<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?><rss version="2.0" xmlns:content="http://purl.org/rss/1.0/modules/content/" xmlns:atom="http://www.w3.org/2005/Atom" xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/"><channel><title>馬田 隆明のブログ（非営利）</title><description>馬田隆明のブログの「非営利」の記事。</description><link>https://takaumada.com/blog/tags/nonprofit/</link><language>ja</language><atom:link href="https://takaumada.com/blog/tags/nonprofit/rss.xml" rel="self" type="application/rss+xml"/><item><title>Non-Profit カンパニークリエーションの可能性</title><link>https://takaumada.com/blog/non-profit-company-creation/</link><guid isPermaLink="true">https://takaumada.com/blog/non-profit-company-creation/</guid><description>これまで営利型のスタートアップにおけるカンパニークリエーションの記事とNon-Profit スタートアップの記事を何度か書いてきました。 これらを掛け合わせた『Non-Profit カンパニークリエーション』や『ソーシャルカンパニークリエー…</description><pubDate>Wed, 10 Sep 2025 00:24:24 GMT</pubDate><content:encoded>&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/non-profit-company-creation/20250910091548.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;これまで&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/tags/company-creation/&quot;&gt;営利型のスタートアップにおけるカンパニークリエーション&lt;/a&gt;の記事と&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/non-profit-startup-rises/&quot;&gt;Non-Profit スタートアップ&lt;/a&gt;の記事を何度か書いてきました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;これらを掛け合わせた『&lt;strong&gt;Non-Profit カンパニークリエーション&lt;/strong&gt;』や『&lt;strong&gt;ソーシャルカンパニークリエーション&lt;/strong&gt;』とも呼べる取り組みも、世界では始まっています。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&quot;世界での事例&quot;&gt;世界での事例&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;1つの例は &lt;a href=&quot;https://www.charityentrepreneurship.com/&quot;&gt;Charity Entrepreneurship&lt;/a&gt; という2018年設立のイギリスの団体です。『隷属なき道』や『Humankind』で有名なルトガー・ブレグマンの新著『Moral Ambition』という本でも紹介されているCharity Entrepreneurship (CE) は、CE 側で内部リサーチを行って大きなインパクトをもたらすアイデアを特定し、それを解く社会起業家を募集、一定のトレーニングを行った後、資金調達支援まで行います。これまで50団体以上を輩出しているそうです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;少し違うアプローチだと、&lt;a href=&quot;https://globaldevincubator.org/&quot;&gt;Global Development Incubator&lt;/a&gt; (GDI) があります。アメリカのワシントン D.C. に拠点を置く GDI は、資金提供財団や現地のパートナーと共同で、解くべき社会課題を特定し、新しいプログラムを設計しています。その後、12 - 36 ヶ月間のインキュベーションプロセスを通して、主に非営利型の事業を作っていく、というものです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;上記の海外の団体は主に非営利の組織を次々に生み出しています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;『ソーシャルカンパニークリエーション』と言うと、社会貢献活動を実施する営利型の企業までも含まれる可能性があるので、どちらかというと『Non-Profit カンパニークリエーション』と言うほうが適しているかもしれません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;（※営利と非営利のどちらが良いという話ではありません。事業領域や課題によって、営利・非営利のグラデーションのどこがベストかは異なると思います。）&lt;/p&gt;
&lt;figure&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/non-profit-company-creation/20250910090410.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;figcaption&gt;
&lt;p&gt;&lt;a href=&quot;https://oisr-org.ws.hosei.ac.jp/images/oz/contents/662-05.pdf&quot;&gt;https://oisr-org.ws.hosei.ac.jp/images/oz/contents/662-05.pdf&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;/figcaption&gt;
&lt;/figure&gt;
&lt;h2 id=&quot;なぜ必要か---インパクトの最大化&quot;&gt;なぜ必要か - インパクトの最大化&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;非営利の領域で社会課題を解決し、大きなインパクトを生み出そうとしたときには、「解決できれば大きなインパクトをもたらす課題」や「その中で解決しうる課題」の特定がかなり重要です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;しかし、それらはかなり難しいことだと強く感じています。特に非市場領域における社会課題の原因は、表面的に見えている課題を深く掘った先にあり、さらに構造的で複雑な問題であることが多いため、解くべき課題を見つけるところに相当の労力がかかるからです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;しかし一度課題を定めて事業を始めてしまうと、取り組む課題から距離を置くことは難しくなってしまいます。特に社会的な事業はその傾向が強い印象があります。しかしそうして貴重な社会起業家の時間という資源が、あまり大きなインパクトにつながらない活動に使われてしまうのは、とてももったいないことです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;もちろん、小さな社会課題解決も大事であり、それには価値があります。