td&gt;医療の質と持続可能性をどう両立するか&lt;/td&gt;&lt;/tr&gt;&lt;tr&gt;&lt;td&gt;「高齢者ばかり優遇されている」&lt;/td&gt;&lt;td&gt;世代間不公平感&lt;/td&gt;&lt;td&gt;世代間再分配、給付と負担の見直し&lt;/td&gt;&lt;td&gt;年金改革、医療・介護負担見直し、若年層投資、世代会計&lt;/td&gt;&lt;td&gt;年齢階層別給付負担、可処分所得、資産分布&lt;/td&gt;&lt;td&gt;年齢差別を避ける。高齢者内の貧困・資産格差も見る&lt;/td&gt;&lt;td&gt;世代間の公平と高齢者の生活保障をどう両立するか&lt;/td&gt;&lt;/tr&gt;&lt;tr&gt;&lt;td&gt;「老後が不安すぎる」&lt;/td&gt;&lt;td&gt;将来不安、制度不信&lt;/td&gt;&lt;td&gt;年金、医療、介護、資産形成の安定性&lt;/td&gt;&lt;td&gt;最低保障年金、在宅介護支援、就労継続支援、金融リテラシー支援&lt;/td&gt;&lt;td&gt;年金水準、貯蓄額、介護費、独居率&lt;/td&gt;&lt;td&gt;自助だけを強調しすぎない。低所得高齢者の尊厳を守る&lt;/td&gt;&lt;td&gt;老後の最低生活保障をどの水準に置くか&lt;/td&gt;&lt;/tr&gt;&lt;/tbody&gt;&lt;/table&gt;
&lt;h2 id=&quot;ジェンダー家族働き方&quot;&gt;ジェンダー・家族・働き方&lt;/h2&gt;


















































&lt;table&gt;&lt;thead&gt;&lt;tr&gt;&lt;th&gt;生活・感情言語&lt;/th&gt;&lt;th&gt;背後にある不安・懸念&lt;/th&gt;&lt;th&gt;政策言語への翻訳&lt;/th&gt;&lt;th&gt;政策手段候補&lt;/th&gt;&lt;th&gt;確認すべき指標・ファクト&lt;/th&gt;&lt;th&gt;守るべき権利・避けるべき偏見&lt;/th&gt;&lt;th&gt;議論に変える問い&lt;/th&gt;&lt;/tr&gt;&lt;/thead&gt;&lt;tbody&gt;&lt;tr&gt;&lt;td&gt;「女性ばかり負担を押しつけられている」&lt;/td&gt;&lt;td&gt;ケア負担、職場不平等&lt;/td&gt;&lt;td&gt;無償ケア、賃金格差、昇進格差&lt;/td&gt;&lt;td&gt;男女賃金差開示、保育・介護支援、育休制度、管理職登用&lt;/td&gt;&lt;td&gt;男女賃金差、家事育児時間、管理職比率&lt;/td&gt;&lt;td&gt;女性をケア役割に固定しない。男性のケア参加も制度化する&lt;/td&gt;&lt;td&gt;家庭・職場・社会保障で負担が偏っていないか&lt;/td&gt;&lt;/tr&gt;&lt;tr&gt;&lt;td&gt;「男性もつらいのに無視される」&lt;/td&gt;&lt;td&gt;男性の孤立、役割期待への苦しさ&lt;/td&gt;&lt;td&gt;男性のメンタルヘルス、長時間労働、父親支援&lt;/td&gt;&lt;td&gt;労働時間規制、男性育休、相談窓口、自殺対策&lt;/td&gt;&lt;td&gt;自殺率、労働時間、育休取得率、相談件数&lt;/td&gt;&lt;td&gt;男女対立にしない。男性の困難もジェンダー構造の問題として扱う&lt;/td&gt;&lt;td&gt;男性の困難を政策課題としてどう扱うか&lt;/td&gt;&lt;/tr&gt;&lt;tr&gt;&lt;td&gt;「育休を取ると職場で迷惑扱いされる」&lt;/td&gt;&lt;td&gt;制度と現場の乖離&lt;/td&gt;&lt;td&gt;育休代替人員、職場設計、評価制度&lt;/td&gt;&lt;td&gt;代替要員補助、業務標準化、育休取得義務化、企業評価&lt;/td&gt;&lt;td&gt;育休取得率、復職率、離職率、代替人員配置&lt;/td&gt;&lt;td&gt;育休取得者を「迷惑」とみなさない。職場設計の問題として見る&lt;/td&gt;&lt;td&gt;育休を個人の権利だけでなく組織運営として設計しているか&lt;/td&gt;&lt;/tr&gt;&lt;tr&gt;&lt;td&gt;「多様性と言われても現場が疲れる」&lt;/td&gt;&lt;td&gt;理念と実務負担の乖離&lt;/td&gt;&lt;td&gt;包摂政策の実装コスト、人員・研修&lt;/td&gt;&lt;td&gt;研修予算、相談体制、合理的配慮支援、現場マニュアル&lt;/td&gt;&lt;td&gt;現場負担、相談件数、研修実施率&lt;/td&gt;&lt;td&gt;多様性を「面倒な人への配慮」と見なさない。必要な資源配分を議論する&lt;/td&gt;&lt;td&gt;多様性政策に必要な人員・財源・ルールは整っているか&lt;/td&gt;&lt;/tr&gt;&lt;/tbody&gt;&lt;/table&gt;
&lt;h2 id=&quot;外国人移民多文化共生&quot;&gt;外国人・移民・多文化共生&lt;/h2&gt;


















































&lt;table&gt;&lt;thead&gt;&lt;tr&gt;&lt;th&gt;感情言語&lt;/th&gt;&lt;th&gt;背後にある不安・懸念&lt;/th&gt;&lt;th&gt;政策言語への翻訳&lt;/th&gt;&lt;th&gt;政策手段候補&lt;/th&gt;&lt;th&gt;確認すべき指標・ファクト&lt;/th&gt;&lt;th&gt;守るべき権利・避けるべき偏見&lt;/th&gt;&lt;th&gt;議論に変える問い&lt;/th&gt;&lt;/tr&gt;&lt;/thead&gt;&lt;tbody&gt;&lt;tr&gt;&lt;td&gt;「外国人が増えて不安」&lt;/td&gt;&lt;td&gt;生活環境変化、治安・文化摩擦への不安&lt;/td&gt;&lt;td&gt;受け入れ規模、地域支援、社会統合&lt;/td&gt;&lt;td&gt;日本語教育、自治体交付金、生活ルール支援、相談窓口&lt;/td&gt;&lt;td&gt;外国人住民数、地域別負担、教育・医療支援件数&lt;/td&gt;&lt;td&gt;外国人全体を危険視しない。属性ではなく制度・地域負担を論点にする&lt;/td&gt;&lt;td&gt;受け入れ規模と地域の支援体制は釣り合っているか&lt;/td&gt;&lt;/tr&gt;&lt;tr&gt;&lt;td&gt;「外国人だけ優遇されている」&lt;/td&gt;&lt;td&gt;公平性への疑念&lt;/td&gt;&lt;td&gt;支援基準の透明性、必要性に基づく給付&lt;/td&gt;&lt;td&gt;給付要件公開、多言語説明、所得・困窮基準の明確化&lt;/td&gt;&lt;td&gt;給付要件、利用実績、所得階層別支援&lt;/td&gt;&lt;td&gt;国籍による敵視を避ける。支援は国籍ではなく困窮度・居住実態で見る&lt;/td&gt;&lt;td&gt;支援制度は誰に、どの基準で適用されているか&lt;/td&gt;&lt;/tr&gt;&lt;tr&gt;&lt;td&gt;「ルールを守らない人がいる」&lt;/td&gt;&lt;td&gt;秩序不安、生活摩擦&lt;/td&gt;&lt;td&gt;生活ルール共有、法執行、地域調整&lt;/td&gt;&lt;td&gt;多言語ガイド、自治会支援、相談・調停制度、違反時対応&lt;/td&gt;&lt;td&gt;苦情件数、相談件数、違反対応、地域満足度&lt;/td&gt;&lt;td&gt;一部の事例を集団全体に拡張しない。相互理解と公正な法執行を両立する&lt;/td&gt;&lt;td&gt;住民同士の摩擦を防ぐルール共有は十分か&lt;/td&gt;&lt;/tr&gt;&lt;tr&gt;&lt;td&gt;「安い労働力として使い捨てている」&lt;/td&gt;&lt;td&gt;労働搾取への怒り&lt;/td&gt;&lt;td&gt;外国人労働者の権利保護、労働市場規制&lt;/td&gt;&lt;td&gt;転職制限緩和、労働監督強化、最低賃金遵守、相談窓口&lt;/td&gt;&lt;td&gt;賃金、労災、失踪件数、監督件数&lt;/td&gt;&lt;td&gt;外国人を労働力としてだけ扱わない。人権と労働権を守る&lt;/td&gt;&lt;td&gt;人手不足対策が労働搾取になっていないか&lt;/td&gt;&lt;/tr&gt;&lt;/tbody&gt;&lt;/table&gt;
&lt;h2 id=&quot;環境エネルギーインフラ&quot;&gt;環境・エネルギー・インフラ&lt;/h2&gt;


















































&lt;table&gt;&lt;thead&gt;&lt;tr&gt;&lt;th&gt;生活・感情言語&lt;/th&gt;&lt;th&gt;背後にある不安・懸念&lt;/th&gt;&lt;th&gt;政策言語への翻訳&lt;/th&gt;&lt;th&gt;政策手段候補&lt;/th&gt;&lt;th&gt;確認すべき指標・ファクト&lt;/th&gt;&lt;th&gt;守るべき権利・避けるべき偏見&lt;/th&gt;&lt;th&gt;議論に変える問い&lt;/th&gt;&lt;/tr&gt;&lt;/thead&gt;&lt;tbody&gt;&lt;tr&gt;&lt;td&gt;「原発は怖い」&lt;/td&gt;&lt;td&gt;事故リスク、不可逆被害への恐怖&lt;/td&gt;&lt;td&gt;リスク管理、避難計画、規制独立性&lt;/td&gt;&lt;td&gt;原子力規制強化、避難計画検証、第三者監査、損害賠償制度&lt;/td&gt;&lt;td&gt;事故リスク、避難可能性、廃炉費用、規制審査&lt;/td&gt;&lt;td&gt;反対派を非科学的と決めつけない。リスクを負う地域住民の権利を守る&lt;/td&gt;&lt;td&gt;どの安全基準なら社会的に受け入れ可能か&lt;/td&gt;&lt;/tr&gt;&lt;tr&gt;&lt;td&gt;「再エネで山が壊されている」&lt;/td&gt;&lt;td&gt;自然破壊、地域負担&lt;/td&gt;&lt;td&gt;再エネ立地規制、地域合意&lt;/td&gt;&lt;td&gt;環境影響評価、立地規制、地域還元、住民同意手続&lt;/td&gt;&lt;td&gt;森林伐採、土砂災害リスク、発電量、地域収益&lt;/td&gt;&lt;td&gt;地域住民を反環境扱いしない。脱炭素と地域環境を両立する&lt;/td&gt;&lt;td&gt;脱炭素と地域の自然・生活環境をどう両立するか&lt;/td&gt;&lt;/tr&gt;&lt;tr&gt;&lt;td&gt;「電気代が高すぎる」&lt;/td&gt;&lt;td&gt;家計負担、政策不信&lt;/td&gt;&lt;td&gt;電力市場、燃料費、賦課金、補助&lt;/td&gt;&lt;td&gt;電気料金補助、低所得者支援、電力市場改革、省エネ投資&lt;/td&gt;&lt;td&gt;電気料金内訳、燃料価格、賦課金、家計負担&lt;/td&gt;&lt;td&gt;低所得世帯の生活権を守る。環境政策の費用負担を見える化する&lt;/td&gt;&lt;td&gt;安定供給・価格・脱炭素の優先順位をどう決めるか&lt;/td&gt;&lt;/tr&gt;&lt;tr&gt;&lt;td&gt;「インフラが老朽化して危ない」&lt;/td&gt;&lt;td&gt;生活基盤への不安&lt;/td&gt;&lt;td&gt;インフラ更新、公共投資の優先順位&lt;/td&gt;&lt;td&gt;長寿命化計画、公共投資配分、上下水道更新、広域連携&lt;/td&gt;&lt;td&gt;橋梁・道路・水道の老朽化率、更新費、事故件数&lt;/td&gt;&lt;td&gt;利用者が少ない地域を軽視しない。同時に維持可能性も議論する&lt;/td&gt;&lt;td&gt;どのインフラを維持し、どこを集約・転換するか&lt;/td&gt;&lt;/tr&gt;&lt;/tbody&gt;&lt;/table&gt;
&lt;h2 id=&quot;メディアsns情報空間&quot;&gt;メディア・SNS・情報空間&lt;/h2&gt;


















































