<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?><rss version="2.0" xmlns:content="http://purl.org/rss/1.0/modules/content/" xmlns:atom="http://www.w3.org/2005/Atom" xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/"><channel><title>馬田 隆明のブログ（アントレプレナーシップ教育）</title><description>馬田隆明のブログの「アントレプレナーシップ教育」の記事。</description><link>https://takaumada.com/blog/tags/entrepreneurship-education/</link><language>ja</language><atom:link href="https://takaumada.com/blog/tags/entrepreneurship-education/rss.xml" rel="self" type="application/rss+xml"/><item><title>大きな山を指定して、AIと一緒に登り方を学ぶ —— 2026年度アントレプレナー道場の振り返り</title><link>https://takaumada.com/blog/ntre-dojo-2026-ai/</link><guid isPermaLink="true">https://takaumada.com/blog/ntre-dojo-2026-ai/</guid><description>東京大学アントレプレナー道場というアントレプレナーシップ教育の2026年度授業が終わりました。 前半のS1（4月〜6月）は講義とゲスト講演を中心とした7回、後半のS2（6月〜7月）はチームで実践する7回という構成です。今年はこの両方で、授業…</description><pubDate>Thu, 30 Jul 2026 05:26:35 GMT</pubDate><content:encoded>&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/ntre-dojo-2026-ai/20260730134404.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;東京大学アントレプレナー道場というアントレプレナーシップ教育の2026年度授業が終わりました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;前半のS1（4月〜6月）は講義とゲスト講演を中心とした7回、後半のS2（6月〜7月）はチームで実践する7回という構成です。今年はこの両方で、授業の設計を大きく変えました。本稿はその記録と振り返りです。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&quot;背景と文脈&quot;&gt;背景と文脈&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;まず文脈として、昨年末に「&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/how-genai-changes-entrepreneurship-education/&quot;&gt;生成AIによってアントレプレナーシップ教育はどう変わるか&lt;/a&gt;」という記事を書きました。生成AIを使えば、学生は30分でそれなりの見栄えのピッチ資料を作れてしまいます。学生の努力や能力と成果物の質が大きく乖離しやすくなったということです。さらに学生の使える生成AIのプランでも、成果物の質は大きく変わります。これによりAIへの課金やAIリテラシーの差が成果物に大きく影響することになりました。しかしAIの授業での利用を制約したままでは、現実のアントレプレナーシップが求められるシーンとの乖離が大きくなってしまいます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;また、アントレプレナーシップ教育には&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/from-narrow-to-wide-entrepreneurship-education/&quot;&gt;広義と狭義&lt;/a&gt;があるという説明をしてきましたが、本授業は比較的狭義のアントレプレナーシップ寄りでありつつ、広義のアントレプレナーシップも涵養を目指す、という設計の授業です。ビジネスの知識やスキルを伝えるのではなく、それらが包含されるような、他の領域でも使える仮説検証や資源の獲得といった資質・能力の涵養を目的としていますが、比較的狭義寄りではあります。そして狭義のアントレプレナーシップを扱う際にも、起業全般ではなく、ハイグロース・スタートアップを前提とした話をしています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;こうした環境下でアントレプレナーシップ教育は何を教え、何を評価するべきなのか。そんな話で年末の記事は終わっていましたが、その問いに対する2026年時点の私たちなりの取り組みの記録として共有しておきます。ただし、すべての地域や教育目的で応用できるものではない点はあらかじめお断りしておきます。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&quot;今年の大きな変更構想とai&quot;&gt;今年の大きな変更：構想とAI&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;変更は大きく三つあります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/ntre-dojo-2026-ai/20260730134147.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;strong&gt;第一に、教える重心を「足元の課題を見つけて仮説検証する」ことから、「大きな構想を描き、そこに至る戦略を設計する」ことへ移しました。&lt;/strong&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/limitation-of-lean-startup/&quot;&gt;従前&lt;/a&gt;から述べているとおり、従来のリーンスタートアップやデザイン思考のような方法論は、日本のハイグロース・スタートアップを生み出すという観点は限界があると思っています。身近なアイデアを起点になりがちなのと、検証しているうちに小さな事業に収束しがちだからです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;もちろん、隠れた課題を探し、解決策を考え、それらを検証するという進め方は、スモールビジネスの起業には今も有効ですし、大きな構想を描いたとしても、足元は仮説検証の連続であることに変わりはありません。それに仮説検証の方法論は教えやすいという点も、教員としては嬉しいことです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;それでも、日本のスタートアップエコシステムが置かれた環境や、後述するようなAIの発展、そして仮説検証の教えやすさ＝良いを考えると、まず「どの山に登るか」を決めることの重要性が増している、というのが私の現状認識です（&lt;a href=&quot;https://speakerdeck.com/tumada/sutatoatupuhuitutoziyani-version-2&quot;&gt;Fit Journey v2参照&lt;/a&gt;）。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;以上は狭義のアントレプレナーシップについての話ですが、広義のアントレプレナーシップを見てみても同様の状況のように思っています。現在の日本の産業構想や地域の構想、国家戦略など、人口が縮小していく中でどのように新しい構図を描き、それを実装していくのかや、国際秩序が揺れる中でどのような位置を気づいてくのかといった面で、様々な大きな構想が求められ始めているからです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;strong&gt;第二に、S2では教員側から「ミッション」を指定するようにしました。&lt;/strong&gt; たとえば「15年以内に時価総額3000億円以上になる事業を、海中ロボットの領域で作る」といった大きな目標と制約をあらかじめ用意し、学生はその中から選んで挑んでもらうようにしました。山の大きさは変えられませんが、登り方は自由、という形です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;もともと数年前から、S2のワークショップでは学生の完全に自由なアイデアから始めるのをやめていました。自由にすると、インタビューなどの仮説検証がしづらいアイデアが出てきやすいことが理由です。インタビューによる仮説検証をしてほしかったので、自由なアイデアを選ぶことを制限していました（とはいえ領域が同じであればアイデアは改変しても構わないとしていました）。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;こうした制約の副作用としては、学生の皆さんが自分のアイデアではないことで、やる気が削がれる人が出てきたり、リーダーによるチームビルディングが経験しづらくなるところにあります。しかしそのデメリットを持ってでも仮説検証の体験を重視していました。そこから今年は、インタビューによる仮説検証の経験の優先度を下げて、大きな目標に挑むことの経験の優先度を上げました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;なお、そうした大きな目標を学生の皆さんに設定してもらうこともできたかもしれませんが、社会人の皆さんの起業支援をしていても、「どの山に登るか」を決めるのは大変難しい仕事です。だからこそ授業では山の選定を教員が引き受け、学生には「大きな山の登り方」の訓練に集中してもらうことにしました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;それに自分のアイデアを試す機会は、学内の課外活動にも学外のプログラムにも増えてきています。であれば、大学の授業は、個人ではなかなか選びにくい、大きな社会的意義のある山を提示する場であるほうが良いのではないか、と考えました。大きな山の登り方を短期間で学ぶのは従来は難しいことでしたが、AIを使えば加速できるのではないか、という見込みもありました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;strong&gt;第三に、授業全体をAIの利用を前提に組み直しました。&lt;/strong&gt; 調査、模擬インタビュー、戦略立案、資金調達計画、ピッチ資料の作成までAIを組み込み、さらに授業用のウェブアプリを5つほど自作して、座学と実践の間に「模擬実践」の段階を挟んでいます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;この三つは独立した変更ではなく、生成AIが調査や検証試作のコストを下げたからこそ、どこへ向かうかを決める力が相対的に希少になり、教育の重心もそちらへ移したということです。そして同じ生成AIのおかげで、その重心移動を支える教材やアプリを教員自身が作れるようになりました。「AIで探索と試作の速度を上げ、その分だけ人間には山の選択と戦略と判断を求める」という方針を、S1とS2に分けて実装したのが今年の授業です。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&quot;s1大きな構想を描くことの強調&quot;&gt;S1：大きな構想を描くことの強調&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;S1は基礎知識とアンラーンのための学期と定めています。後者について補足すると、多くの学生は、スタートアップ的なビジネスについて「知らない」のではなく、「間違った知識を持っている」ため、まずそれをほぐす必要があります。この位置づけは従来と変わりません。7回の講義とゲスト講演という器も変えず、中身を大きく2つ入れ替えました。&lt;/p&gt;