ただ人の少なくなっていく現在の日本において、もう少し目を向けた方が良いのは、どれだけの成果や社会的インパクトが生まれる活動なのか、といった&lt;strong&gt;インパクトへの志向性&lt;/strong&gt;のように思います。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&quot;non-profit-カンパニークリエーションの可能性&quot;&gt;Non-Profit カンパニークリエーションの可能性&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;そう考えると、Non-Profit カンパニークリエーションのように、誰かから提示される社会課題に取り組み、 大きなインパクトを短期間に最大化することは、1つの有効な手法であるように思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;もちろんそのためには、オーガナイズをする人たちが大きなインパクトをもたらす社会課題を特定しなければならず、そのためにはリサーチ等も必要でしょうが、そうした取り組みが何かしらあり、それを解決する仕組みができると良いのだろうなと思っています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;あるいは大学や研究機関でも、社会現象の分析だけではなく、&lt;strong&gt;大きなインパクトを出すことを前提とした課題の分析や解決の取り組み&lt;/strong&gt;などがもっと行われると、教育的にも良いのかなと思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;それをさらに発展させると、研究として高リスク高リターンな、&lt;strong&gt;人文社会版 DARPA&lt;/strong&gt; とも呼べるような取り組みをすることにもつながりうると思います。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&quot;will-からインパクトへ&quot;&gt;Will からインパクトへ&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;ただこうした話をすると、「そこに意思や情熱があるのか」と問われることはあるでしょう。非営利の領域だとその傾向が営利型よりも強くなるように思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;もちろん、意思や情熱といったWillがないよりはあるほうが良いことは比較的多いとは思いますが、Willが薄いからといって、誰かが何かを始めることを止めていては誰も何も始められなくなります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;それに人の意思や情熱は、次第に育っていくものでもあり、最初から「何をしたいか」が決まっている人はわずかです。むしろほとんどの人はちょっとした興味関心から物事に関わり始め、そこから次第に芽吹いていくものが多いのでは、と思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;また、私たちが人を助けるのに理由が必要かというと、決してそんなことはありません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;困っていた人がいたら、特段の Will や理由がなかったとしても、手を差し伸べれば良いはずです。そうした支援の結果、より多くの人が助かるという成果があれば、それは素晴らしいことのはずです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;「せっかくであれば、社会に良いことをしたくて、大きな社会的インパクトを生み出したい」というのも立派な意思です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;もちろん、当事者でない分、その手の差し伸べ方には配慮や謙虚さ、公正性やNothing about us without us の考えなどが必要ですが、Willと同じぐらい、どれぐらい成果やインパクトがある活動なのかを、改めて考えたとき、改めて非営利領域でのこうしたカンパニークリエーション的な活動には、大きな価値があるのでは、と考えています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;strong&gt;参考&lt;/strong&gt;&lt;/p&gt;
&lt;div class=&quot;embed&quot; data-embed=&quot;speakerdeck&quot;&gt;&lt;p class=&quot;embed-link&quot;&gt;&lt;a href=&quot;https://speakerdeck.com/tumada/must-can-will-dekao-erukiyaria&quot;&gt;https://speakerdeck.com/tumada/must-can-will-dekao-erukiyaria&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;&lt;/div&gt;</content:encoded><dc:creator>馬田 隆明</dc:creator><category>カンパニークリエーション</category><category>非営利</category></item><item><title>非営利組織のプロダクト・ソサエティ・フィット (PSF) とそのジャーニー</title><link>https://takaumada.com/blog/product-society-fit-for-non-profits/</link><guid isPermaLink="true">https://takaumada.com/blog/product-society-fit-for-non-profits/</guid><description>営利のスタートアップの最初に目指すのはプロダクト・マーケット・フィット (PMF) だと言われます。その名の通り、製品が市場に適合（フィット）した状態で、そこに達すると顧客からの引き合いで圧倒される、といった現象が起こるなどと言われています…</description><pubDate>Sun, 15 Jun 2025 07:51:32 GMT</pubDate><content:encoded>&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/product-society-fit-for-non-profits/20250615164639.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;営利のスタートアップの最初に目指すのは&lt;strong&gt;プロダクト・マーケット・フィット (PMF)&lt;/strong&gt; だと言われます。その名の通り、製品が市場に適合（フィット）した状態で、そこに達すると顧客からの引き合いで圧倒される、といった現象が起こるなどと言われています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;一方、非営利組織や社会的企業が作る製品やサービスの最終的な目標地点は、売買が伴う『市場』とは限りません。市場以外も含めた『社会』に受容されることを企図することになるでしょう。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そこで、社会で機能する製品やサービスに達することを&lt;strong&gt;プロダクト・ソサエティ・フィット (Product/Society Fit)&lt;/strong&gt; と呼んで整理してみます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;（ここで言う『社会』には様々な規模があります。