<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?><rss version="2.0" xmlns:content="http://purl.org/rss/1.0/modules/content/" xmlns:atom="http://www.w3.org/2005/Atom" xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/"><channel><title>馬田 隆明のブログ（オープンイノベーション）</title><description>馬田隆明のブログの「オープンイノベーション」の記事。</description><link>https://takaumada.com/blog/tags/open-innovation/</link><language>ja</language><atom:link href="https://takaumada.com/blog/tags/open-innovation/rss.xml" rel="self" type="application/rss+xml"/><item><title>大企業とのカンパニークリエーション - デマンドサイドからのオープンイノベーション</title><link>https://takaumada.com/blog/corporate-company-creation/</link><guid isPermaLink="true">https://takaumada.com/blog/corporate-company-creation/</guid><description>先日取り上げた、スウェーデンの「インパクト・カンパニー」ビルダーである Vargas Holding が、新たに繊維スタートアップの Syre を立ち上げ、2024年3月に資金調達を行って表舞台に出てきました。 Syre はポリエステル繊維…</description><pubDate>Sat, 06 Apr 2024 13:18:54 GMT</pubDate><content:encoded>&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/corporate-company-creation/20240406221759.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/vargas-company-creation/&quot;&gt;先日取り上げた&lt;/a&gt;、スウェーデンの「インパクト・カンパニー」ビルダーである Vargas Holding が、新たに繊維スタートアップの &lt;a href=&quot;https://www.vargasholding.com/our-companies/syre&quot;&gt;Syre&lt;/a&gt; を立ち上げ、2024年3月に資金調達を行って表舞台に出てきました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;Syre はポリエステル繊維の大規模なリサイクルを行い、サーキュラーエコノミーを実現しようとする会社です。石油由来のバージン・ポリエステルと比べ、最大85%のCO2排出量を削減でき、品質も担保できるとのことです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;創業は2023年ですが、規模拡大のタイミングが早く、2024年には米国ノースカロライナで工場が稼働予定、2032年までに世界中で12の工場を持つ予定となっています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;特筆するべきは、&lt;strong&gt;Syre&lt;/strong&gt; &lt;strong&gt;の最初の投資家として、スウェーデンのアパレルメーカーH&amp;amp;M&lt;/strong&gt;&lt;strong&gt;が入っている点&lt;/strong&gt;です。そして投資だけではなく、Syreの初期の顧客として、&lt;a href=&quot;https://www.tpg.com/news-and-insights/new-impact-venture-syre-launches-with-a-mission-to-decarbonize-textile-industry/&quot;&gt;7年間で総額6億ドル (約 900 億円) に相当するオフテイク契約&lt;/a&gt;を行っています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;つまり、このスタートアップには&lt;strong&gt;需要家・兼・投資家としての大企業が最初からいる&lt;/strong&gt;のです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;これは Vargas がこれまで行ってきた、初期顧客から先行投資と購入契約を同時に行うモデルを踏襲しています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/vargas-company-creation/&quot;&gt;デカコーンやユニコーンを次々に作る「Vargas」によるカンパニークリエーション&lt;/a&gt; — takaumada.com&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;たとえば Vargas が作ったバッテリースタートアップNorthvoltにはフォルクスワーゲン、グリーン鉄鋼の H2 Green Steelにはスカニア（スウェーデンの大型トラックメーカー）が初期の需要家・兼・投資家として入っています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;新製品の初期顧客を顧客だけではなく、投資家としても引き入れて、同じ船に乗ってもらうことで、初期顧客は単にイノベーティブな新製品を使えるだけではなく、その会社が成功すれば投資リターンも得られます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;このように、需要家・兼・投資家として大企業が入ること、そしてそれをシード段階から行っているというのは、見方によっては、「&lt;strong&gt;大企業と&lt;/strong&gt;&lt;strong&gt;VC&lt;/strong&gt;&lt;strong&gt;とが一体となって、デマンド起点のカンパニークリエーション&lt;/strong&gt;」をしている、という風にも見ることができます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そしてこうしたスタートアップの立ち上げ方は、新しい「大企業から生まれるスタートアップ」の形、そして新しいオープンイノベーションのである「デマンド起点のカンパニークリエーション」の可能性を示しているのではないかと思います。&lt;/p&gt;