&lt;h3 id=&quot;1-市場と戦略&quot;&gt;(1) 市場と戦略&lt;/h3&gt;
&lt;p&gt;一つめは、市場と戦略性の重視です。FoundXで使ってきた「スタートアップ・フィット・ジャーニー」の旧版は、顧客から始まり、課題、解決策、製品、市場へと積み上がる道筋でした。今年はその前に「市場の選定（Market）」と「戦略の構築（Market/Strategy Fit）」の二段階を足した新版を使っています。マクロな設定は、あとから変更するのが難しいからです。市場を間違えたら、その後どれだけミクロな検証を頑張っても、高成長の可能性は極めて低くなります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;授業では、「100点満点のテストで95点を取るか、1兆点満点のテストで95億点を取るか」という話を何度かしました。スタートアップの物差しは成功確率ではなく、成功時の大きさです。決められた満点の中で取りこぼさない訓練を積んできた東京大学の学生にとって、これはおそらく最もアンラーンが必要な部分です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;学期末の振り返りには、「これまでは与えられた課題にどれだけ良い結果を出せるかを重視していたが、そもそもどの課題に取り組むかという視点はあまり持っていなかった」といった記述もありました。知識の獲得としてではなく、自分がどの物差しを使っていたかへの気づきとして返ってきたのは、アンラーンを狙った授業として狙いに近い反応でした。&lt;/p&gt;
&lt;h3 id=&quot;2-aiによる模擬実践&quot;&gt;(2) AIによる模擬実践&lt;/h3&gt;
&lt;p&gt;二つめは、AIによる模擬実践です。今年はWebアプリを私の方で自作して、授業と宿題に組み込みました。たとえば以下のようなものです。&lt;/p&gt;
&lt;ul&gt;
&lt;li&gt;講義をリアルタイムで文字起こしし、学生の質問投稿にAIが改善提案をする講義用アプリ&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;AIを相手にセールスや投資判断を体験するインタビューアプリ&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;起業の流れを6ステップで疑似体験するアプリ (Fit Journey 体験アプリ)&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;市場選定や戦略立案のための&lt;a href=&quot;https://prompt-deeptech.foundx.jp/&quot;&gt;プロンプト集&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;/ul&gt;
&lt;figure&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/ntre-dojo-2026-ai/20260730135411.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;figcaption&gt;
&lt;p&gt;Fit Journey シミュレーション&lt;/p&gt;
&lt;/figcaption&gt;
&lt;/figure&gt;
&lt;figure&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/ntre-dojo-2026-ai/20260730135431.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;figcaption&gt;
&lt;p&gt;インタビュー道場&lt;/p&gt;
&lt;/figcaption&gt;
&lt;/figure&gt;
&lt;p&gt;AI アプリを使うメリットはいくつかあると考えています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;従来は、座学で学んだ次の一歩がいきなり実戦でした（授業内で学生同士の模擬訓練はしていましたが）。その間に、失敗のコストがほぼゼロの練習場を一つ挟んだことになります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;AIを使った模擬実践のメリットは、AIが随時アドバイスをくれる点にあります。たとえばインタビューアプリは、質問の改善案や「その質問では駄目な理由」をその場で返してくれます。学生の振り返りで典型的だったのは、「自分では良い質問だと思っていても、相手を誘導してしまったり、本当に困っていることまで深掘りできなかったりした」というものです。座学で「誘導する質問をしてはいけません」と説明することはできますが、自分が誘導していることには、指摘されるまで気づけません。しかし教員が一人一人についてそれを指摘するのは難しいので、AIなどを使うと補助的に使えるという判断でした。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/ntre-dojo-2026-ai/20260730135321.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;個人データを集めない仕組みや、学生の入力内容を運営側が見ない設計にも配慮しました（宿題をクリアするとクリアコードが発行され、Google Formsで報告してもらう、など）。なお、アプリ開発という観点では、戦略系のアプリはもう一つ作っていたものの、うまく作れずに諦めました。抽象度の高い思考の相手をAIにさせるのは、まだ難しい印象でした。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;印象的だったのは、AIの限界への気づきです。時価総額3000億円という仮想条件でAIを使って市場選定をする宿題に対して、ある学生は「AIに頼ると、大きく確実な市場の平均的なアイデアに流れやすい」と、自分で何度も回した感触として書いてきました。AIの活用を扱う授業の成果が、AIの限界の体感だったというのは少し逆説的ですが、順当な結果でもあると思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;細かなTipsですが、リフレクションシートの設問をAIと一緒に考えられるのは助かりました。リフレクションは、どういう設問を置くかで学習者の学びがずいぶん変わります。従来はチーム内で検討していたリフレクションの設問設計を、いつでも相談できて、教育学的な知見を踏まえて返してくれるAIと行えるのは助かりました。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&quot;s2山を指定しaiとともに登る&quot;&gt;S2：山を指定し、AIとともに登る&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;S2はワークショップ形式の7回です。学生はチームに分かれ、初期調査から始めて、事業仮説作り、戦略とプロトタイプ計画、資金調達計画とピッチ資料の作成へと進みます。最終2回は現役の起業家5人・投資家5人を審査員に招き、ジグソー法を用いて学生全員が個人でピッチを行いました。起業家・投資家という実社会の評価者に仮説をぶつける経験、教育学でいう真正性の高い評価（authentic assessment）のためです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そのうえで今年は以下のような変更を行いました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/ntre-dojo-2026-ai/20260730134218.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;h3 id=&quot;1-ミッションの設計&quot;&gt;(1) ミッションの設計&lt;/h3&gt;
&lt;p&gt;用意したミッションは、海×ロボット、天然水素、宇宙、風力、素材×AI、住宅×エネルギーといったディープテック寄りの領域が中心です。営利のミッションには「15年以内に時価総額3000億円以上」という共通の制約を課しました（社会起業系には別の形の大きな目標を置いています）。各ミッションには、プロジェクト案の例、競合、初期に検証すべき仮説、10万円程度で作れるプロトタイプ案、参考文献までを一覧にしたシートを付けています。プロジェクト案は変更できますが、領域と制約条件は変えられないものとしました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/ntre-dojo-2026-ai/20260730135334.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;h3 id=&quot;2-各ステップへのaiの組み込み&quot;&gt;(2) 各ステップへのAIの組み込み&lt;/h3&gt;
&lt;p&gt;AIは各ステップに組み込みました。調査ではNotebookLMと、授業用に用意した「AI Wiki」を使います。これはプロンプトテンプレート集を含む調査・整理環境で、学生がAIに何かを聞くと、そのすべてのやりとりがWikiに保存され、Wikiのページが一定数溜まるとLLMが自動で洞察を整理する、いわば&lt;a href=&quot;https://gist.github.com/karpathy/442a6bf555914893e9891c11519de94f&quot;&gt;LLM Wiki&lt;/a&gt;のグループ版のようなものです。AIはOpenRouter経由で、その時々で速度と性能とコストの良いものをこちらで選定しています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/ntre-dojo-2026-ai/20260730135346.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;h3 id=&quot;結果&quot;&gt;結果&lt;/h3&gt;