世界規模の人類社会もあれば、一部の人たちを対象とした地域社会もあるでしょう。学校やコミュニティなども一つの社会です。）&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;このような形で整理すると、スタートアップのメタファーが通じるようになり、スタートアップで培われてきたノウハウの一部が流用しやすくなるように思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;たとえばその一つが、スタートアップがどういった順序で検証を進めていくのか、という段階論、&lt;a href=&quot;https://speakerdeck.com/tumada/sutatoatupuhuitutoziyani-version-2&quot;&gt;スタートアップフィットジャーニー&lt;/a&gt;と呼んでいるものの応用です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;今回のこの記事は、以下のジャーニーとスタートアップのベストプラクティスを活用するために、営利と非営利では何が同じで何が違うのかを順を追って整理していきたいと思います。&lt;/p&gt;
&lt;div class=&quot;embed&quot; data-embed=&quot;speakerdeck&quot;&gt;&lt;p class=&quot;embed-link&quot;&gt;&lt;a href=&quot;https://speakerdeck.com/tumada/sutatoatupuhuitutoziyani-version-2&quot;&gt;https://speakerdeck.com/tumada/sutatoatupuhuitutoziyani-version-2&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;&lt;/div&gt;
&lt;h2 id=&quot;psf-までのフィットジャーニーの整理&quot;&gt;PSF までのフィット・ジャーニーの整理&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;営利企業でのスタートアップの場合、以下のような整理がなされていました。&lt;/p&gt;
&lt;figure&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/product-society-fit-for-non-profits/20250615153912.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;figcaption&gt;
&lt;p&gt;営利企業（スタートアップ）のスタートアップフィットジャーニー&lt;/p&gt;
&lt;/figcaption&gt;
&lt;/figure&gt;
&lt;p&gt;これを先ほどの Product/Society Fit に転用すると、最後の Market が &lt;u&gt;&lt;strong&gt;Society&lt;/strong&gt;&lt;/u&gt; になります。右端が Product/Society Fit という段階になるということです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/product-society-fit-for-non-profits/20250615153943.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;左端のほうにも変化が必要です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;市場を目標とした場合は、最初は顧客（Customer）から始まっていました。顧客とは一般的に商品やサービスを購入する人を指します。多くの場合、顧客＝ユーザーですが、そうでないケースもあります。たとえば、Google のようなサービスでは顧客（広告主など）とユーザー（検索を使う人）が違います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そうした言葉の違いを意識すると、非営利事業の場合、顧客ではなくステークホルダー&lt;u&gt; &lt;strong&gt;(Stakeholder)&lt;/strong&gt;&lt;/u&gt; から始まる、と整理した方が良さそうです。そのため、最初のステップは Stakeholder/Problem Fit になります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/product-society-fit-for-non-profits/20250615160857.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ここでのステークホルダーは、&lt;strong&gt;主に受益者 (Beneficiary)&lt;/strong&gt; に置くべきだと考えていますが、それ以外にも以下のような人たちが含まれます。（事業によって異なります）&lt;/p&gt;
&lt;ul&gt;
&lt;li&gt;受益者&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;寄付者・支援者&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;政府・自治体&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;一般市民&lt;/li&gt;
&lt;/ul&gt;
&lt;p&gt;基本的に顧客の方向にさえ向いていれば良い営利企業と違って、非営利組織はこのステークホルダーが誰なのかをきちんと考えるところから始まることになります。そのため、ステークホルダーマッピングなどが初期に行われる傾向にあります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そうしてステークホルダーを特定した上で、従来の Customer/Problem Fit でやるべきだと言われていた『バーニングニーズ』の特定のために、重要なステークホルダーに対しては、&lt;/p&gt;
&lt;ul&gt;
&lt;li&gt;ステークホルダーインタビュー&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;代替品や競合の調査&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;現場での観察&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;現場で働く&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;とにかく関連書籍を読む&lt;/li&gt;
&lt;/ul&gt;