&lt;table&gt;&lt;thead&gt;&lt;tr&gt;&lt;th&gt;生活・感情言語&lt;/th&gt;&lt;th&gt;背後にある不安・懸念&lt;/th&gt;&lt;th&gt;政策言語への翻訳&lt;/th&gt;&lt;th&gt;政策手段候補&lt;/th&gt;&lt;th&gt;確認すべき指標・ファクト&lt;/th&gt;&lt;th&gt;守るべき権利・避けるべき偏見&lt;/th&gt;&lt;th&gt;議論に変える問い&lt;/th&gt;&lt;/tr&gt;&lt;/thead&gt;&lt;tbody&gt;&lt;tr&gt;&lt;td&gt;「マスコミは信用できない」&lt;/td&gt;&lt;td&gt;報道不信、偏向への疑念&lt;/td&gt;&lt;td&gt;メディア透明性、訂正制度&lt;/td&gt;&lt;td&gt;訂正履歴公開、情報源明示、報道倫理審査、メディアリテラシー教育&lt;/td&gt;&lt;td&gt;訂正件数、情報源明示率、報道比較&lt;/td&gt;&lt;td&gt;報道の自由を守る。批判を報道規制に直結させない&lt;/td&gt;&lt;td&gt;報道機関は誤りを訂正し、根拠を示しているか&lt;/td&gt;&lt;/tr&gt;&lt;tr&gt;&lt;td&gt;「SNSの方が本当のことを言っている」&lt;/td&gt;&lt;td&gt;既存権威への不信&lt;/td&gt;&lt;td&gt;情報源の検証可能性&lt;/td&gt;&lt;td&gt;一次情報リンク、ファクトチェック、プラットフォーム透明性、情報リテラシー&lt;/td&gt;&lt;td&gt;投稿の出典、拡散経路、訂正状況&lt;/td&gt;&lt;td&gt;SNS利用者を無知扱いしない。同時に未検証情報の拡散リスクを扱う&lt;/td&gt;&lt;td&gt;媒体ではなく、根拠と検証可能性で情報を評価できるか&lt;/td&gt;&lt;/tr&gt;&lt;tr&gt;&lt;td&gt;「陰謀論と言われて黙らされる」&lt;/td&gt;&lt;td&gt;疑問の排除への反発&lt;/td&gt;&lt;td&gt;正当な疑問と根拠なき断定の区別&lt;/td&gt;&lt;td&gt;情報公開、第三者検証、異議申立、説明責任&lt;/td&gt;&lt;td&gt;公開情報、検証結果、反証可能性&lt;/td&gt;&lt;td&gt;疑問を持つ権利を守る。ただし集団攻撃や根拠なき断定は避ける&lt;/td&gt;&lt;td&gt;どこまでが検証可能な疑問で、どこからが根拠なき断定か&lt;/td&gt;&lt;/tr&gt;&lt;tr&gt;&lt;td&gt;「炎上しないと問題が動かない」&lt;/td&gt;&lt;td&gt;正規ルートへの不信&lt;/td&gt;&lt;td&gt;苦情処理、行政応答、救済制度&lt;/td&gt;&lt;td&gt;相談窓口、オンブズマン、回答期限、苦情処理の公開&lt;/td&gt;&lt;td&gt;相談件数、処理時間、解決率、再発率&lt;/td&gt;&lt;td&gt;炎上対象への私刑を避ける。制度的救済ルートを整える&lt;/td&gt;&lt;td&gt;炎上に頼らず問題を制度に届ける経路はあるか&lt;/td&gt;&lt;/tr&gt;&lt;/tbody&gt;&lt;/table&gt;
&lt;h2 id=&quot;最後に補足&quot;&gt;最後に補足&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/policy-language/20260518111124.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;この方法には限界があることも付記しておきます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;感情的な言葉は必ずしも社会全体の代表的意見ではありませんし、SNSで目立つ声は、アルゴリズムや組織的投稿の反映の結果かもしれません。また、感情の背後にある懸念を受け止めることは、その発言内容をすべて正当化することではありません。外国人、生活保護、ジェンダー、世代間対立などの論点では、不安を受け止めつつも、差別や排除につながる表現は切り分ける必要があります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そして政策言語への翻訳は、最終的な政策判断ではなく、入り口でしかありません。政策には財源や優先順位、トレードオフなどもあります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ただ、それを踏まえても、不満などの言説を見たときに一歩立ち止まるためにも、「言葉が違うだけだ」と認識することに多少価値はあるかなと思い、記事にしておきました。&lt;/p&gt;</content:encoded><dc:creator>馬田 隆明</dc:creator><category>政策</category></item><item><title>アメリカで進む左派の新機軸『アバンダンス』</title><link>https://takaumada.com/blog/abundance-agenda/</link><guid isPermaLink="true">https://takaumada.com/blog/abundance-agenda/</guid><description>2025年の参議院選挙が終わり、日本の政治が大きく変わろうとしていることを感じています。 一方、アメリカでも政治体制が大きく変わりつつあります。特に、左派に位置づけられる民主党は、2024年の大統領選の敗北を受けて、次のアジェンダや政治思想…</description><pubDate>Tue, 22 Jul 2025 03:19:35 GMT</pubDate><content:encoded>&lt;p&gt;2025年の参議院選挙が終わり、日本の政治が大きく変わろうとしていることを感じています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;一方、アメリカでも政治体制が大きく変わりつつあります。特に、左派に位置づけられる民主党は、2024年の大統領選の敗北を受けて、次のアジェンダや政治思想を積極的に模索・変化しようとしています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;こうしたアメリカの動きは、今後の日本の政治にも参考になるのではと思い、紹介しておきます。なお、最新情報は &lt;a href=&quot;https://www.nytimes.com/&quot;&gt;New York Times&lt;/a&gt; の The Democratic Party’s Troubles が詳しいので、そのあたりを読んでください。&lt;/p&gt;
&lt;ul&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/abundance-agenda/#3%E3%81%A4%E3%81%AE%E6%B4%BE%E9%96%A5&quot;&gt;3つの派閥&lt;/a&gt;
&lt;ul&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/abundance-agenda/#1-%E3%82%A2%E3%83%90%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%B3%E3%82%B9%E6%B4%BE&quot;&gt;(1) アバンダンス派&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/abundance-agenda/#2-%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%96%E6%B4%BE&quot;&gt;(2) プログレッシブ派&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/abundance-agenda/#3-%E3%82%A8%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88%E6%B4%BE&quot;&gt;(3) エスタブリッシュメント派&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/abundance-agenda/#3%E3%81%A4%E3%81%AE%E6%B4%BE%E9%96%A5%E3%81%AE%E3%81%BE%E3%81%A8%E3%82%81&quot;&gt;3つの派閥のまとめ&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;/ul&gt;
&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/abundance-agenda/#%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%B8%E3%81%AE%E7%A4%BA%E5%94%86&quot;&gt;日本への示唆&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;/ul&gt;
&lt;h2 id=&quot;3つの派閥&quot;&gt;3つの派閥&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;現在、民主党内では主に3つの派閥ができて、2026 年の中間選挙に向けて議論を交わしています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;その3つの派閥は以下です。&lt;/p&gt;
&lt;ol&gt;
&lt;li&gt;アバンダンス派（豊穣派）&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;プログレッシブ派（進歩派）&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;エスタブリッシュメント派（既成勢力派）&lt;/li&gt;
&lt;/ol&gt;
&lt;p&gt;それぞれを簡単に紹介します。&lt;/p&gt;
&lt;h3 id=&quot;1-アバンダンス派&quot;&gt;&lt;strong&gt;(1) アバンダンス派&lt;/strong&gt;&lt;/h3&gt;
&lt;p&gt;新興勢力となっている派閥です。エズラ・クラインとデレク・トンプソンが書いた『Abundance』という本が思想的な基盤となっています（Abudance は&lt;a href=&quot;https://blog.takaumada.com/search?q=Abundance&quot;&gt;このブログでも何度か紹介&lt;/a&gt;しています。おそらく翻訳もされるのではと思いますが、日本語で読めるレビューとしては &lt;a href=&quot;https://wired.jp/article/sz-abundance-ezra-klein-derek-thompson-book-review/&quot;&gt;Wired&lt;/a&gt; が詳しいです）。&lt;/p&gt;
&lt;figure&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/abundance-agenda/20250722115115.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;figcaption&gt;
&lt;p&gt;&lt;a href=&quot;https://www.amazon.com/Abundance-Progress-Takes-Ezra-Klein/dp/1668023482/&quot;&gt;https://www.amazon.com/Abundance-Progress-Takes-Ezra-Klein/dp/1668023482/&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;/figcaption&gt;
&lt;/figure&gt;