&lt;p&gt;傾向として、従来よりも時間が足りないなという印象はありました。やはり、専門外のことに対して AI を使ってもキャッチアップするのは非常に難しいというのはあるようです。一方で、AI がない時代なら、ここまでちゃんとした調査はできなかっただろうなと思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;学生の皆さんの学びも少し変わったように思います。「仮説検証の重要性に気づいた」という従来の学びよりは、「高い目標でもちゃんと調べて登っていけば、ある程度のところまで行けるんだ」という感覚が身についたようなコメントがありました。これは授業の設計通りだとも思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;審査員側の反応も変わりました。昨年度までは、学生の「身の回りの課題アプリ」と投資家が普段接しているアイデアとの差が大きすぎるせいか、「コメントが難しい」と言われていました。今年は「コメントはしやすかったものの、同じ俎上に載った分、粗が目立つ」という感想をもらいました。だからこそ、もっとインタビューや現場に行って解像度を上げてほしい、というようなコメントもありました。これはもう少し時間があればできるのかもしれません。とはいえ、通常の起業家と同じ俎上で評価されるようになったこと自体が、一つの前進だと受け止めています。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&quot;削いだもの難しかったこと&quot;&gt;削いだもの、難しかったこと&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/ntre-dojo-2026-ai/20260730135558.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;一方で、この設計のために削いだものもあります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;まず、ゼロからアイデアを作る練習はできません。ミッションは教員が指定するからです。加えて、チームの組成も運営側で行ったため、自ら仲間を集めてチームを作っていく経験もありません（ただしチーム内でのチームワークは当然必要です）。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そうした点は、自分のアイデアを試す機会や仲間を見つける機会が、学内の課外活動や学外のプログラムに比較的多くあるからですが、そうした機会に恵まれた東京だからこそ削れた、という面は大いにあると思います。実際、「自分のアイデアを試したい人は他の授業や課外活動で」という説明はしたものの、この変更への不満や辞退者があったのも事実です。それでも、必要とされるスキルが変わってきているのであれば、評判よりも必要なスキルのほうを伝えるべきだと判断しています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;最も難しかったのはインタビューです。昨年度までは学生自身が顧客になり得るアイデアを指定していたため、顧客インタビューを通した仮説検証がしやすかったのですが、今年はミッション志向のディープテック領域が中心で、インタビュー相手にたどり着くこと自体が難しくなりました。今年も一社にご協力いただき、実際にインタビューを実施できたチームはあったものの、少し難しい印象でした。来年度は、東大の技術に関連したミッションに絞る、ミッションの種類を減らして顧客候補の協力を事前に依頼しておく、といった工夫で多少は緩和できるかもしれません。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&quot;生成aiとアントレプレナーシップ教育&quot;&gt;生成AIとアントレプレナーシップ教育&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/ntre-dojo-2026-ai/20260730135756.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;今年の経験から考えたことを最後にまとめておきます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;1つめに、教員が自分でインタラクティブな教材を作れるようになったことは大きいと思います。これまで教育のソフトウェアは、ZoomやLMSのような効率化の道具でした。決まった手順を速く正確に処理しますが、授業の中身をそう変えるものではありませんでした。生成AIは違います。数年前なら外注に数百万円と数か月かかったであろうアプリを、教員個人が作って毎週直せます。しかもAIによるパーソナライゼーションも多少は可能です。自分の授業の、自分の回の、伝えたい一点のためだけの道具としてのソフトウェアが成立するようになりました。これはアントレプレナーシップ教育に限らない変化だと思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;2つめに、その代わり授業の設計は難しくなりました。学生・教員・教材の三者で成り立っていたところに、四つめの要素として本格的にソフトウェアが入ってきたからです。汎用のツールだけでなく、1コマごとの講義に合わせた専用のソフトウェアをすぐに作れるようになった今、アクティブ・ラーニングの中にソフトウェアや生成AIをどう位置づけるかについて、模索の時期がしばらく続くのだろうと思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;3つめに、それでもAIを使わなければ、現実と教育のギャップが拡大していくことは間違いないだろうということです。前回の記事でも触れたとおり、実社会と距離が近いアントレプレナーシップ教育だからこそ、実社会との折り合いをどうつけ、短期間で学生の学習をどう最大化するかを、改めて考え続ける必要があると感じています。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&quot;世界での類似の取り組み&quot;&gt;世界での類似の取り組み&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;生成AIとどう付き合うかは、海外の教育現場も悩んでいるようです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;たとえば2026年春の&lt;a href=&quot;https://steveblank.com/category/lean-launchpad/&quot;&gt;StanfordのLean LaunchPad&lt;/a&gt;では、8チームが約10週間で978件のインタビューを行い、全チームが生成AIを使いました。そこで報告されたのは、AIでプロダクトを作る速度が、顧客から学ぶ速度を追い越すという問題です。学生は数時間で洗練されたMVPを作れる一方、それがどの仮説を検証するためのものかを説明できないことがあった、といいます。努力と成果物のアンバンドルという私の問題意識と、ほぼ同じ認識です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ミッションを指定する形式は、Stanford発の&lt;a href=&quot;https://www.h4d.us/about-h4d&quot;&gt;Hacking for Defense&lt;/a&gt;が先行しています。政府機関などが持ち込む実在の課題に学生チームが挑む授業で、約70大学に展開されています。違いは、Hacking for Defenseが「現在困っている問題」を扱うのに対し、道場は「将来大きくなるべき領域」を教員が設定している点です。また&lt;a href=&quot;https://gail.wharton.upenn.edu/&quot;&gt;WhartonのGenerative AI Labs&lt;/a&gt;は、AIがメンターや投資家役を演じるピッチ練習シミュレーションを作り、さらに教員が自分の授業専用のシミュレーションを作れる環境まで構想しています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;つまり今年の私たちの授業は、ミッション指定型の授業、AIシミュレーション、仮説検証、長期構想からの逆算という、世界で個別に試されている要素を、「大きな山をAIと登る」という一つの比喩とカリキュラムに統合した実験だった、と位置づけられます。ただし公平のために言えば、海外事例の多くもまだ実践報告の段階で、AI利用が長期的な学習成果を高めたという厳密な検証はこれからです。本稿の主張も、有効性が証明された方法ではなく、同じ方向の実験が世界で同時多発的に始まっている、という水準で読んでいただければと思います。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&quot;まとめ&quot;&gt;まとめ&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;身近な課題についての仮説検証サイクルはAIによって早くなりました。そうした世界において、&lt;strong&gt;人間に残る仕事が「どの山に登るかを決め、登り方を設計し、判断し続けること」なのだとすれば、教育の重心もそちらへ移していく必要があります。&lt;/strong&gt; 今年の道場は、その一つの試行でした。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;授業では学生の皆さんに「100点満点で95点を取るか、1兆点満点で95億点を取るか」と尋ねましたが、同じ問いは、私たち教員側にも向けられているのだろうと思います。既存の枠組みの中で少し良い授業を作るか、何を教えるべきかから作り直すか、です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そして、アントレプレナーシップ教育に関わる私たち自身は「アントレプレナーシップを発揮できているか」「教育でも毎年挑戦していないか」を常々問わなければならないのだろうと思っています。その取り組みが今年の取り組みです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;私たちの仮説が間違っているかもしれませんし、来年も同じ授業をやっているとは限りませんが（たぶん変えていると思いますが）、現時点の私たちの取り組みの情報共有として記事にまとめておきます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;なお、今回使ったアプリの公開の予定はありませんが、プロンプト集はFoundXのサイトで公開しています。同じ試行錯誤をされている教育関係者や政策担当者の方がいれば、参考にしていただければ幸いです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/ntre-dojo-2026-ai/20260730135611.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;</content:encoded><dc:creator>馬田 隆明</dc:creator><category>アントレプレナーシップ教育</category><category>AI</category></item><item><title>生成 AI を前にアントレプレナーシップ教育はどう変わるのか (2025 年版)</title><link>https://takaumada.com/blog/how-genai-changes-entrepreneurship-education/</link><guid isPermaLink="true">https://takaumada.com/blog/how-genai-changes-entrepreneurship-education/</guid><description>アントレプレナーシップ教育の一種として、公共政策を使った「政策起業」のワークショップを実施しました。 