&lt;p&gt;といったことをすることが有用だろう、ということになります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;色々と違いを整理してきましたが、基本的にそれぞれの段階でもし製品やサービスを用いて社会的な課題を解こうとしているのであれば、それぞれの段階でやるべきことは、従来のスタートアップで言われていることと似ていて、ノウハウを流用できるように思います。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&quot;社会システムの理解&quot;&gt;社会システムの理解&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;ただし社会課題に取り組む場合、主なステークホルダーである受益者だけを意識していれば良いのかというと、そんなことはありません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;苦境に喘いでいる人たちに緊急的に援助を行うことはもちろん大事ですが、それは症状への一時的な改善を行う対処療法になりがちであり、根治には至らないことも多いからです。受益者の感じているバーニングニーズは本当に短期的なニーズであることがほとんどで、それを解き続けるだけでは焼け石に水をかけ続けることになります（繰り返すようですが、そうした緊急支援も大事です）。たとえば米やガソリンの値段が高いから、給付金や補助を出す、といった対処策は、一時的な対処や政治的支持を得るという点では有効かもしれませんが、根治には至らないでしょう。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;社会課題の多くは、何かしらの社会構造や社会の歪みから生まれています。もし根本的な治療を行いたいのであれば、あるいはインパクトの大きな課題解決を行いたいのであれば、その課題を生み出す構造やシステムを理解し、レバーとなる課題を解決しなければなりません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;その意味で、営利の企業とは少し異なり、&lt;strong&gt;非営利組織は社会システムへの理解&lt;/strong&gt;も重要になってきます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/product-society-fit-for-non-profits/20250615161625.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ステークホルダー（人）が持つ&lt;strong&gt;ミクロの視点での課題&lt;/strong&gt;と、社会システム (Social System) という&lt;strong&gt;マクロな視点での課題の両方&lt;/strong&gt;を行き来しながら特定する必要があるということです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;その意味で、従来の Stakeholder/Problem Fit の探索と同時に、Social System/Problem Fit の探索を同時並行的に走らせていく必要があります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/product-society-fit-for-non-profits/20250615161916.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;非営利の領域で団体が助成を受けようとする際には、インパクトを最大化するために&lt;a href=&quot;https://mojdigital.blog.gov.uk/2020/06/02/systems-mapping-a-brief-overview-of-what-why-and-how-part-1/&quot;&gt;システムマップ&lt;/a&gt;や&lt;a href=&quot;https://www.siif.or.jp/publication_category/kadaikozomap/&quot;&gt;課題構造マップ&lt;/a&gt;で社会課題を整理することを促されることが多いように思います。これはまさに下段の左端にある Social System を理解して、その中でレバーとなる課題 (Problem) を見つける作業のように思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;一方で、システム全体の理解が適切で綺麗な解決策が描けたとしても、それが受益者やステークホルダーに受け入れられなければ、何も始まりません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;それに、こうしたシステム的でマクロな問題に気づくのは、社会課題の現場（ステークホルダーの課題）を知ってから、ということも多いので、社会システムの構造が整理できていなから動くべきではない、というわけではありません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そのため、&lt;strong&gt;ステークホルダーの複数の課題と社会システムの複数の課題を行き来する&lt;/strong&gt;ことが求められます。そうした課題の中で、現在解決可能で、解決されれば大きなインパクトをもたらせるような課題を特定しなければなりません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/product-society-fit-for-non-profits/20250615161902.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そうした課題が特定できたらなら、それに対する解決策を講じて、Problem/Solution Fit に向かいます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/product-society-fit-for-non-profits/20250615163937.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そして解決策がうまく機能しそうであれば、製品でスケーリングしていくことになるでしょう。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/product-society-fit-for-non-profits/20250615163955.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;なお、ここでの非営利組織の「プロダクト」は、いわゆる製品（ものやサービス）だけではなく、&lt;/p&gt;
&lt;ul&gt;
&lt;li&gt;政策&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;フランチャイズ（パッケージ化されたサービス）&lt;/li&gt;
&lt;/ul&gt;
&lt;p&gt;などがありえます（&lt;a href=&quot;https://ssir-j.org/endgame/&quot;&gt;エンドゲームの類型&lt;/a&gt;のように）。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そしてその製品がうまく社会に受け入れられて、引き合いが多くなれば、それは PSF を達成した、と言えるようになります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/product-society-fit-for-non-profits/20250615164038.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ここに至る各段階でやるべきことは、スタートアップのノウハウの一部を生かせるのでは、と思います。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&quot;まとめ&quot;&gt;まとめ&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;営利組織と非営利組織では大きな違いもいくつかありますが、製品やサービスを使った社会課題解決を企図している場合、それらの違いを意識したうえでスタートアップの一部のベストプラクティスは活用できるのでは、という整理をしてきました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;なお、必ずこうした道筋を辿らなければならないというわけではありませんし、これが正しいというわけではありません。あくまで一つの整理の参考にしていただければと思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;細かなスタートアップのノウハウは上記のスライドをご覧ください。