&lt;p&gt;この派閥の立場としては、進歩派が求めるような規制や政府の力の制限を進めていくのではなく、政府により多くの物事を成し遂げていく能力を与え、豊かな国を作るべき、というスタンスを取っています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;より具体的には、住宅やエネルギーをはじめとして、&lt;strong&gt;より多くの供給&lt;/strong&gt;を行うことに焦点を置いており、そのためにイノベーションを推進し、規制緩和を行っていくことを推奨します。「作る左派」「サプライサイドのプログレッシブ」と呼ばれたり、かけ声としての「Build, baby, build」という言葉を見ることもあります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;一方、より供給力を増やしていくために規制緩和等を訴えるため、既存のリベラル派からは反発を受ける傾向にあります。また全体として再分配政策や詳細な実効性に不安が残る点は弱点として挙げられます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;しかし直近の動きとしては、超党派のアバンダンス・コーカスが作られたほか、次期大統領選に向けて動いているとされるカリフォルニア州の &lt;a href=&quot;https://www.politico.com/news/2025/06/26/abundance-movement-hits-a-labor-wall-in-california-00428602&quot;&gt;Newsome 知事&lt;/a&gt;も、このアバンダンスのアジェンダにならうように、今年の6月末に住宅・インフラ促進法に署名しました。&lt;a href=&quot;https://edition.cnn.com/2025/07/14/politics/obama-democrats-message&quot;&gt;オバマ元大統領なども賛成の立場&lt;/a&gt;のようで、勢いを増している一つの派閥です。&lt;/p&gt;
&lt;h3 id=&quot;2-プログレッシブ派&quot;&gt;&lt;strong&gt;(2) プログレッシブ派&lt;/strong&gt;&lt;/h3&gt;
&lt;p&gt;この派閥はサンダースやAOCなどが有名で、いわゆる極左に近いグループです。イスラエルへの非難なども積極的に行っています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;今回、ニューヨーク市長選に向けた民主党予備選でマムダニが勝ち、前市長クオモを打ち負かしたことで勢いを取り戻しつつあります。マムダニは33歳と若いほか、家賃の固定や無料バス、市営食品店など、急進的・社会主義的ともいえる公約で、若年層と労働者の支持を獲得しました。（ただ対抗馬であるクオモがセクハラで辞任したので再選阻止をしたかった、という民意も大きそうですが）&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そうした再分配政策や、草の根での政治参加が強い派閥ですが、こちらも実務能力にはやや不安が残るグループと言われています。また政策としては、アバンダンス派とは対立しがちな立場と言えます。&lt;/p&gt;
&lt;h3 id=&quot;3-エスタブリッシュメント派&quot;&gt;&lt;strong&gt;(3) エスタブリッシュメント派&lt;/strong&gt;&lt;/h3&gt;
&lt;p&gt;いわゆる民主党の既存体制派です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;現在の動きとしては、ホワイトハウスの元高官やシンクタンク等が中心となり、政策パッケージとしての「&lt;a href=&quot;https://www.nytimes.com/2025/06/30/us/politics/democrats-project-2029.html?timespastHighlight=&quot;&gt;Project 2029&lt;/a&gt;」を始めようとしています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;またシンクタンクの Thirdway などは、&lt;a href=&quot;https://www.thirdway.org/moderatepowerproject/the-moderate-power-project&quot;&gt;中道左派向けのファンド&lt;/a&gt;も用意し、エコシステムを再構築しようとしています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;実務能力は高い一方で、このグループには&lt;a href=&quot;https://www.nytimes.com/2025/07/10/us/politics/majority-democrats.html&quot;&gt;民主党内の若手からの非難&lt;/a&gt;という弱点があります。世代交代が進んでいない、というのは有権者から見放される要因でもあります。&lt;/p&gt;
&lt;h3 id=&quot;3つの派閥のまとめ&quot;&gt;3つの派閥のまとめ&lt;/h3&gt;
&lt;p&gt;これらの3つのすべての派閥で共通しているのは、今の民主党には&lt;a href=&quot;https://www.nytimes.com/2025/07/17/us/politics/elissa-slotkin-democrats-trump.html&quot;&gt;肯定的なビジョンの不在&lt;/a&gt;であるという認識と、&lt;a href=&quot;https://www.nytimes.com/2025/07/15/us/politics/democrats-voters-ads-campaigns.html&quot;&gt;新しい伝え方・巻き込み方の模索が必要&lt;/a&gt;であるという点でしょう。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;このビジョンをどう描き、伝えていくのかが、2026年の中間選挙に向けての大きな課題と言えそうです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;（なお、本記事は &lt;a href=&quot;https://www.vox.com/politics/419913/democratic-agenda-abundance-zohran-mamdani-project-2029&quot;&gt;Vox のまとめ&lt;/a&gt;をかなり参考にしました。）&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&quot;日本への示唆&quot;&gt;&lt;strong&gt;日本への示唆&lt;/strong&gt;&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;ここまでアメリカの状況を見てきましたが、翻って日本を見てみれば、2025年の参院選は、右か左か、保守か革新か、というよりは、&lt;strong&gt;「既存政党が負けた選挙」&lt;/strong&gt;となったように思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;それを受けて、既存政党もアメリカの民主党のように、これから自分たちの立ち位置を探っていくことになるのでしょうが、「もっと右に寄る」「もっと左に寄る」という議論だけではなく、&lt;strong&gt;アバンダンスのような新機軸を打ち出していく&lt;/strong&gt;ことも有権者が望む1つの方向性ではないかと思い、記事として紹介しました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;（ただしアバンダンスで訴えている一部政策は日本に当てはまらないところも多いので、そのまま持ってくれば良いというわけではありません。）&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;一方で、多党化していく中で、野党側の責任は今後増えてきます。その中で、各党がそもそもの国としての&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/grand-design-thinking/&quot;&gt;ビジョンやグランドデザイン&lt;/a&gt;をどう考えているのかどうかが問われるのではないか、と思っています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ここ数ヶ月の間、&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/its-time-to-rebuild/&quot;&gt;It&apos;s time to Rebuild&lt;/a&gt; や&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/2025-japanese-startup-ecosystem/&quot;&gt;世界の変化&lt;/a&gt;についての記事を以前書きました。日本の政治もまた再構築のタイミングを迎えているように思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;不確実性の増加と捉えることもできますが、一方で、スタートアップが不確実性を機会として捉えるように、&lt;strong&gt;この政治的不確実性は日本の社会の機会&lt;/strong&gt;としても捉えることもできます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;だからこそ、私たちがどのような社会を作りたいのかを改めて議論し、それを実現していくための努力が必要だろうと思っています。逆に言えば、その努力を怠れば、特定の方向に変えたいと思っている人たちの意思が社会に伝わり、その方向に社会が変わっていくという恐ろしい時期でもあります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;より良いビジョンや新しい巻き込み方といったアメリカの議論を少し後追いしながら、日本での議論が進めば良いなと思っていますし、そこに少しでも貢献できればと思っています。&lt;/p&gt;</content:encoded><dc:creator>馬田 隆明</dc:creator><category>オピニオン</category><category>政策</category></item><item><title>イノベーションは『線形』ではない</title><link>https://takaumada.com/blog/non-linear-sti/</link><guid isPermaLink="true">https://takaumada.com/blog/non-linear-sti/</guid><description>イノベーションを考えるときには、基礎研究➡応用研究➡開発➡イノベーションといった線形モデル（供給モデル）で考えてしまいがちです。しかしスタートアップ支援の現場にいると、もう少しシステム的なアプローチで理解するほうが良いのではないかと感じます…</description><pubDate>Sun, 11 May 2025 12:49:18 GMT</pubDate><content:encoded>&lt;p&gt;イノベーションを考えるときには、基礎研究➡応用研究➡開発➡イノベーションといった&lt;strong&gt;線形モデル（供給モデル）&lt;/strong&gt;で考えてしまいがちです。しかしスタートアップ支援の現場にいると、もう少しシステム的なアプローチで理解するほうが良いのではないかと感じます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;たとえば著名なイノベーション政策研究者である&lt;a href=&quot;https://charlesedquist.com/&quot;&gt; Lund University の Charles Edquist&lt;/a&gt; などは&lt;a href=&quot;https://web.archive.org/web/20240414112033/https://www.catedrauam-asseco.com/documents/Seminarios/S2019_02_PRESENTACION_EDQUIST_March_2019.pdf&quot;&gt;この立場&lt;/a&gt;を取っているように思います。&lt;/p&gt;
&lt;figure&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/non-linear-sti/20250511204156.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;figcaption&gt;