テーマは「クマ🐻対策」です。 冬眠の時期を迎えたため、現在は下火となっていますが、今年、クマは日本全国を揺るがす社会問題となりました。さ…</description><pubDate>Tue, 30 Dec 2025 14:50:15 GMT</pubDate><content:encoded>&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/how-genai-changes-entrepreneurship-education/20251230234438.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;アントレプレナーシップ教育の一種として、公共政策を使った「政策起業」のワークショップを実施しました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;テーマは「クマ🐻対策」です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;冬眠の時期を迎えたため、現在は下火となっていますが、今年、クマは日本全国を揺るがす社会問題となりました。さらにクマの出現の二次影響として、本来進めるべき政策や自治体業務がクマのせいで一部止まった、という話を聞いています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;今回行ったのは、この「クマ被害」という社会課題を学生が分析して、それに対して政策を起案することで解決する、そんなワークショップでした。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;その成果物のピッチ資料をご覧いただければと思います。&lt;/p&gt;
&lt;div class=&quot;embed&quot; data-embed=&quot;google-slides&quot;&gt;&lt;p class=&quot;embed-link&quot;&gt;&lt;a href=&quot;https://docs.google.com/presentation/d/e/2PACX-1vROT85QRJCVqVKYj7motIJiiW21WfZQjrCaSIiuIAQaWtMcRUAA-YuC4r_mqQy2xVvBf3-WjfjZwCgg/pub?start=false&amp;amp;loop=false&amp;amp;delayms=3000&quot;&gt;https://docs.google.com/presentation/d/e/2PACX-1vROT85QRJCVqVKYj7motIJiiW21WfZQjrCaSIiuIAQaWtMcRUAA-YuC4r_mqQy2xVvBf3-WjfjZwCgg/pub?start=false&amp;amp;loop=false&amp;amp;delayms=3000&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;&lt;/div&gt;
&lt;p&gt;この資料を「学生が提出した資料」と言われてぱっと見たとき、多くの人が高く評価をするのではないかと思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;しかし、学生がこの資料を作る（出力する）のにかかる時間は約30分です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;a href=&quot;https://docs.google.com/document/d/1Axr6EkSzHbGSEue2_rXehja0jO5aARI7NHa2aBa-a1A/edit?usp=sharing&quot;&gt;こちらのワークブック（公開版）&lt;/a&gt;に従って操作をするだけで、上記ぐらいのものは30分とかからずできてしまいます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;（なお、実際に参加いただいた学生の方が作った資料ではなく、私がサンプルに作成したものです。）&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&quot;学習評価の難しさ&quot;&gt;学習評価の難しさ&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;ではもしこの資料が、学生の提出物として提出されたとき、私たちは学生の学習をどのように評価すれば良いでしょうか。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ツールの利用の巧拙で、成果物のできは変わってきはするでしょう。しかしアントレプレナーシップ教育は、ツール利用をうまくするための授業ではないはずです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;それに学生は、この一連の作業で何を学んだと言えるでしょうか。それはアントレプレナーシップを身につけていることにつながるでしょうか。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;もちろん時間内には社会課題を考えるための時間は取っていますし、AIによる成果物を評価して善し悪しを判断はしているのだろうと思います。しかし、「考える」「学ぶ」の強度という観点では、従来とは異なる頭の使い方をしていると言えるでしょうし、アントレプレナーシップの何を学んだと言えるのか、どう評価するのかはかなり難しい問いとなります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;これは生成AIによって、学生の努力と学生の成果物の質がアンバンドルされる、ということでもあります。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&quot;すでに使われ始めている&quot;&gt;すでに使われ始めている&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;実際、今年の後半のアントレプレナーシップ教育の授業では、学生の皆さんが生成AIを使ってスライドやアプリを作って提出する例をいくつか見ました。オーディエンスから最も高い評価を得たのもそうした生成AIツールを使いこなす学生だったように思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;教育でなければそれでいいのかもしれません。しかし教育が主目的だとすると、その評価は正当なのか？というのは問うべき問いのように思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ビジネスで成果を出すことが教育的にも優れていること、と割り切ってしまえば、生成 AI を使った成果物が良いかどうかで教育評価をすれば良いと思いますし、ソロプレナーのような人をを生み出す教育はやりやすくなったかもしれません。しかし、それがアントレプレナーシップ教育かというと、さすがに違うのでは、と思います（商業の授業ならそれでいいのかもしれませんが…）。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&quot;評価の難しさ設計の難しさそもそも何を教えるかの難しさ&quot;&gt;評価の難しさ＝設計の難しさ＝そもそも何を教えるかの難しさ&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;一般的な授業でも、レポートで学生を評価することが難しくなったと聞きます。社会により近いアントレプレナーシップ教育においては、成果物の質で評価することが学習評価はより難しくなっていくことになるでしょう。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;かといって、生成 AI 以前の授業内容のままアントレプレナーシップ教育を続けてしまうと、実社会と教育との乖離が進んでしまうことになります。それはそれで避けたほうがよいのでは、と思っています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;今後、場合によっては学生のアウトプット（成果物）の質ではなく、活動量などのプロセスで評価していくことになるのかもしれませんし、もっと別の方法があるのかもしれません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;今年度の私の授業でも生成 AI を使ってアプリを作るような内容を含みましたが、まだそのときはスライドの生成はできていない状況でした。さらに当時は、生成 AI を使ってもアイデアが良くなる傾向はあまり見えず（むしろ生成AIがあるせいで試行錯誤が減っている印象もあり）、まだ大丈夫かなと思っていたら、NotebookLM 等の周辺ツールの進歩などで、上記のクマ対策のワークショップのように、授業の設計によってはアイデアの質を担保できるようになるかもしれない…と思うようになりました。そうなると、授業の構成を大きく変えなければなりません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;いずれにせよ、アントレプレナーシップ教育の設計はどうするべきなのか、ひいてはアントレプレナーシップとは一体何なのか、それを改めて問わなければならないと感じた1年でした。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;（おそらく1年後には生成 AI をとりまく状況も変わっていると思いますが、ただこの問いはそこまで変わらないのだろうと思っています。が、いったん2025年版ということでまとめました。）&lt;/p&gt;
&lt;figure&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/how-genai-changes-entrepreneurship-education/20251230235356.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;figcaption&gt;
&lt;p&gt;NotebookLM によるまとめ&lt;/p&gt;
&lt;/figcaption&gt;
&lt;/figure&gt;
&lt;p&gt;&lt;strong&gt;NotebookLM による本記事のスライド&lt;/strong&gt;&lt;/p&gt;