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;本整理の初出は &lt;a href=&quot;https://peplatform.org/pep-for-nps&quot;&gt;Non-Profit Startup アクセラレータープログラム&lt;/a&gt;でしたが、2025/6/16 から始まる&lt;a href=&quot;https://www.ducr.u-tokyo.ac.jp/activity/venture/education/stsap.html&quot;&gt;東京大学ソーシャルテックスタートアップ アクセラレータープログラム&lt;/a&gt;でもこうした考え方を活用できればと思います。&lt;/p&gt;</content:encoded><dc:creator>馬田 隆明</dc:creator><category>非営利</category></item><item><title>Non-Profit スタートアップ - 『社会的インパクト』を短期間に急成長させる『非市場領域』でのスタートアップ</title><link>https://takaumada.com/blog/non-profit-startup-rises/</link><guid isPermaLink="true">https://takaumada.com/blog/non-profit-startup-rises/</guid><description>2025-01-18 追記: Non-Profit スタートアップの支援プログラムを実施できることになりました。詳細はこちらから。 クラウドやスマートフォンが登場し、数十年経ちました。それらの普及と、オープンソースなどの貢献のおかげで、ソフ…</description><pubDate>Sun, 08 Sep 2024 09:57:09 GMT</pubDate><content:encoded>&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/non-profit-startup-rises/20240908183941.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;2025-01-18 追記: Non-Profit スタートアップの支援プログラムを実施できることになりました。&lt;a href=&quot;https://peplatform.org/pep-for-nps&quot;&gt;詳細はこちら&lt;/a&gt;から。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;クラウドやスマートフォンが登場し、数十年経ちました。それらの普及と、オープンソースなどの貢献のおかげで、ソフトウェアベースのサービスはより安価に開発・配布・運営ができるようになっています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;その結果、ソフトウェア領域ではハイグロース・スタートアップを起業しやすくなり、この数十年で多くの企業が誕生しました。今後も開発者向けのサービスやAIなどの発展で、基本的なソフトウェアの開発や運用はより低コスト化していくでしょう。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;開発や運用のコストが十分に下がると、サービスとして維持可能な売上等のラインは下がります。であれば、一部のソフトウェア系のサービスでは、&lt;strong&gt;利益を志向しない『非営利』のサービスとして運営できる領域の大きさや可能性も高まってきているのではないか&lt;/strong&gt;と思っています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;たとえば、最近私が使っているイベントサービスの&lt;a href=&quot;https://humanitix.com/&quot;&gt;Humanitix&lt;/a&gt;は非営利の形態を取っています。こうしたイベントサービスは、地域のコミュニティを生むために重要な役目を果たします。Humanitixは非営利なので、収益をある程度合わせて採算を合わせつつ、利益はチャリティに向けられています。追加の財源はAtlassian や Google の財団からの寄付などです。使いやすさはEventbriteを彷彿とさせるもので、Eventbriteほどの外部サービス連携はありませんが、十分な機能を備えています。&lt;/p&gt;
&lt;figure&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/non-profit-startup-rises/20240908181620.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;figcaption&gt;
&lt;p&gt;&lt;a href=&quot;https://humanitix.com/&quot;&gt;https://humanitix.com/&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;/figcaption&gt;
&lt;/figure&gt;
&lt;p&gt;こうしたサービスが無料、もしくは安価で使えるのは、ソフトウェアだからです。ソフトウェアは低コストでの規模拡大を得意としており、より多くの人にサービスを届けることができます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そうしたソフトウェアの力に加えて、いくつかの要素を組み合わせることで、利益というビジネスの評価軸ではなく、&lt;strong&gt;社会的インパクトという評価軸において急成長をするスタートアップ&lt;/strong&gt;、いわゆるノンプロフィット・スタートアップというのも実現可能ではないかと考えています。&lt;/p&gt;
&lt;figure&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/non-profit-startup-rises/20240908181728.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;figcaption&gt;
&lt;p&gt;ノンプロフィット・スタートアップ (Non-Profit Startup)&lt;/p&gt;
&lt;/figcaption&gt;
&lt;/figure&gt;
&lt;p&gt;より具体的には、&lt;/p&gt;
&lt;ol&gt;
&lt;li&gt;ソフトウェア&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;政策&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;営利型のスタートアップの中で培われてきたノウハウ&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;新しい資金源&lt;/li&gt;
&lt;/ol&gt;
&lt;p&gt;といった4つの要素を組み合わせて短期間で社会的インパクトの拡大をすることができるようになってきているのでは、と思っています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;もちろん、短期間に急成長していくためには、非営利といえど認知やユーザー獲得のために工数を割く必要があり、そのためのセールスやマーケティングが必要です。「良い製品を作れば勝手に顧客がやってくる」ことはなく、むしろ非営利の領域だからこそ、本当に届けたい人たちに知ってもらうにはかなりの労力が必要でしょう。そこには人件費が発生し、資金が必要になります。なので、すべての非営利サービスが急成長できるとは思いません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;しかし一部の領域におけるサービスでは、非営利サービスが急成長できるアプローチもあり得るのではないかと思っており、その意義と可能性についてまとめたいと思います。&lt;/p&gt;