&lt;p&gt;&lt;a href=&quot;https://web.archive.org/web/20240414112033/https://www.catedrauam-asseco.com/documents/Seminarios/S2019_02_PRESENTACION_EDQUIST_March_2019.pdf&quot;&gt;https://web.archive.org/web/20240414112033/https://www.catedrauam-asseco.com/documents/Seminarios/S2019_02_PRESENTACION_EDQUIST_March_2019.pdf&lt;/a&gt; の 11 ページ目を翻訳&lt;/p&gt;
&lt;/figcaption&gt;
&lt;/figure&gt;
&lt;p&gt;この線形モデルが科学技術イノベーション政策に関わる多くの人の発想の基盤となっているため、イノベーションを起こすときに必要なシステムの全体が十分に考慮されづらいように見えています。全体像の例としては、以下のようなものがあります。&lt;/p&gt;
&lt;figure&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/non-linear-sti/20250511214245.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;figcaption&gt;
&lt;p&gt;3 ページ目を翻訳&lt;/p&gt;
&lt;/figcaption&gt;
&lt;/figure&gt;
&lt;p&gt;たとえばイノベーションを誘因するときには、公共調達等の需要側（市場形成）の政策も必要になりますが、科学研究から出発する線形モデルで科学技術イノベーション政策を考えてしまうと研究成果の最大化にばかり注目が当たってしまい、中々そうした発想にはなりません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;また、需要側から見てみると（たとえば気候テック領域等）、事業化に必要な科学研究が日本で行われていない、ということがしばしばあります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そうした場合は需要を元にした科学研究など追加でが行われればイノベーションとなり得ると思いますが、供給モデルや線形モデルをもとに、既存の研究開発を次の市場へと『橋渡し』する形での商用化が研究開発体勢だと、それが受け入れられづらい状況です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;たとえばそうしたアプローチでスタートアップが研究開発をしようとしても、「大学の最新の研究ではないから」と、政府から支援が受けづらい状況が続いています（たとえばNEDOの補助金を取りづらいなど）。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;このあたりは以下のスライドなどでも少しお話しています。&lt;/p&gt;
&lt;div class=&quot;embed&quot; data-embed=&quot;speakerdeck&quot;&gt;&lt;p class=&quot;embed-link&quot;&gt;&lt;a href=&quot;https://speakerdeck.com/tumada/duo-yang-hua-suruinobesiyonzheng-ce?slide=77&quot;&gt;https://speakerdeck.com/tumada/duo-yang-hua-suruinobesiyonzheng-ce?slide=77&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;&lt;/div&gt;
&lt;p&gt;ただ、スタートアップを支援する側からすると、市場・需要を元にして、その実現に必要な技術を開発する、というトップダウンのアプローチのほうがイノベーションは起こりやすいのではと感じています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;これは科学研究を否定するものではなく、供給サイドからの研究と需要サイドからの研究が両方必要だろうということです。イノベーションは供給側と需要側からの挟み撃ちで考えていく必要があるのだろうと思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;「科学技術イノベーション」と、STI を同時に語ろうとすることでこのあたりが混乱しやすいのも課題だろうと思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;上記の Edquist の PDF で提案されているように、線形モデルではなくシステムアプローチで考えることを明示するか、もしくは同PDFで示唆されている通り、イノベーション政策と科学研究政策は少し分けて考えた方が良いのではと思います。&lt;/p&gt;
&lt;figure&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/non-linear-sti/20250511204024.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;figcaption&gt;
&lt;p&gt;&lt;a href=&quot;https://web.archive.org/web/20240414112033/https://www.catedrauam-asseco.com/documents/Seminarios/S2019_02_PRESENTACION_EDQUIST_March_2019.pdf&quot;&gt;https://web.archive.org/web/20240414112033/https://www.catedrauam-asseco.com/documents/Seminarios/S2019_02_PRESENTACION_EDQUIST_March_2019.pdf&lt;/a&gt; の 11 ページ目を翻訳&lt;/p&gt;
&lt;/figcaption&gt;
&lt;/figure&gt;
&lt;p&gt;研究政策とイノベーション政策はそれぞれがそれぞれで重要です。経済効果を前提とする「イノベーション」につながらない研究も大事だからです。一方で、イノベーションも大事ですが、必ずしも研究や発明が必要かというとそんなことはありません。&lt;a href=&quot;https://global.oup.com/academic/product/innovation-in-real-places-9780197508114?cc=jp&amp;amp;lang=en&amp;amp;&quot;&gt;Innovation ≠ Invention&lt;/a&gt; とはよく言われていることです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;だから、それらを一緒に語ってしまうことで、双方にとって悪い影響が出るのでは、というのが、どちらかというとイノベーションサイドの現場で働く私個人の現時点の感想です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;という趣旨のものを以前アイデアボックスに投稿したのですが、ブログ記事で供養しておきます。&lt;/p&gt;</content:encoded><dc:creator>馬田 隆明</dc:creator><category>政策</category></item><item><title>日本のスタートアップブームの「終わりの始まり」を食い止めるために</title><link>https://takaumada.com/blog/startup-ecosystem-beginning-of-the-end/</link><guid isPermaLink="true">https://takaumada.com/blog/startup-ecosystem-beginning-of-the-end/</guid><description>スタートアップブームの「終わりの始まり」は、VC のファンドサイズが小さくなり始めることだと考えています。それを契機に悪循環が始まるからです。 理屈はこうです。 ファンドサイズが小さくなると、スタートアップが調達できる資金も小さくなります。…</description><pubDate>Sun, 23 Jun 2024 12:16:39 GMT</pubDate><content:encoded>&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/startup-ecosystem-beginning-of-the-end/20240623203807.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;スタートアップブームの「終わりの始まり」は、&lt;strong&gt;VC のファンドサイズが小さくなり始めること&lt;/strong&gt;だと考えています。それを契機に悪循環が始まるからです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;理屈はこうです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ファンドサイズが小さくなると、スタートアップが調達できる資金も小さくなります。そうすると、大きな挑戦ができなくなり、大きな事業や成果も出づらくなります。するとさらにファンドサイズも投資も減って、スタートアップが挑戦できる事業の規模感も小さくなり、小さな事業しか目指せなくなります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;こうした悪循環が起こり始めると、エコシステムは縮小均衡へと向かっていくことになるでしょう。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;今、&lt;strong&gt;日本のスタートアップエコシステムは、そうした悪循環に入る瀬戸際の場所&lt;/strong&gt;にいるように思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そうした危機感を共有したく本記事を書いています。&lt;/p&gt;
&lt;div class=&quot;embed&quot; data-embed=&quot;youtube&quot;&gt;&lt;p class=&quot;embed-link&quot;&gt;&lt;a href=&quot;https://youtu.be/WtSbl0z13Yk&quot;&gt;日本のスタートアップブームの「終わりの始まり」を食い止めるために&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;&lt;/div&gt;
&lt;ul&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/startup-ecosystem-beginning-of-the-end/#%E3%83%AA%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%81%8C%E8%BF%94%E3%81%9B%E3%82%8B%E8%A6%8B%E8%BE%BC%E3%81%BF%E3%81%8C%E8%96%84%E3%81%8F%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%8D%E3%81%9F&quot;&gt;リターンが返せる見込みが薄くなってきた&lt;/a&gt;
&lt;ul&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/startup-ecosystem-beginning-of-the-end/#%E6%AF%8E%E5%B9%B4-18-%E5%85%86%E5%86%86%E3%81%AE%E3%83%AA%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%81%8C%E5%BF%85%E8%A6%81&quot;&gt;毎年 1.8 兆円のリターンが必要&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/startup-ecosystem-beginning-of-the-end/#%E7%8F%BE%E7%8A%B6%E3%81%AF%E7%B7%8F%E3%83%AA%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%81%8C-1-%E5%85%86%E5%86%86%E3%81%AB%E9%81%94%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%AA%E3%81%84%E5%8F%AF%E8%83%BD%E6%80%A7%E3%81%8C%E9%AB%98%E3%81%84&quot;&gt;現状は総リターンが 1 兆円に達していない可能性が高い&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/startup-ecosystem-beginning-of-the-end/#%E3%81%93%E3%81%AE%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%89%E3%81%8C%E7%B6%9A%E3%81%8F%E3%81%A8%E6%9C%9F%E5%BE%85%E3%81%AB%E5%B1%8A%E3%81%8B%E3%81%AA%E3%81%84&quot;&gt;このトレンドが続くと期待に届かない&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;/ul&gt;