&lt;div class=&quot;embed&quot; data-embed=&quot;google-slides&quot;&gt;&lt;p class=&quot;embed-link&quot;&gt;&lt;a href=&quot;https://docs.google.com/presentation/d/e/2PACX-1vQWZD5EQmleXnVsZmr8TCFVlwHZ6DpgvDVG0JvHTF-lj3zN1njuUR1R7RXF5mW3pj_azEgkpHZ45G9o/pub?start=false&amp;amp;loop=false&amp;amp;delayms=3000&quot;&gt;https://docs.google.com/presentation/d/e/2PACX-1vQWZD5EQmleXnVsZmr8TCFVlwHZ6DpgvDVG0JvHTF-lj3zN1njuUR1R7RXF5mW3pj_azEgkpHZ45G9o/pub?start=false&amp;amp;loop=false&amp;amp;delayms=3000&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;&lt;/div&gt;</content:encoded><dc:creator>馬田 隆明</dc:creator><category>アントレプレナーシップ教育</category><category>AI</category></item><item><title>アントレプレナーシップ教育の授業の設計支援ツール (日本版 EntreComp v1 ガイドを活用)</title><link>https://takaumada.com/blog/2025-fd-ai-support-gem/</link><guid isPermaLink="true">https://takaumada.com/blog/2025-fd-ai-support-gem/</guid><description>2025年12月6日（土）、7日（日）と2025年度 文部科学省主催 全国アントレプレナーシップ人材育成プログラムの FD (Faculty Development) プログラムを担当しました。 アントレプレナーシップ教育が広がるにつれて、…</description><pubDate>Thu, 11 Dec 2025 14:28:03 GMT</pubDate><content:encoded>&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/2025-fd-ai-support-gem/20251211232412.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;2025年12月6日（土）、7日（日）と&lt;a href=&quot;https://entrepreneurship-education.mext.go.jp/teacher/&quot;&gt;2025年度 文部科学省主催 全国アントレプレナーシップ人材育成プログラムの FD (Faculty Development) プログラム&lt;/a&gt;を担当しました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;アントレプレナーシップ教育が広がるにつれて、「どうやって設計すれば良いのか分からない」といった声に答えるため、また授業の質保証という観点で、これまで 3 年ほど実施してきています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;今年は昨年度の倍にあたる約 60 名の先生にご参加いただき、2日間で合計約14時間を通して、私たちなりのアントレプレナーシップ教育のノウハウをお伝えしました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;今年の FD の中では、今年の3月に公開した&lt;a href=&quot;https://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/sangaku/mext_00027.html&quot;&gt;日本版 EntreComp v1&lt;/a&gt; をもとにした授業設計の方法 (案) について紹介し、さらに今年から授業設計にも生成 AI を使う試みを実施しました。この生成 AI を使った授業設計の部分については、ご参加いただかなかった先生方にも使っていただけるのでは、と思ったので公開しておきます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;a href=&quot;https://gemini.google.com/gem/1ByJkwq4CYcnF9zaK_aDaBCkPIbQXLCW1?usp=sharing&quot;&gt;▶ ツールを起動&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;h4 id=&quot;ツールの概要&quot;&gt;ツールの概要&lt;/h4&gt;
&lt;p&gt;このツールはガイドを読み込ませている Google Gemini の Gem です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;このチャット欄にどういった授業をしたいかを入力するだけで、授業設計の骨子のドラフトを作ってくれます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;一度触っていただいた方が早いと思うので、ぜひ以下のサンプルプロンプトなどをコピー＆ペーストしていただいて、お試しいただければと思います。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&quot;サンプル-1-90-分-15-回の授業&quot;&gt;サンプル (1) 90 分 ×15 回の授業&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;コピペして上記に入力してください。&lt;/p&gt;
&lt;pre class=&quot;astro-code github-dark&quot; tabindex=&quot;0&quot; data-language=&quot;plaintext&quot;&gt;&lt;code&gt;&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;## 授業タイトル&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;アントレプレナーシップ概論（1）&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;## 授業の概要&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;1コマ90分&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;全15コマ&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;宿題あり&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;履修人数は50人&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;大学1年生&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;選択科目&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;ビジネスの前提知識はなし&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;階段教室で実施する&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;TAはいない&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;オフィスアワーを毎週1時間実施予定&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;## 学生に学んでほしいこと&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;自ら問いを立てて、その問いを解決するような仮説を考え、仮説検証をすることの重要性を体験すること。&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;## 押さえてほしいポイント&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;講義だけではなくワークショップを行いたい。ゲストは呼べないけれど、動機づけは多少したい。&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;## 重視したい EntreComp&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;① 問いを立てる&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;④ 今ある資源を認識する&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;⑧ 試してみる&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/code&gt;&lt;/pre&gt;
&lt;h2 id=&quot;サンプル-2-90-分の課外活動&quot;&gt;サンプル (2) 90 分の課外活動&lt;/h2&gt;
&lt;pre class=&quot;astro-code github-dark&quot; tabindex=&quot;0&quot; data-language=&quot;plaintext&quot;&gt;&lt;code&gt;&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;## 授業タイトル&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;地域の課題解決を通してアントレプレナーシップを体験してみよう&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;## 授業の概要&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;90分の課外授業1回&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;参加人数は30人&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;中学3年生中心&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;公民の授業の延長&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;## 学生に学んでほしいこと&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;インタビューして課題を見つけたり、検証するという基本動作。外に出て、協力者を探すことの大切さ。&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;## 押さえてほしいポイント&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;学校と地域との結びつきを強めたい。学生に課題解決の喜びを知ってもらいたい。&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;## 重視したい EntreComp&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;② 情報を探索する&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;⑥ 足りない資源を獲得する&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/code&gt;&lt;/pre&gt;