&lt;ul&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/non-profit-startup-rises/#%E8%83%8C%E6%99%AF&quot;&gt;背景&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/non-profit-startup-rises/#%E5%B8%82%E5%A0%B4%E3%81%AE%E9%99%90%E7%95%8C&quot;&gt;市場の限界&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/non-profit-startup-rises/#%E9%9D%9E%E5%B8%82%E5%A0%B4%E9%A0%98%E5%9F%9F%E3%81%A7%E3%81%AE%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E8%AA%B2%E9%A1%8C%E8%A7%A3%E6%B1%BA&quot;&gt;非市場領域での社会課題解決&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/non-profit-startup-rises/#%E9%9D%9E%E5%B8%82%E5%A0%B4%E3%81%AE%E9%A0%98%E5%9F%9F%E3%81%A7%E3%81%AE%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%82%B0%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%88%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97%E3%81%AE%E5%8F%AF%E8%83%BD%E6%80%A7&quot;&gt;非市場の領域でのハイグロース・スタートアップの可能性&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/non-profit-startup-rises/#%E9%9D%9E%E5%B8%82%E5%A0%B4%E9%A0%98%E5%9F%9F%E3%81%A7%E3%81%AE%E6%80%A5%E6%88%90%E9%95%B7%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%82%B0%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%81%AE%E6%96%B9%E6%B3%95&quot;&gt;非市場領域での急成長（ハイグロース）の方法&lt;/a&gt;
&lt;ul&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/non-profit-startup-rises/#1-%E3%82%BD%E3%83%95%E3%83%88%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%A2%E3%82%92%E4%BD%BF%E3%81%86&quot;&gt;(1) ソフトウェアを使う&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/non-profit-startup-rises/#2-%E6%94%BF%E7%AD%96%E3%82%92%E4%BD%BF%E3%81%86&quot;&gt;(2) 政策を使う&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/non-profit-startup-rises/#3-%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%88%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97%E3%81%AE%E6%96%B9%E6%B3%95%E8%AB%96%E3%82%92%E4%BD%BF%E3%81%86&quot;&gt;(3) スタートアップの方法論を使う&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/non-profit-startup-rises/#4-%E6%96%B0%E3%81%97%E3%81%84%E8%B3%87%E9%87%91%E3%82%92%E4%BD%BF%E3%81%86&quot;&gt;(4) 新しい資金を使う&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;/ul&gt;
&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/non-profit-startup-rises/#%E3%81%BE%E3%81%A8%E3%82%81&quot;&gt;まとめ&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;/ul&gt;
&lt;h2 id=&quot;背景&quot;&gt;背景&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;現在、ハイグロース・スタートアップが注目されており、その中では社会課題解決と営利事業との両立に向けた取り組みが進んでいます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;たとえば営利事業としての急成長と社会的インパクトを両立するインパクト・スタートアップや、急成長まではいかずとも成長を志向しながら社会的な意義を持つ事業を行うゼブラ企業などです。金融の領域でも、社会的インパクトを評価したうえで投資をするインパクト投資や、社会的インパクトに応じて有利な条件で融資を受けられる仕組みなどの試みも進んでいます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;こうした市場メカニズムや金融の仕組みをうまく使ったり、それらの一部修正をすることで、社会課題解決を行う事業が可能な領域は徐々に増えていくように思いますし、そうあってほしいと願っています。 &lt;/p&gt;
&lt;p&gt;しかし残念ながら、市場のメカニズムやその修正ですべての社会課題に対応できるわけでもないとも思っています。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&quot;市場の限界&quot;&gt;市場の限界&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;その理由の一つとして、課題の性質上、どうしても利益が出づらいという領域があるからです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;たとえばNPOの活動領域別の収益構造を見てみると、医療・こどもなど、受益者から多少のお金が取れる領域は事業収益が多めになっていますが、一方、貧困等の福祉の領域では、受益者からお金を受け取ることが難しいため、事業収益はほぼありません。&lt;/p&gt;
&lt;figure&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/non-profit-startup-rises/20240908181853.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;figcaption&gt;
&lt;p&gt;&lt;a href=&quot;https://nponews.jp/article/npo-income-source/&quot;&gt;https://nponews.jp/article/npo-income-source/&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;/figcaption&gt;
&lt;/figure&gt;