&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/startup-ecosystem-beginning-of-the-end/#%E6%99%82%E4%BE%A1%E7%B7%8F%E9%A1%8D100%E5%84%84%E5%86%86%E3%81%AE%E6%9C%9F%E5%BE%85%E3%81%AB%E7%B8%AE%E5%B0%8F%E5%9D%87%E8%A1%A1%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%8F&quot;&gt;「時価総額100億円」の期待に縮小均衡していく&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/startup-ecosystem-beginning-of-the-end/#%E6%9C%AC%E6%9D%A5%E3%82%84%E3%82%8B%E3%81%B9%E3%81%8D%E3%81%93%E3%81%A8&quot;&gt;本来やるべきこと&lt;/a&gt;
&lt;ul&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/startup-ecosystem-beginning-of-the-end/#%E4%B8%80%E6%A1%81%E5%A4%A7%E3%81%8D%E3%81%AA%E6%8C%91%E6%88%A6%E3%81%8C%E5%BF%85%E8%A6%81&quot;&gt;「一桁大きな挑戦」が必要&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/startup-ecosystem-beginning-of-the-end/#%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E7%94%A3%E6%A5%AD%E3%81%AE%E5%8D%B1%E6%A9%9F%E3%81%AB%E5%AF%BE%E5%87%A6%E3%81%99%E3%82%8B%E6%8B%85%E3%81%84%E6%89%8B&quot;&gt;「日本の産業の危機」に対処する担い手&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/startup-ecosystem-beginning-of-the-end/#%E3%83%9F%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%81%A7%E3%81%AE%E6%9C%80%E9%81%A9%E5%8C%96%E3%82%92%E3%81%9B%E3%81%9A%E3%81%AB%E3%83%9E%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%81%AE%E5%95%8F%E9%A1%8C%E3%81%AB%E5%8F%96%E3%82%8A%E7%B5%84%E3%82%80&quot;&gt;ミクロでの最適化をせずに、マクロの問題に取り組む&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/startup-ecosystem-beginning-of-the-end/#%E4%BD%95%E3%82%92%E6%88%90%E5%8A%9F%E3%81%A8%E5%AE%9A%E7%BE%A9%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%8B%E4%BD%95%E3%82%92%E7%9B%AE%E6%8C%87%E3%81%99%E3%81%B9%E3%81%8D%E3%81%8B%E3%82%92%E8%80%83%E3%81%88%E3%82%8B&quot;&gt;何を「成功」と定義するか、何を目指すべきかを考える&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;/ul&gt;
&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/startup-ecosystem-beginning-of-the-end/#%E3%81%84%E3%81%8F%E3%81%A4%E3%81%8B%E3%81%AE%E6%96%BD%E7%AD%96%E3%81%AE%E3%82%BA%E3%83%AC&quot;&gt;いくつかの施策のズレ&lt;/a&gt;
&lt;ul&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/startup-ecosystem-beginning-of-the-end/#%E3%82%B0%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%AB%E5%8C%96%E3%81%AB%E6%9C%9F%E5%BE%85%E3%81%99%E3%82%8B&quot;&gt;グローバル化に期待する&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/startup-ecosystem-beginning-of-the-end/#%E6%B5%B7%E5%A4%96%E8%B5%B7%E6%A5%AD%E3%82%92%E6%8E%A8%E9%80%B2%E3%81%99%E3%82%8B&quot;&gt;海外起業を推進する&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/startup-ecosystem-beginning-of-the-end/#ma-%E3%81%AB%E6%9C%9F%E5%BE%85%E3%81%99%E3%82%8B&quot;&gt;M&amp;amp;A に期待する&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/startup-ecosystem-beginning-of-the-end/#%E6%B5%B7%E5%A4%96%E6%8A%95%E8%B3%87%E5%AE%B6%E3%81%AB%E6%9C%9F%E5%BE%85%E3%81%99%E3%82%8B&quot;&gt;海外投資家に期待する&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/startup-ecosystem-beginning-of-the-end/#%E5%A4%A7%E3%81%8D%E3%81%84%E4%BA%8B%E6%A5%AD%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E5%90%8D%E3%81%AE%E5%B0%8F%E3%81%95%E3%81%AA%E4%BA%8B%E6%A5%AD%E3%82%92%E6%8E%A8%E9%80%B2%E3%81%99%E3%82%8B&quot;&gt;「大きい事業」という名の「小さな事業」を推進する&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/startup-ecosystem-beginning-of-the-end/#%E8%B5%B7%E6%A5%AD%E6%95%B0%E3%81%AE%E5%A2%97%E5%8A%A0%E3%81%AB%E6%9C%9F%E5%BE%85%E3%81%99%E3%82%8B&quot;&gt;起業数の増加に期待する&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;/ul&gt;
&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/startup-ecosystem-beginning-of-the-end/#%E3%81%BE%E3%81%A8%E3%82%81&quot;&gt;まとめ&lt;/a&gt;
&lt;ul&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/startup-ecosystem-beginning-of-the-end/#%E9%96%A2%E9%80%A3%E8%B3%87%E6%96%99&quot;&gt;関連資料&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;/ul&gt;
&lt;/li&gt;
&lt;/ul&gt;
&lt;p&gt;現在、スタートアップへの支援が官民挙げて増えてきています。スタートアップがニュースでも取り上げられることが増えました。資金調達額も増えていますし、大学発ベンチャーの数も急激に増えているとニュースになることもあります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そうした状況からか、スタートアップにあまり詳しくない政治家や、最近取り組み始めた組織の人と話すと「日本のスタートアップはうまくいっている」という認識の方がそれなりの数いるようです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;しかし私の周りの話を聞く限り、現在の日本の VC の投資を前提としたスタートアップエコシステム、特にハイグロース・スタートアップを取り巻くエコシステムは、悪循環に入りつつあるフェーズのように感じています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;その大きな理由の一つは、&lt;strong&gt;金融面でリターンを返せる見込みが薄くなってきた&lt;/strong&gt;からです。&lt;/p&gt;
&lt;h3 id=&quot;リターンが返せる見込みが薄くなってきた&quot;&gt;&lt;strong&gt;リターンが返せる見込みが薄くなってきた&lt;/strong&gt;&lt;/h3&gt;
&lt;p&gt;この数年、諸外国のスタートアップブームに乗せられて、日本のスタートアップエコシステムにも大きな期待が寄せられ、投じられる資金量は増えていきました。たとえば、2019年以降、日本国内で設立されたVCファンドは6000億円程度になっています (&lt;a href=&quot;https://initial.inc/articles/japan-startup-finance-2023&quot;&gt;Initial 調べ&lt;/a&gt;)。&lt;/p&gt;
&lt;figure&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/startup-ecosystem-beginning-of-the-end/20240623204054.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;figcaption&gt;
&lt;p&gt;&lt;a href=&quot;https://initial.inc/articles/japan-startup-finance-2023&quot;&gt;https://initial.inc/articles/japan-startup-finance-2023&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;/figcaption&gt;
&lt;/figure&gt;
&lt;p&gt;VCは金融業です。出資者にお金を増やして返すことが期待されています。&lt;/p&gt;
&lt;h4 id=&quot;毎年-18-兆円のリターンが必要&quot;&gt;毎年 1.8 兆円のリターンが必要&lt;/h4&gt;