&lt;h2 id=&quot;サンプル-3-現状の授業の批評と改善&quot;&gt;サンプル (3) 現状の授業の批評と改善&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;これまではゼロからの授業設計を前提としていましたが、このGemを使って現状の授業の改善などにもつなげることができます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;たとえば、講義資料などを添付して、以下のようなプロンプトを投げることで、授業の改善提案を行ってくれます。&lt;/p&gt;
&lt;pre class=&quot;astro-code github-dark&quot; tabindex=&quot;0&quot; data-language=&quot;plaintext&quot;&gt;&lt;code&gt;&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;以下の情報や添付の資料は50分の小学生向けのアントレプレナーシップの授業です。EntreComp v1ガイドに沿って、この授業の良い点と悪い点、改善点を教えてください。&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/code&gt;&lt;/pre&gt;
&lt;h2 id=&quot;さらに追加のプロンプトで詳細設計まで実施可能&quot;&gt;さらに追加のプロンプトで詳細設計まで実施可能&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;もしコース設計として良い成果物が出たら、「第○回の授業設計を詳細に行ってください」や「この授業構成を元に、以下の項目についてのシラバスを作ってください」といった追加プロンプトを入れることで、より詳しい授業設計支援をしてくれるようになるはずです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;またよく問題になる評価の設計については、別の Gem を用意中です。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&quot;参考情報&quot;&gt;参考情報&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;参考まで、日本版 EntreComp v1 は以下の10個です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;① 問いを立てる&lt;br&gt;
② 情報を探索する&lt;br&gt;
③ アイデアを作る&lt;br&gt;
④ 今ある資源を認識する&lt;br&gt;
⑤ 今ある資源を活用する&lt;br&gt;
⑥ 足りない資源を獲得する&lt;br&gt;
⑦ 不確実性、曖昧さ、リスクを見極める&lt;br&gt;
⑧ 試してみる&lt;br&gt;
⑨ 意思決定をする&lt;br&gt;
⑩ 学びを得る&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;また、シラバスを作るときには、以下のような項目を入れると良いのではと思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;コピー&lt;/p&gt;
&lt;pre class=&quot;astro-code github-dark&quot; tabindex=&quot;0&quot; data-language=&quot;plaintext&quot;&gt;&lt;code&gt;&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;#### 1. 基本・事務情報&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;* **科目名:** [科目名を入力]&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;* **担当教員名:** [教員名を入力]&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;* **対象学年・開講期:** [例：1年生・前期]&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;* **単位数:** [例：2単位]&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;* **授業形態:** [例：講義、演習、実習]&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;* **使用言語:** [例：日本語]&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;* **オフィスアワー:** [学生からの相談を受け付ける時間帯]&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;#### 2. 授業の核心（コンテンツ）&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;* **授業の概要 (Course Description):**&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;    * 授業のテーマ、背景、全体像を要約して記述する。&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;* **到達目標 (Learning Objectives):**&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;    * 主語を学生にし、「〜を理解する」だけでなく「〜ができる（行動変容）」という形式で3〜5点挙げる。&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;* **授業計画 (Course Schedule):**&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;    * 全15回（または指定回数）の各回のテーマと内容。&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;* **テキスト・参考文献:**&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;    * メインの教科書と、参考となる図書や資料。&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;#### 3. 教育学的要件（質の保証・実質化）&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;* **詳細な学習成果 (Specific Learning Outcomes):**&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;    * ブルームのタキソノミー（知識・理解・応用・分析・評価・創造）を意識し、具体的なコンピテンシーとして記述する。&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;* **予習・復習の指示と目安時間 (Out-of-class Study):**&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;    * 各回の授業に対して、具体的に何を読むか（予習）、終わった後に何をするか（復習）を記述する。&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;    * 時間目安（例：予習90分、復習90分）を明記する。&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;* **成績評価基準と方法 (Grading Policy &amp;amp; Criteria):**&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;    * 評価の内訳（試験〇%、レポート〇%など）。&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;    * 各項目の評価基準（何ができればA評価か）やルーブリックの有無を明記する。&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;* **ディプロマ・ポリシーとの関連 (Relation to DP):**&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;    * 学部・学科の人材育成方針（DP）のどの項目に寄与するか。&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;* **フィードバック方法 (Feedback Method):**&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;    * 課題提出後、どのように学生へフィードバックを行うか（個別添削、全体講評など）。&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;* **アクティブ・ラーニングの内容 (Active Learning):**&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;
&lt;span class=&quot;line&quot;&gt;&lt;span&gt;    * 一方的な講義以外に、どのような能動的学習（議論、グループワーク、PBL等）が含まれるか。&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/code&gt;&lt;/pre&gt;