&lt;p&gt;それはそのはずで、貧困などの領域では受益者である貧困に苦しむ人たちから、サービスの対価としてお金をもらうのは難しいでしょう。もしお金を取って採算に乗せようとすると、狭い部屋に多くの人を押し込んで効率化する、などのサービスになってしまうことも考えられます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;個々の団体を見れば、そうした採算上の困難に対して、ビジネスモデル等の工夫を凝らして解決しているところもあります。ただ、傾向として、市場メカニズムを使える社会課題とそうでない社会課題があるのもまた事実だと思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そしてもし無理に市場メカニズムを使って社会課題に取り組もうとすると、サービスが変質してしまうこともあります。たとえば教育でしばしば見かけるのは、初期はサービスを広く提供しようとするものの、最終的に利益が出る領域にひきずられて、高所得者の子どもたち向けの教育サービスになるなどです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;冒頭でHumanitixをEventbrite の代わりに使っていると言いましたが、これも一例です。Eventbriteは2018年にIPOをした後、業績が低迷し、2023年8月に価格体系を変更して無料枠がかなり制約のあるものになりました（ただし2024年9月に再度変更があり、その制約が外されました）。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;市場メカニズムは強力ですが、金銭的利益を最大化することに最適化されている仕組みです。そのため、社会課題によっては市場を使うことに向いてないということがあるのは仕方がない部分もあります。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&quot;非市場領域での社会課題解決&quot;&gt;非市場領域での社会課題解決&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;市場ではないから金銭的に儲からないけれど、誰かがやらなければ解決しない。そうした「非市場の領域」での社会課題解決を、行政やNPOが担っています。たとえば教育や交通などはその領域の一つです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;これらには経済的価値とは異なる社会的価値を持ちますが、経済的なリターンが出づらく、参入する経済的インセンティブが少ない領域でもあります。だからこそ行政が担当している領域でもあります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;もちろん、現在進みつつある行政のデジタル化によって、行政ができることは多少増えているようにも思います。しかし一方で、NPOが今でも必要なように、行政だけですべて非市場領域の社会課題に対応するのは資源の面からしても難しいでしょう。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そこで行政ではなく民間企業が、ソフトウェアという新しい汎用的技術や新しいビジネスモデルを使って、新しい採算ラインを見極めながら非市場領域に挑戦することもありえます。たとえば交通の一部は、不動産価値などと組み合わせるなどとして利益を出すことも可能でしょうし、自動運転やライドシェアなど新しい仕組みを入れてペイすることも可能かもしれません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そうした取り組みには期待をしつつも、営利企業として広げられる領域には限界はあるように思います。そうであるからこそ、あえて営利を目指さずに、非営利として活動していくべき領域は残り続けるでしょう。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&quot;非市場の領域でのハイグローススタートアップの可能性&quot;&gt;非市場の領域でのハイグロース・スタートアップの可能性&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;冒頭にクラウドやスマートフォンの話を挙げました。これらのコストは下がり、さらにそれらを使える人材も十年かけて増えてきました。さらにAIの登場により開発のコストも下がりつつあります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;一方で、市場の中でクラウドやスマートフォンなどを活用して急成長できる事業はすでに多くの取り組みがなされ、可能性のある機会は徐々に少なくなってきているようにも思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;また、営利型のアイデアとして多くのアイデアが提案されますが、その中には営利型でやるよりも非営利でやったほうが良いのでは、と思えるようなアイデアがそれなりの数あるように思います。むしろ営利で無理にやろうとすると、本来目指していたような社会的インパクトが出しづらいようなアイデアもあります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;しかし非営利領域での取り組みはまだ十分になされていません。こうしたギャップに機会があるのではないかと思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;日本のNPOはソフトウェアを前提とした組織運営がされているわけでもなく、十分に使いこなせているわけではないように見えています。そこにソフトウェアをうまく導入するだけでも大きな便益が生まれます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そしてこれまでハイグロース・スタートアップで培われてきたノウハウや、政策、資金をうまく使えば、従来の着実な成長型のNPOではなく、短期間で社会的インパクトを急成長させることができるNPOも生まれるのではないかと思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;まとめると、以下のような図になります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;縦軸に市場⇔非市場の領域を取り、横軸にインパクトの小規模⇔大規模の志向性（あくまで志向であり、優劣はありません）を取ったときに、右上の象限であるNon-Profitスタートアップがありうるのではないか、ということです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/non-profit-startup-rises/20240908181924.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&quot;非市場領域での急成長ハイグロースの方法&quot;&gt;非市場領域での急成長（ハイグロース）の方法&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;社会的インパクトを急成長させるためのノンプロフィット・スタートアップを実現させるために、&lt;/p&gt;
&lt;ol&gt;
&lt;li&gt;ソフトウェア&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;政策&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;スタートアップの方法論&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;新しい資金&lt;/li&gt;
&lt;/ol&gt;
&lt;p&gt;の4つが今なら新しいツールとして使えるのではないかと考えています。&lt;/p&gt;
&lt;h3 id=&quot;1-ソフトウェアを使う&quot;&gt;(1) ソフトウェアを使う&lt;/h3&gt;