&lt;p&gt;どの程度増えることを期待されているかというと、10年間で&lt;a href=&quot;https://note.com/jockey/n/ndb080fc8dc01&quot;&gt;約3～5倍&lt;/a&gt;と言われています。仮に3倍として、年間6000億円のVCファンドがエコシステム全体で運営されているとすれば、10年後の期待リターンは、その3倍の1.8兆円になります。かなり単純化した計算ですが、2029年頃からエコシステム全体として、1.8兆円のリターンを「毎年」出していくことが期待されている、ということになります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;この1.8兆円はVCに入ってくるリターンの金額の期待値であり、時価総額ベースだとさらに上がります。仮にVCの持ち分が上場時に50%だとすると、時価総額ベースでは総額3.6兆円のイグジットが「毎年」必要となります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ではどのようなイグジットの状況になっているのでしょうか。リターンを生み出すイグジットは上場かM&amp;amp;Aですが、M&amp;amp;Aは件数が少なく、あったとしても金額はそこまで大きくないので、いったん無視して上場だけを考えます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;日本の上場時の時価総額は、&lt;a href=&quot;https://www.jpx.co.jp/equities/follow-up/nlsgeu000006gevo-att/bkk2ed0000004ddh.pdf&quot;&gt;2023年は中央値ベースで72億円、平均値で170億円&lt;/a&gt;だと言われています (ただし数値は2023年11月までのものがベース)。この値は上下するものの、ここ数年そこまで大きな変化はありません。1000億円を超えて上場するスタートアップの数も年間1～4件程度にとどまります。&lt;/p&gt;
&lt;figure&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/startup-ecosystem-beginning-of-the-end/20240623205158.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;figcaption&gt;
&lt;p&gt;&lt;a href=&quot;https://www.jpx.co.jp/equities/follow-up/nlsgeu000006gevo-att/bkk2ed0000004ddh.pdf&quot;&gt;https://www.jpx.co.jp/equities/follow-up/nlsgeu000006gevo-att/bkk2ed0000004ddh.pdf&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;/figcaption&gt;
&lt;/figure&gt;
&lt;p&gt;一方、上場した会社数はInitialによるとここ数年は100～130社程度で、そのうち約半数がスタートアップと言われています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;こうした数字をベースに単純計算をしてみます。&lt;/p&gt;
&lt;h4 id=&quot;現状は総リターンが-1-兆円に達していない可能性が高い&quot;&gt;現状は総リターンが 1 兆円に達していない可能性が高い&lt;/h4&gt;
&lt;p&gt;毎年120社の上場があり、その半数の60社がスタートアップだとしましょう。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;他の企業よりも多少高い上場時の時価総額だとして、平均200億円で上場すると、合計の時価総額は約1.2兆円です。そしてVCがその50%を持っているとすると、約6000億円のリターンとなります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;パーセンテージをいじったとしても、おそらく1兆円はいかないでしょう。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;2013年のファンド組成額は2000億円程度だったので、10年前の「2000億円を3倍にする」という約束は果たせています。ただ、掛け金が急激に上がった2019年以降に期待されている1.8兆円に対しては、このままではかなりビハインドしています。&lt;/p&gt;
&lt;h4 id=&quot;このトレンドが続くと期待に届かない&quot;&gt;このトレンドが続くと期待に届かない&lt;/h4&gt;
&lt;p&gt;もしこのトレンドが続いてしまうと、期待されるリターンを返せません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;もちろん個別のファンドごとを見ていくと、リターンを出せるところはあるでしょうが、全体としては非常に厳しい状況であり、これが続くと、多くのファンドの新設や規模拡大は難しくなり、スタートアップの資金調達量も漸減していくでしょう。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;上場時の時価総額が低くなる理由は、スタートアップの事業だけの問題ではなく、上場時の値付けの問題などもあり、一概にスタートアップエコシステムの問題だけとは言えませんが、とはいえこうした現状を考えると、独立系 VC を中心にファンドサイズを縮小して様子見をすることは避けられない状況のように見えます。&lt;/p&gt;
&lt;h3 id=&quot;時価総額100億円の期待に縮小均衡していく&quot;&gt;&lt;strong&gt;「時価総額100億円」の期待に縮小均衡していく&lt;/strong&gt;&lt;/h3&gt;
&lt;p&gt;中央値ベースで72億円というのが現実的なイグジットである、という期待が形成されて何が起こるかというと、イグジット時の金額を約100億円とした未上場株の評価であり、100億円のイグジットを目指した資本政策です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そうなると、上場前には50億円程度が最大の時価総額となり、スタートアップ一社が行える総資金調達額は10〜20億円程度になります。米国のシードやシリーズAの資金調達額が日本での最大値となります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;それはつまり、&lt;strong&gt;時価総額100億円のイグジットを前提に、エコシステムが縮小均衡に向かう&lt;/strong&gt;、ということです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;実際、ライフサイエンス領域のスタートアップの上場時の時価総額が「&lt;strong&gt;100億円均一&lt;/strong&gt;」になることを、100円均一ショップになぞらえて「100均」と自嘲気味に言われています。そのような期待感の中では、100億円のイグジットを前提に資本政策を組んでいかざるをえないでしょう。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そうすると、スタートアップは大きな戦略を描くことが難しくなりますし、大きな成果を出すことも難しくなります。もしくは、後述するように、国内上場を目指さずに、海外を前提とした起業をせざるをえません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ライフサイエンス領域のスタートアップ関係者は、こうした危機感を先んじて共有し始めているように思いますが、この問題は領域を問わず、今後スタートアップエコシステム全体に波及していく恐れが十分にあるように思いますし、ファンド規模の縮小の動きがあることを感じ始めています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そして日本はある意味最適化が得意な国であるため、悪循環が始まると一気に縮小均衡していってしまうことを危惧しています。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&quot;本来やるべきこと&quot;&gt;&lt;strong&gt;本来やるべきこと&lt;/strong&gt;&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;こうした状況を踏まえると、一時的にファンドサイズが小さくなるのは仕方がないかもしれません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ただ、&lt;strong&gt;それは一時的な縮小にとどめられます&lt;/strong&gt;。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;まだ大きな挑戦ができる資金があるからです。今のうちに大きな挑戦をして大きな成果を出し、再度このエコシステムに流れる資金と期待を増やせれば、また増加基調に戻せるでしょう。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;それができるかは、現役でスタートアップエコシステムに関わっている世代の課題だと思っていますし、今はその分かれ目の時期だと思っています。&lt;/p&gt;
&lt;h4 id=&quot;一桁大きな挑戦が必要&quot;&gt;「一桁大きな挑戦」が必要&lt;/h4&gt;
&lt;p&gt;そうした背景から、今目指すべきゴール、かつ強調するべきゴールは、上場市場の投資家の方々も一目で納得できるぐらいの大きな事業と大きな実績を作ることだろうと思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そのために必要なのは&lt;strong&gt;大きな挑戦&lt;/strong&gt;であり、その挑戦を支えることです。大きな挑戦を推奨し、支援し、新しい産業を作っていかなければなりません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;スタートアップの資金調達額は、&lt;a href=&quot;https://initial.inc/articles/japan-startup-finance-2023&quot;&gt;2023年には2013年の約10倍の1兆円近く&lt;/a&gt;となりました。一桁変わったのであれば、一桁大きな挑戦をする権利を得たということであり、そしてその挑戦をする責務があるだろうということです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;それに国内の産業の情勢を見ても、大きな挑戦が必要だと思っています。&lt;/p&gt;
&lt;h4 id=&quot;日本の産業の危機に対処する担い手&quot;&gt;「日本の産業の危機」に対処する担い手&lt;/h4&gt;
&lt;p&gt;外貨を獲得できている日本の産業は減ってきています。2024年3月から財務省でも『&lt;a href=&quot;https://www.mof.go.jp/policy/international_policy/councils/bop/index.html&quot;&gt;国際収支から見た日本経済の課題と処方箋&lt;/a&gt;』という会議体が発足し、その点について議論されています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;その開催の背景となる問題意識は、熊谷委員の資料のサマリーにまとめられているのかなと思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;貿易収支の悪化傾向が問題意識としてあり、その背景には国際競争力の低下や産業空洞化、デジタル関連中心の輸入依存度の高まり、そしてエネルギー価格の高騰などです。これはしばらくの間続く見込みとされていますし、下振れすらする可能性も指摘されています。&lt;/p&gt;
&lt;figure&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/startup-ecosystem-beginning-of-the-end/20240623185746.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;figcaption&gt;