&lt;h2 id=&quot;まとめ&quot;&gt;まとめ&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;日本版 EntreComp v1 ガイドを結構分厚く書いたので、「読んでもらえるかな…」と少し心配していましたが、直接先生方に読んでもらうのではなく、AI に知識として渡すことで、AI 側がうまく支援してくれるように思います。（分厚い分うまく機能しているように思います）&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;まだAIも若干信用がおけないところはありますが、この1年でずいぶんと実用性が高まりました。2025年現在の Gemini 3.0 Pro (Thinking) でも、ドラフトとしては十分使える授業設計が出てくる印象です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;アントレプレナーシップ教育の講義などを行うときに、今回のツール＋EntreComp v1をうまくご活用いただければと思います。&lt;/p&gt;</content:encoded><dc:creator>馬田 隆明</dc:creator><category>アントレプレナーシップ教育</category></item><item><title>高専と地方でのアントレプレナーシップ教育</title><link>https://takaumada.com/blog/kosen-entrepreneurship-education/</link><guid isPermaLink="true">https://takaumada.com/blog/kosen-entrepreneurship-education/</guid><description>地方でのアントレプレナーシップ教育、特に高専でのアントレプレナーシップ教育について政府関係の方に意見を求められたので、提出した資料を基に記事にしておきます*1。 前提として、アントレプレナーシップ教育は学校ごとに少しずつ異なるはずだと、私は…</description><pubDate>Sun, 18 May 2025 11:56:56 GMT</pubDate><content:encoded>&lt;p&gt;地方でのアントレプレナーシップ教育、特に高専でのアントレプレナーシップ教育について政府関係の方に意見を求められたので、提出した資料を基に記事にしておきます&lt;sup&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/kosen-entrepreneurship-education/#user-content-fn-1&quot; id=&quot;user-content-fnref-1&quot; data-footnote-ref=&quot;&quot; aria-describedby=&quot;footnote-label&quot;&gt;1&lt;/a&gt;&lt;/sup&gt;。&lt;/p&gt;
&lt;ul&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/kosen-entrepreneurship-education/#%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E3%81%94%E3%81%A8%E3%81%AB%E9%81%95%E3%81%86%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%97%E3%83%AC%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%83%E3%83%97%E6%95%99%E8%82%B2&quot;&gt;学校ごとに違うアントレプレナーシップ教育&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/kosen-entrepreneurship-education/#%E3%81%93%E3%82%8C%E3%81%BE%E3%81%A7%E3%81%AE%E9%AB%98%E5%B0%82%E3%81%AE%E5%BD%B9%E7%9B%AE&quot;&gt;これまでの高専の役目&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/kosen-entrepreneurship-education/#%E5%9C%B0%E5%9F%9F%E3%81%AE%E7%94%A3%E6%A5%AD%E6%94%BF%E7%AD%96%E3%82%92%E8%80%83%E3%81%88%E3%82%8B&quot;&gt;地域の産業政策を考える&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/kosen-entrepreneurship-education/#%E5%9C%B0%E5%9F%9F%E7%94%A3%E6%A5%AD%E3%82%92%E8%80%83%E3%81%88%E3%81%9F%E9%AB%98%E5%B0%82%E3%81%A7%E3%81%AE%E6%95%99%E8%82%B2&quot;&gt;地域産業を考えた高専での教育&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/kosen-entrepreneurship-education/#%E9%AB%98%E5%B0%82%E3%81%A7%E3%81%AE%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%97%E3%83%AC%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%83%E3%83%97%E6%95%99%E8%82%B2&quot;&gt;高専でのアントレプレナーシップ教育&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/kosen-entrepreneurship-education/#%E6%97%A2%E5%AD%98%E3%81%AE%E3%82%AB%E3%83%AA%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%A9%E3%83%A0%E3%81%AE%E4%B8%AD%E3%81%A7%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%97%E3%83%AC%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%83%E3%83%97%E6%95%99%E8%82%B2%E3%82%92%E5%AE%9F%E8%B7%B5%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E5%9F%8B%E3%82%81%E8%BE%BC%E3%81%BE%E3%82%8C%E3%81%9F%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%97%E3%83%AC%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%83%E3%83%97%E6%95%99%E8%82%B2&quot;&gt;既存のカリキュラムの中でアントレプレナーシップ教育を実践するための『埋め込まれたアントレプレナーシップ教育』&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/kosen-entrepreneurship-education/#%E3%81%BE%E3%81%A8%E3%82%81&quot;&gt;まとめ&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;/ul&gt;
&lt;h2 id=&quot;学校ごとに違うアントレプレナーシップ教育&quot;&gt;学校ごとに違うアントレプレナーシップ教育&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;前提として、&lt;strong&gt;アントレプレナーシップ教育は学校ごとに少しずつ異なるはず&lt;/strong&gt;だと、私は考えています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;その学校に関わるステークホルダーや社会からの期待が、その学校で行われるアントレプレナーシップ教育には強く反映されると思っているからです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;学校は一種のNPOであり、（特に大学は）教職員や学生らによる自治を基本とした運営がなされています。一方で国公立の学校は国や政府、地方自治体や国民も大きなステークホルダーであり、何かしらの役割や期待を引き受ける代わりに、税金という資金を得ながら設立・運営されています &lt;sup&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/kosen-entrepreneurship-education/#user-content-fn-2&quot; id=&quot;user-content-fnref-2&quot; data-footnote-ref=&quot;&quot; aria-describedby=&quot;footnote-label&quot;&gt;2&lt;/a&gt;&lt;/sup&gt;。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;たとえば東京大学は日本のエリートを養成することを期待されている大学であり、研究者や官僚を養成したり、グローバルで活躍し日本との架け橋になったり、国内で次の産業を作る人材を育てる役目を期待されている学校だと&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/updating-elite-redistribution-social-contract/&quot;&gt;私自身は考えています&lt;/a&gt;。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そうした役目を持つ学校でアントレプレナーシップ教育を行うなら、そうした領域で活躍できる人材や、そうした領域に適したアントレプレナーシップを涵養し、人材を輩出していく役目があるでしょう。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;たとえば狭義のアントレプレナーシップであるビジネスの起業を題材にするなら、起業の中でも次の産業を作るためのハイグロース・スタートアップに注力し、次世代の大企業と高付加価値な雇用を生むことなどに注力することになるかと思います。そのほか社会課題を大きく解決したり、公益に資するような事業をする起業家を生み出すことも求められるもしれません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;つまり、学生個人や教職員個人の私益最大化を支援するためのアントレプレナーシップではなく、より公的な役目や期待を意識するようなアントレプレナーシップ教育の中身を考え、提供する責務が教育に関係する人間としてあると私は考えています。&lt;sup&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/kosen-entrepreneurship-education/#user-content-fn-3&quot; id=&quot;user-content-fnref-3&quot; data-footnote-ref=&quot;&quot; aria-describedby=&quot;footnote-label&quot;&gt;3&lt;/a&gt;&lt;/sup&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;一方、地方の大学や学校であれば、その地域に資することを期待されています。そうなれば、おそらく別の形のアントレプレナーシップが必要とされるでしょう。たとえば、その地域での社会課題を解決するための社会起業推進などもその一つです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;もちろん、課題解決の手法など、アントレプレナーシップにおいて共通のコンピテンシーはあると思います。