&lt;p&gt;これまで話してきたように、ソフトウェアは新しく私たちが手に入れたツールです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;実際、海外ではTech for Goodと呼ばれているような団体群が生まれてきています。日本でもCivic Tech といった領域がありますが、海外では&lt;a href=&quot;https://www.ffwd.org/&quot;&gt;Tech Nonprofits&lt;/a&gt; というカテゴライズを用意して支援するFast Forward社もあります。そこで支援されているようなNPOは、Non-Profit Startup (NPS) となりうるアイデアも含まれているように思います。&lt;/p&gt;
&lt;h3 id=&quot;2-政策を使う&quot;&gt;(2) 政策を使う&lt;/h3&gt;
&lt;p&gt;社会課題を解決していく上で、ソフトウェア以外に使えるツールがあるとすれば&lt;strong&gt;政策&lt;/strong&gt;です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;特にこれまでの政策は議員や行政の方が考えるものでしたが、民間や市民からの政策提言や政策起業が求められつつあります。もし適切な政策を作ることができれば、社会課題を大きく解決することができます。&lt;/p&gt;
&lt;h3 id=&quot;3-スタートアップの方法論を使う&quot;&gt;(3) スタートアップの方法論を使う&lt;/h3&gt;
&lt;p&gt;この数十年間培われてきたスタートアップのノウハウの一部は、非営利の領域でも、特に初期の探索や立ち上げの段階であれば利用できるのではないかと思っています。例えば初期の探索におけるインタビューの技法や、MVPの作り方、サービスの作り方などはノンプロフィット・スタートアップを作っていくうえでも応用可能ではないかと思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;実際、スタートアップ支援機関の Y Combinator でも数多くの &lt;a href=&quot;https://www.ycombinator.com/companies?nonprofit=true&quot;&gt;NPO を支援&lt;/a&gt;しており、スタートアップのノウハウの一部は使えると考えているのだろうと思います。&lt;/p&gt;
&lt;h3 id=&quot;4-新しい資金を使う&quot;&gt;(4) 新しい資金を使う&lt;/h3&gt;
&lt;p&gt;ハイグロース・スタートアップで財をなした方々が非営利の領域で支援活動を始めつつあるように思います。たとえばHumanitixに、JIRAなどのAtlassianの創業者の財団が寄付しています。同じような資金の流れは、日本でも出てきているように思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;さらにUKや日本では&lt;a href=&quot;https://drive.media/posts/13940&quot;&gt;休眠預金活用事業&lt;/a&gt;が始まり、新しい資金が非市場の領域に流れつつあるように思います。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&quot;まとめ&quot;&gt;まとめ&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;営利組織と非営利組織は明確に2つに分かれるわけではありません。インパクト投資も財務リターンを優先するものから、インパクトを優先するものまでグラデーションがあります。以下の図のようにです。&lt;/p&gt;
&lt;figure&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/non-profit-startup-rises/20240908182028.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;figcaption&gt;
&lt;p&gt;&lt;a href=&quot;https://oisr-org.ws.hosei.ac.jp/images/oz/contents/662-05.pdf&quot;&gt;https://oisr-org.ws.hosei.ac.jp/images/oz/contents/662-05.pdf&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;/figcaption&gt;
&lt;/figure&gt;
&lt;figure&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/non-profit-startup-rises/20240908182042.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;figcaption&gt;
&lt;p&gt;&lt;a href=&quot;https://investment-note.janpia.or.jp/n/n458f6a9412f3&quot;&gt;https://investment-note.janpia.or.jp/n/n458f6a9412f3&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;/figcaption&gt;
&lt;/figure&gt;
&lt;p&gt;そして、それぞれの社会課題には、それぞれに適した解決策と資金が必要です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;現在私たちは、ソフトウェアや政策、新しい資金や新しいノウハウを手にしつつありますし、そうした新しいツールを使って、短期間で社会的インパクトを最大化していく取り組みが出始めているように思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;かつてシェアリングエコノミーという言葉が出てくることによって、シェアリングエコノミーに類する取り組みがうまく捉えられるようになり、さらに多くの人たちの参入を促しました。同様に、ノンプロフィット・スタートアップという言葉によって、類似に取り組みが捉えられるようになり、そうした領域への挑戦者が増え、非市場の領域での社会課題が数多く解決されていくことを願っています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;追記：&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;特に学生の皆さんには、このノンプロフィット・スタートアップが機会なのではないかと思っています。学生のみなさんが狙える営利領域のスタートアップ的な事業は徐々に少なくなっているものの、非営利領域であればまだまだできることがありますし、成功体験や良い学びも得られやすいのではないでしょうか。ぜひそうした観点でも、こうした領域に取り組んでいただくことを期待しています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;補足：先日 YouTube でも同トピックの話をしています。&lt;/p&gt;
&lt;div class=&quot;embed&quot; data-embed=&quot;youtube&quot;&gt;&lt;p class=&quot;embed-link&quot;&gt;&lt;a href=&quot;https://youtu.be/Q3Y4IOKOwDI&quot;&gt;ノンプロフィット・スタートアップの可能性&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;&lt;/div&gt;</content:encoded><dc:creator>馬田 隆明</dc:creator><category>非営利</category></item></channel></rss>