&lt;p&gt;&lt;a href=&quot;https://www.mof.go.jp/policy/international_policy/councils/bop/outline/20240424_1.pdf&quot;&gt;https://www.mof.go.jp/policy/international_policy/councils/bop/outline/20240424_1.pdf&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;/figcaption&gt;
&lt;/figure&gt;
&lt;p&gt;より具体的には、2023年には、日本が強いと思われている電気機器類で見ても貿易収支は赤字になりました。&lt;/p&gt;
&lt;figure&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/startup-ecosystem-beginning-of-the-end/20240623185844.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
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&lt;p&gt;&lt;a href=&quot;https://www.mof.go.jp/policy/international_policy/councils/bop/outline/20240326_1.pdf&quot;&gt;https://www.mof.go.jp/policy/international_policy/councils/bop/outline/20240326_1.pdf&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
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&lt;p&gt;&lt;a href=&quot;https://www.mof.go.jp/policy/international_policy/councils/bop/outline/20240326_1.pdf&quot;&gt;https://www.mof.go.jp/policy/international_policy/councils/bop/outline/20240326_1.pdf&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;（なお、斎藤先生が同会議で指摘するように、貿易収支の黒字は国内の経済について必ずしもポジティブというわけではありません。同様に、赤字が必ずしもネガティブというわけではありません。経済成長していたり、輸入したもの以上に高付加価値な輸出ができていれば、赤字は投資と言えます。）&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;サービス収支は、観光で稼いでいるものの、デジタルで大幅な赤字が続いています。&lt;/p&gt;
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&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/startup-ecosystem-beginning-of-the-end/20240623185945.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
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&lt;p&gt;&lt;a href=&quot;https://www.mof.go.jp/policy/international_policy/councils/bop/outline/20240326_1.pdf&quot;&gt;https://www.mof.go.jp/policy/international_policy/councils/bop/outline/20240326_1.pdf&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
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&lt;p&gt;日本はエネルギー（鉱物性燃料）や食料、デジタルインフラなど、海外から輸入に頼る領域がかなり多い国でもあり、円安のあおりも受けて、貿易赤字はこの数年拡大傾向にあります。こうしたものを輸入するためには、外貨を稼ぐ産業が必要です。しかし現在貿易黒字を支える自動車業界も、この数年は大丈夫でしょうが、EV化などが進むと今後日本の稼ぎ頭の地位を維持できるかは分かりません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;足下を見てみれば、ここ数年は労働供給不足で、労働者の待遇は上がり、賃上げが起こるでしょう。全体としてインフレ気味になってきており、景気は好調のように感じるかもしれません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;しかし、そうした労働者の待遇を支える、「稼げる産業」の状況は非常に厳しいように見えています。&lt;/p&gt;
&lt;h4 id=&quot;ミクロでの最適化をせずにマクロの問題に取り組む&quot;&gt;ミクロでの最適化をせずに、マクロの問題に取り組む&lt;/h4&gt;
&lt;p&gt;こうしたマクロな問題は個人の幸せとは縁遠いものです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;たとえば外資系のコンサルティング会社やソフトウェア企業に勤めて高い給料を得ることや、小規模なビジネスを起業して稼ぐことは、ミクロで見ればその個人の幸せを最大化する良い方法だと思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;しかしその富の源泉は日本の他の企業が稼いだ富です。日本で稼げる産業が減ってしまうと、やがて外資系の企業は日本に立地しなくなるでしょうし、小規模なビジネスに対してお金を払える人も減っていきます。そうしたマクロの動きを考えると、外資系企業に行くことや小さな起業を無闇に勧めるのではなく、稼げる産業を作っていかなければなりません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そうした新しい、稼げる産業を作ることが、スタートアップエコシステムに期待されていて、この数年、大きなお金が流れてきたのだろうと思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;資金を得ることで大きな挑戦をする権利が得られたとともに、大きな責務も背負うようになりました。それはこうしたマクロのトレンドに対して、どう対応していくかを考えることでもあります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;しかし現在のスタートアップの主流は、10年前のまま、ソフトウェアを使った国内市場向けの事業がほとんどです。それ自体に価値はもちろんありますが、その状況にとどまってしまうと、マクロではその責務を果たせないということなのだろうと思います。&lt;/p&gt;
&lt;h4 id=&quot;何を成功と定義するか何を目指すべきかを考える&quot;&gt;&lt;strong&gt;何を「成功」と定義するか、何を目指すべきかを考える&lt;/strong&gt;&lt;/h4&gt;
&lt;p&gt;こうした変化を受けたとき、人はどう動くでしょうか。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;現状のスタートアップエコシステムに最適化すれば、100億円から200億円ぐらいのサイズのファンドを作って、大ホームランではなく、たまに出るユニコーンレベルのホームランを狙いながら、基本はそこそこの大きさのヒットを狙い、ヒット率をかなり高めながら、その他は1倍程度で回収していく、というのが日本のVCの「成功モデル」になるでしょう。国内市場向けのソフトウェアを使った起業を推進すれば、そうした戦略でしばらくはリターンも出るかもしれません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;それも一つの思想ですし、お金を預かる金融のプロとしての在り方としての「成功」です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ただ、スタートアップ業界が『産業を作る』と標榜するなら、その本来の役目を果たしているとは言えず、「成功」とは言えません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;現状に最適化すれば、ほどほどのファンドサイズを目指すのが正しいでしょう。しかし、&lt;strong&gt;「現状がそうである」ことと、「本来そうであるべきかどうか」は違います&lt;/strong&gt;。そしてミクロで正しいことと、マクロで正しいことも違います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;もしミクロで正しい選択を取って、国内市場向けのスタートアップしか育てられなければ、日本の人口減とともにその市場は縮小していきます。現役世代の経営者やVCは（人によっては）十分に稼げるかもしれませんが、国内のVC業界は縮小していくでしょう。そうなれば、次の世代のVCは苦労するでしょうし、次の世代のスタートアップも大きな挑戦がしづらくなり、外貨を稼ぐ産業をスタートアップから生み出すことはさらに難しくなります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;この25年、スタートアップのエコシステムは拡大し、それ自体が一つの産業として大きくなってきたように思います。優秀な若手がスタートアップやVCを目指すようになっているのはその証左でしょう。この成果は、これまで関わってきた方々の努力があってこそだと思っています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そうした努力のおかげで、2013年に比べて10倍近い資金をエコシステムとして預かっている私たちは、かつての10倍に近い期待を背負っています。だからこそ、改めて何を期待されていて、何を目指しているのかを考え、そして変わっていく必要があるように思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そのためには、過去に作られたある種の『成功の方程式』を繰り返すのではなく、次の段階に行くためのやり方を新たに見つけて、洗練させていくことが求められています。それが現役の世代の責任であり、私たちは過去のベストプラクティスを見るだけではなく、未来を向いて「どうやれば一桁上のゴールを目指せるか」を議論するべきのように思います。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&quot;いくつかの施策のズレ&quot;&gt;&lt;strong&gt;いくつかの施策のズレ&lt;/strong&gt;&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;しかし現在、別の論点が強調されているように感じており、そこに政治的リソースが多くつぎ込まれることついては警鐘を鳴らしておく必要もあると思っています。その例をいくつか挙げます。&lt;/p&gt;
&lt;h4 id=&quot;グローバル化に期待する&quot;&gt;&lt;strong&gt;グローバル化に期待する&lt;/strong&gt;&lt;/h4&gt;
&lt;p&gt;グローバル化を支援しようとしています。実際、最初からグローバル領域で勝負しているスタートアップが上場する例も出てきました。これは素晴らしいことだと思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ただ、市場からの評価を見ていると、広告事業やインフルエンサーマーケティング等の領域でグローバル化しても、時価総額1000億円に達するのは難しい、という印象もあります。グローバルで戦っているかどうかよりも、事業領域が大きいかどうか、シェアをどれぐらい取れるかのほうが大事なのでしょう。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;たとえば日本酒ビジネスの世界展開はグローバルであるかもしれません。しかし、相当考えて事業を作らないと、事業の成長は頭打ちしてしまいます。単に「グローバル」というだけではなく、その先を見据えてグローバル化を推進しなければなりません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;グローバル化は必須です。ただ、グローバル化は目的ではなく、手段でしかありません。「本当に大きくなる事業」へのグローバル化の支援を考えていく必要があります。&lt;/p&gt;