&lt;ul&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/corporate-company-creation/#%E3%82%B5%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%89%E3%81%AE%E3%81%93%E3%82%8C%E3%81%BE%E3%81%A7%E3%81%AE%E5%8F%96%E3%82%8A%E7%B5%84%E3%81%BF&quot;&gt;サプライサイドのこれまでの取り組み&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/corporate-company-creation/#%E3%83%87%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%89%E3%81%AE%E3%81%93%E3%82%8C%E3%81%BE%E3%81%A7%E3%81%AE%E5%8F%96%E3%82%8A%E7%B5%84%E3%81%BF&quot;&gt;デマンドサイドのこれまでの取り組み&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/corporate-company-creation/#%E4%BB%8A%E5%9B%9E%E3%81%AE%E9%81%95%E3%81%84&quot;&gt;今回の違い&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/corporate-company-creation/#%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%A7%E3%81%AE%E3%83%87%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%89%E8%B5%B7%E7%82%B9%E3%81%AE%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%91%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%A8%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3&quot;&gt;日本でのデマンド起点のカンパニークリエーション &lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;/ul&gt;
&lt;h2 id=&quot;サプライサイドのこれまでの取り組み&quot;&gt;サプライサイドのこれまでの取り組み&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;これまでのオープンイノベーション、特に大企業とスタートアップという文脈においては、サプライ側に着目した動きが多かったように思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;たとえば大企業からのスタートアップといえば、大企業に眠る既存の資産や技術をもとに「&lt;strong&gt;スピンオフ&lt;/strong&gt;」して、そこにVCが投資するモデルが中心でした。これは技術シーズというサプライ側からの発想です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;またオープンイノベーションの文脈で、CVCやコーポレートアクセラレータープログラムは、スタートアップというサプライがある前提で、それをどうどう連携していこうかという話でした。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;しかしこうしたサプライ起点の取り組みは、「出してから考える」ということも多いのが難点でした。60%のコーポレートアクセラレータープログラムは２年以内に失敗しているという&lt;a href=&quot;https://www.kauffmanfellows.org/journal/corporate-accelerators-that-work-insights-from-four-kauffman-fellows&quot;&gt;調査&lt;/a&gt;も2021年には出ており、日本でもうまくいっているという話をそこまで多くは聞きません&lt;sup&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/corporate-company-creation/#user-content-fn-1&quot; id=&quot;user-content-fnref-1&quot; data-footnote-ref=&quot;&quot; aria-describedby=&quot;footnote-label&quot;&gt;1&lt;/a&gt;&lt;/sup&gt;。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;サプライ側の発想に重点を置きすぎると、デマンド側にリスクが出てきてしまいます。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&quot;デマンドサイドのこれまでの取り組み&quot;&gt;デマンドサイドのこれまでの取り組み&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;一方で、デマンド側の取り組みもありました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;オープンイノベーション系のプログラムの中で、「大企業側が欲しいものをやや抽象的な領域単位で募集する」というプログラムも多くありました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;NineSightsのようにかなり課題は詳細に特定するものの、広くソリューションを募集する方法もありましたし、1社のデマンドに絞った&lt;a href=&quot;https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/strategy/articles/vs/venture-client-model.html&quot;&gt;Venture Clientモデル&lt;/a&gt;のようなものも出てきています&lt;sup&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/corporate-company-creation/#user-content-fn-2&quot; id=&quot;user-content-fnref-2&quot; data-footnote-ref=&quot;&quot; aria-describedby=&quot;footnote-label&quot;&gt;2&lt;/a&gt;&lt;/sup&gt;。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;しかし、「大企業が欲しいもの」を募集したときには、課題が明確になっておらず、ややふんわりとした領域単位で募集されていることも多く、プログラムに入ってPoCぐらいは回せてもそれ以降には進まなかったケースも多かったようです。自社の課題を特定するのはかなり努力を要することなので、仕方がないかもしれません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;一方、課題を明確に特定していても、小さな規模の取り組みであれば、単なる受託開発になってしまうこともあったように思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;デマンドサイドに着目するのは良かったものの、課題の特定が不十分だったり、需要が大型ではないため、スタートアップとしてはやりづらかった、というのがデマンド起点のオープンイノベーションの難しさだった、ともいえるでしょう。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&quot;今回の違い&quot;&gt;今回の違い&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;Vargas が行っているものは、グリーン化という大企業の大きく確実なデマンドを起点にしながら、その需要に大企業がコミットまで行う、かなり強めのデマンド起点のスタートアップ設立の方法です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;まず大企業のイノベーティブなデマンド（需要）が基盤にあり、スタートアップはそこで欲しがられているものを作る約束をします。