&lt;h4 id=&quot;海外起業を推進する&quot;&gt;&lt;strong&gt;海外起業を推進する&lt;/strong&gt;&lt;/h4&gt;
&lt;p&gt;資金調達が日本でほとんどできない、ということになれば海外で起業するしかありません。実際に、創薬の領域では、最初から米国で会社を作ったり、日本にある会社を米国に転換する動きが活発になっていることを感じています。個社の戦略としてはそれが最適であり、個別のリターンを最大化しようとしたら、そうお勧めせざるをえないでしょう。これもある種のグローバル化なのかもしれません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;しかし、たとえば日本の公的機関や税金（大学など）で作られた知財を使って海外で起業をすると、一部の経営者や投資家は儲かるかもしれませんが、高付加価値な雇用は日本で生まれづらくなるなど、日本での波及効果は限定的になります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ソフトウェア領域等、国内の資産をそれほど使わずに海外で起業する人には当てはまりませんが、もし公的機関の知財などを使う場合にはそうした視点が必要になり、であればやはり国内の環境を整えていくことを考えるべきではないかと思います。&lt;/p&gt;
&lt;h4 id=&quot;ma-に期待する&quot;&gt;&lt;strong&gt;M&amp;amp;A&lt;/strong&gt; &lt;strong&gt;に期待する&lt;/strong&gt;&lt;/h4&gt;
&lt;p&gt;国内 M&amp;amp;A の推進は、短期的には有効な策ではあるとは思います。そして現在走っているファンドにとって、直近でそうした変化があり、イグジットの選択肢が増えるのはありがたい話ではあるでしょう。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;それに、上場時100億円を前提とした資本政策のスタートアップが増えれば、値段的に買いやすくもなり、増えていくことも期待できます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ただ小規模なM&amp;amp;Aが増えたところで、1.8兆円に向けた差分は埋められません。実際、現在のスタートアップの被買収は年間200件弱、被買収までの企業の平均年齢が7年程度で、うち100億円を超えるものは年間数件です (Initial 調べ)。30億円を超えるような買収案件も一桁台の数であることを考えると、M&amp;amp;Aの規模や件数で10倍になったとしても、期待の差を埋めるには厳しい状況です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;それにM&amp;amp;Aが増えた後に大きな挑戦をしてもらうことを期待しているのであれば、大きな挑戦への誘導こそ注力すべきことのように思います。&lt;/p&gt;
&lt;h4 id=&quot;海外投資家に期待する&quot;&gt;&lt;strong&gt;海外投資家に期待する&lt;/strong&gt;&lt;/h4&gt;
&lt;p&gt;海外の投資家から投資してもらうこともありえるでしょうし、スタートアップ各社はその投資条件が良ければ投資を受けるほうがよいと思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ただ、一部の海外の投資家は「日本のそこそこ大きな市場で勝負して、そこそこのリターンを出す」ことを期待していると聞いています。日本のスタートアップに、海外進出などのリスクの高い賭けをしてほしいかというと、そんなことはない、というところも多いようです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;「海外のVCが大きな投資をしてほしい」というのはスタートアップや政策側も望んでいるものの、政策的な視点と海外の投資家の視点では、勝利条件と時間軸に違いがあります。国やエコシステム全体としては「スタートアップを使って次の産業を作る」という20～30年時間軸で大きなリターンを得るということが勝利条件なのに、ミドル・レイターから投資する海外の投資家は3～5年のスパンで2〜10倍のリターンを得ることが勝利条件です。それはそういうものなので仕方がないのですが、海外の大きなファンドは常に日本と目線を合わせてくれるわけではありません。いずれ日本の市場に魅力がなくなれば去って行くでしょう。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;もちろん、一時的に海外ファンドに入ってきてもらって、彼ら彼女らとのネットワークを作るのも重要な戦術だと思います。ただ継続して関わってもらうためには、国内から大きなイグジットを出して、どこかで「日本に継続して投資するべき」という判断をしてもらう必要があります。そのためにも、大きな事業を作ることにもっと注意を払うべきだと思います。&lt;/p&gt;
&lt;h4 id=&quot;大きい事業という名の小さな事業を推進する&quot;&gt;「大きい事業」という名の「小さな事業」を推進する&lt;/h4&gt;
&lt;p&gt;求められる大きさの規模感が、初回の起業家や支援者側に伝わっていないことが多いと感じています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;今求められている挑戦の『大きさ』は、多くの人が考えているような大きさではありません。1兆円企業を作るのにはPERを20とすると、500億円の利益が必要です。こうした事業を作っていくことは相当に大変であり、領域がかなり絞られます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;これはいわば、次世代に残せる産業を作れるかどうか、という大きさであり、ソニーやホンダのような企業を今一度作るという取り組みです。単に「起業をすること」が、今求められている大きな挑戦ではありません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;小さな挑戦も大事ではあるのですが、限られた資源の中、大きな挑戦へと支援を偏らせるほうが今は大事だと考えます。&lt;/p&gt;
&lt;h4 id=&quot;起業数の増加に期待する&quot;&gt;&lt;strong&gt;起業数の増加に期待する&lt;/strong&gt;&lt;/h4&gt;
&lt;p&gt;起業家を増やす、ソフトウェア等、「数を打って確率的に当たる」ことを狙うのも一つの手ですが、そうした戦略が通用する「大きくなる」市場は少なくなってきているように思います。アプリを1個作って、まぐれあたりする、という可能性はかなり少なくなっているでしょう。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;大きさにしてみても、あの一世を風靡したBeRealですら、2024年6月に発表された買収額は約850億円程度で、1000億円に至りませんでした。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そのためには無闇に数を増やすのではなく、「大きな挑戦を増やす」というゴールをきちんと見据えた方が良いのではと思います。&lt;/p&gt;
&lt;h3 id=&quot;まとめ&quot;&gt;&lt;strong&gt;まとめ&lt;/strong&gt;&lt;/h3&gt;
&lt;p&gt;日本のスタートアップエコシステムは一時的に縮小するかもしれませんが、それでもまだ十分な資金はあります。その資金が悪循環を初めて、縮小均衡に達しないうちに、大きな成果を上げる必要があります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そのために足りないのは、そしてそのために求められているのは、&lt;/p&gt;
&lt;ul&gt;
&lt;li&gt;大きな挑戦への支援を厚くすること&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;大きな挑戦になるよう誘導すること&lt;/li&gt;
&lt;/ul&gt;
&lt;p&gt;です。こうした取り組みに資源を集中的に投下する必要があるように思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;その領域は本当にグローバルで勝ちきるソフトウェアビジネスかもしれませんし、ヘルケアかもしれません。気候変動対策かもしれません。方法も、自然発生的な起業に任せずに、投資家やシリアルアントレプレナーなどによる&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/vargas-company-creation/&quot;&gt;カンパニークリエーション&lt;/a&gt;かもしれませんし、高度な戦略を要するコンパウンドスタートアップなのかもしれません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;いずれにせよ、これまでのやり方とは一線を画する領域で、これまでの方法を発展させた新しい方法を発明して、本当に大きな事業を狙っていくことが求められています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;これまでも、そしてこれからも、アメリカのスタートアップの方法論を真似ていれば、日本市場でもアメリカ市場の1/10のサイズ感のスタートアップは生みだせるかもしれませんが、一桁上のゴールを目指し、グローバルで戦おうとすると、日本で始めるならアメリカとは違う戦略を取らざるをえない、そんなフェーズに入ってきたように思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そのためには、そうした挑戦を促し、そうした挑戦に対する支援をもっと増やし、ノウハウを貯めることです。本当に考えに考えて、大きなことを目指していく必要があります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;この挑戦が成功するかどうかは分かりません。もちろん、失敗してもスタートアップエコシステムは規模を縮小して残ってはいきます。しかし、成功しなければ&lt;strong&gt;『スタートアップ業界を縮小させた世代』&lt;/strong&gt;と言われるでしょうし、もしここで挑戦しなければ、&lt;strong&gt;『お金はあって挑戦できたのに、挑戦すらしなかった世代』&lt;/strong&gt;とすら言われてしまうのではないかと思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;スタートアップは産業を作るための一つの手段でしかありません。しかし、現在、国内の産業が難しい状況にある中で、スタートアップが新しく稼げる産業を作るかもしれないという期待をされていて、今、それをできる権利と資源を与えられています。その期待に応え、大きな事業を作ろうとする人たち、それを支えようとする人たちとともに、この瀬戸際のタイミングを乗り越えられればと思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;一人でも多くの人が、大きな挑戦をする人たちを支えていく。そんな風になってくれることを願いつつ、危機感の共有と対処策の方向性について、自分の考えを書いておきます。&lt;/p&gt;
&lt;h4 id=&quot;関連資料&quot;&gt;関連資料&lt;/h4&gt;
&lt;div class=&quot;embed&quot; data-embed=&quot;speakerdeck&quot;&gt;&lt;p class=&quot;embed-link&quot;&gt;&lt;a href=&quot;https://speakerdeck.com/tumada/2024-nian-nosutatoatupunoshi-mefang-kao-efang&quot;&gt;https://speakerdeck.com/tumada/2024-nian-nosutatoatupunoshi-mefang-kao-efang&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;&lt;/div&gt;</content:encoded><dc:creator>馬田 隆明</dc:creator><category>政策</category><category>スタートアップエコシステム</category><category>オピニオン</category></item></channel></rss>