もしこれに成功すれば、大企業はイノベーティブな商品をいち早く手に入れることができます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;それに加えて、大企業は需要のコミットをします。 Letter of Intent すら出さないようなふんわりした需要ではありません。そして受託開発ともやや異なり、大規模なコミットをすることが多いようです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;その需要のコミットが行われることによって、その技術や事業に対する信頼が生まれ、スタートアップは新たな投資を呼び込めます。そうすると勝つ確率を上げられます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;また大企業側は需要のコミットと投資を同時に行います。そうすることで、需要以上のアップサイドを得られます。自社や子会社が単独で事業を行うよりも、リスクを押さえつつ、投資家としてリターンを得ることができます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;その結果、最終的には供給者たるスタートアップも、需要者たる大企業もリターンが得られるという、ある種のWin-Winの関係を構築できる（少なくとも理論上は）、という点が興味深いように思います。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&quot;日本でのデマンド起点のカンパニークリエーション&quot;&gt;日本でのデマンド起点のカンパニークリエーション &lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;Vargas の作ったスタートアップは、H&amp;amp;M やスカニアなど、スウェーデン国内の大企業が初期の需要家・兼・投資家になっています。もしかすると、これらは国策に近いのかもしれません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;実際、国策でもおかしくはありません。もしグリーンな領域で勝つ会社が自国から出てくれば、そこから富を埋めますし、雇用を生むこともできるでしょう。もし国内の企業でサプライとデマンドの両方を作り、鍛えることができれば、世界の需要を取りに行くこともできます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;日本は製造業がまだ比較的多い国であり、やりようによってはこのデマンド起点のカンパニークリエーションのモデルをやりやすい国のようにも見えます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;これを行うには大企業とスタートアップだけではなく、国や投資家ともうまくコーディネーションする必要があります。おそらくやりやすいのは投資家でしょう。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ただ一方で、投資家がそれを自社だけで行おうとすると、&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/venture-creation-model/&quot;&gt;Startup Studio モデル&lt;/a&gt;に近くなり、その努力に見合うだけの多くの株式を取らざるを得ず、その結果、多くのステークホルダーからの応援が得づらくもなってしまいます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そこで大学等の中立・公的・非営利の立場にいる私たちのような人間が、そうしたコーディネーションを行いながら、次の世代に必要な会社や製品を作っていく初期の活動を担い、そこからつないでいけないかと考えています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;すでに何人かの方にはご相談させていただいていますが、こうした大企業とのカンパニークリエーション、特にグリーンの領域でのカンパニークリエーションに大型需要家・兼・投資家として興味がある方がいれば、ぜひ&lt;a href=&quot;https://forms.gle/NXaMmQ5uGzvGgmmFA&quot;&gt;コミュニケーションさせてください&lt;/a&gt;。未来の日本に必要な事業や会社を一緒に作っていくことができればと思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;strong&gt;関連資料&lt;/strong&gt;&lt;/p&gt;
&lt;div class=&quot;embed&quot; data-embed=&quot;speakerdeck&quot;&gt;&lt;p class=&quot;embed-link&quot;&gt;&lt;a href=&quot;https://speakerdeck.com/tumada/duo-yang-hua-suruinobesiyonzheng-ce&quot;&gt;https://speakerdeck.com/tumada/duo-yang-hua-suruinobesiyonzheng-ce&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;&lt;/div&gt;
&lt;section data-footnotes=&quot;&quot; class=&quot;footnotes&quot;&gt;&lt;h2 class=&quot;sr-only&quot; id=&quot;footnote-label&quot;&gt;脚注&lt;/h2&gt;
&lt;ol&gt;
&lt;li id=&quot;user-content-fn-1&quot;&gt;
&lt;p&gt;ただ、ある種の新規事業でもあると考えると、新規事業に取り組んだ会社の10%が成功すれば凄いのではとは思います。 &lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/corporate-company-creation/#user-content-fnref-1&quot; data-footnote-backref=&quot;&quot; aria-label=&quot;本文の参照 1 へ戻る&quot; class=&quot;data-footnote-backref&quot;&gt;↩&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;/li&gt;
&lt;li id=&quot;user-content-fn-2&quot;&gt;
&lt;p&gt;最近の取り組みは&lt;a href=&quot;https://medium.com/@gregor_gimmy/venture-clients-or-the-only-thing-that-matters-for-startups-abf6c7e19beb&quot;&gt;こちら&lt;/a&gt;など。 &lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/corporate-company-creation/#user-content-fnref-2&quot; data-footnote-backref=&quot;&quot; aria-label=&quot;本文の参照 2 へ戻る&quot; class=&quot;data-footnote-backref&quot;&gt;↩&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;/li&gt;
&lt;/ol&gt;
&lt;/section&gt;</content:encoded><dc:creator>馬田 隆明</dc:creator><category>カンパニークリエーション</category><category>オープンイノベーション</category><category>ディープテック</category></item></channel></rss>