しかし、同じコンピテンシーを涵養しようとしたときにも、扱う題材は違っても目的は達成できますし、そうした文脈を汲むことで、内容は違ってしかるべきだと考えます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;商業高校や一部私学など、商業人材を輩出することを学生・地域からも期待されている学校であれば、スモールビジネスを含んだ一般的なビジネス起業を進めることが内外から求められていると思うので、そうした学校でのアントレプレナーシップ教育はビジネス起業教育の路線で良いと思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ただそのほかの多くの学校は、地域社会や国からの学校への期待を改めて考え、自校に期待される役目に適したアントレプレナーシップ教育（ビジネス的な起業以外のアントレプレナーシップ教育）&lt;sup&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/kosen-entrepreneurship-education/#user-content-fn-4&quot; id=&quot;user-content-fnref-4&quot; data-footnote-ref=&quot;&quot; aria-describedby=&quot;footnote-label&quot;&gt;4&lt;/a&gt;&lt;/sup&gt;を行うことが大切だと考えています。&lt;sup&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/kosen-entrepreneurship-education/#user-content-fn-5&quot; id=&quot;user-content-fnref-5&quot; data-footnote-ref=&quot;&quot; aria-describedby=&quot;footnote-label&quot;&gt;5&lt;/a&gt;&lt;/sup&gt;&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&quot;これまでの高専の役目&quot;&gt;これまでの高専の役目&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;では高専はどうかというと、高専はかなり戦略的かつ産業的に作られた学校であり教育システムだと思っています。それは抽象度を高めて言えば、&lt;strong&gt;地域のイノベーションに貢献するための学校&lt;/strong&gt;です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;1960年代の日本の経済を牽引したのは製造業であり、特に大量生産のイノベーションでした。そのために多くの技術者が必要であり、短期での技術者養成校として作られたのが高専です。また地域産業への貢献も期待され、各校で特色のある学科が作られました。このモデルは成功し、今やKOSENモデルとして東南アジアに輸出されていると聞きます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;しかし1960年頃と比べると、求められるイノベーションは大きく変わりました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;日本の大量生産の現場は中国に移転し、地域の産業も徐々に変わりつつあります。日本で高い付加価値を生んでいくためのイノベーションは、おそらく高専の開設当初に求められていたそれとは異なりますし、今求められている人材は1960年代に求められていた人材像ではありません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;もともと地域で就職することが多かった高専の卒業生も、首都圏への就職や進学を選ぶことが多くなったようです。人口減少の局面に入り、人余りだった時代にはメリットだった「就職率100%」というのも当然になる中で、学生の皆さんが高専に期待するものも違ってきているのでしょう。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;もちろん、よりよい就職先を求める学生やその家族の意向に沿って、あるいは流行に乗って情報学科を作るのも一つの手です。しかし、情報学科の卒業生は首都圏で就職しやすい傾向にあります。そうして首都圏への人材輩出校になると、いずれ地域からの信任や、ひいては税金での補助などは失われてしまいます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;同様に、高専での起業を安易に促進しても、受託ソフトウェア等の起業では、結果的に&lt;a href=&quot;https://www.tdb.co.jp/report/economic/20250217_honshaiten/&quot;&gt;首都圏へ移転&lt;/a&gt;してしまうでしょう。米国のアトランタでもそうであったように、地域とつながりの薄い起業は移転してしまう傾向にあります（Georgea Tech のある&lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1080/08985626.2014.918183&quot;&gt;アトランタ&lt;/a&gt;では 3 年以内 40 %、5 年以内 60 % 、10年以内75%のハイテク系スタートアップが州外に移転、という調査があります）。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;もし高専を地域の産業やイノベーションのための学校であるとするなら、&lt;strong&gt;今その地域で求められているイノベーションは何なのかを考える&lt;/strong&gt;必要があります。そのためには地域の産業政策や、昨今であれば地方創生の政策を考慮する必要があります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;つまり、高専でのアントレプレナーシップ教育を考えるうえで、地域産業政策まで立ち戻って考える必要がある、ということです。特に高専はその成り立ちから、地域産業戦略との連携の必要が顕著にある教育機関のように思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/kosen-entrepreneurship-education/20250518184135.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&quot;地域の産業政策を考える&quot;&gt;地域の産業政策を考える&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;地域の産業戦略を考える、というのは重すぎる作業ですし、専門外なのであまり立ち入りませんが、いくつかヒントは提供できます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;まずはグローバリゼーション時代における地域の産業政策・イノベーション政策を考えていくうえで参考になるのが、&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/kishida-cabinet-startup-policy/&quot;&gt;2021年&lt;/a&gt;や&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/local-startup-policy-and-failure/&quot;&gt;2022年&lt;/a&gt;に紹介した &lt;a href=&quot;https://academic.oup.com/book/39614&quot;&gt;Innovation in Real Places&lt;/a&gt; という本です。この本は2021年のドナー賞（その年の最も優れた公共政策の本を選ぶカナダの賞）も受賞しており、カナダのイノベーション政策関係の人には必読書となっていると聞きます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;著者であるトロント大学の Breznitz 教授はこの本の中で、イノベーションはインベンション（発明）ではないこと、ハイテク＋起業でなくともイノベーションは起こせること、そして地域ごとに適切な形のイノーベションを追求することが鍵となる、という主張をしています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;多くの地域や政府がシリコンバレーのスタートアップモデルを真似ようとしていますが、それ以外にもイノベーションを生み、高付加価値な雇用を生み出す道はある、ということです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;本書の詳細な内容は ChatGPT の Deep Research に要約を依頼するなどである程度把握できるはずなので、そちらにお任せします。著作の中でのイノベーションの整理は、おおよそ類型としてこんな形です。&lt;/p&gt;
&lt;table&gt;&lt;tbody&gt;&lt;tr&gt;&lt;td&gt;&lt;p&gt;&lt;strong&gt;類型&lt;/strong&gt;&lt;/p&gt;&lt;/td&gt;&lt;td&gt;&lt;p&gt;&lt;strong&gt;主な活動&lt;/strong&gt;&lt;/p&gt;&lt;/td&gt;&lt;td&gt;&lt;p&gt;&lt;strong&gt;典型例&lt;/strong&gt;&lt;/p&gt;&lt;/td&gt;&lt;td&gt;&lt;p&gt;&lt;strong&gt;必要な地域能力&lt;/strong&gt;&lt;/p&gt;&lt;/td&gt;&lt;/tr&gt;&lt;tr&gt;&lt;td&gt;&lt;p&gt;&lt;strong&gt;① 新規性&lt;/strong&gt;&lt;/p&gt;&lt;/td&gt;&lt;td&gt;&lt;p&gt;世界初の製品・技術を創出&lt;/p&gt;&lt;/td&gt;&lt;td&gt;&lt;p&gt;シリコンバレー、イスラエル&lt;/p&gt;&lt;/td&gt;&lt;td&gt;&lt;p&gt;先端的な研究機関、VC、高度人材、リスク許容&lt;/p&gt;&lt;/td&gt;&lt;/tr&gt;&lt;tr&gt;&lt;td&gt;&lt;p&gt;&lt;strong&gt;② 設計・試作・生産技術&lt;/strong&gt;&lt;/p&gt;&lt;/td&gt;&lt;td&gt;&lt;p&gt;アイデアを試作品へ落とし込む&lt;/p&gt;&lt;/td&gt;&lt;td&gt;&lt;p&gt;台湾 ICT、イタリア高級靴&lt;/p&gt;&lt;/td&gt;&lt;td&gt;&lt;p&gt;専門的な中小企業群、応用研究＆技術者養成機関&lt;/p&gt;&lt;/td&gt;&lt;/tr&gt;&lt;tr&gt;&lt;td&gt;&lt;p&gt;&lt;strong&gt;③ 第 2 世代／部品改良&lt;/strong&gt;&lt;/p&gt;&lt;/td&gt;&lt;td&gt;&lt;p&gt;既存製品を継続的に改良&lt;/p&gt;&lt;/td&gt;&lt;td&gt;&lt;p&gt;内燃機関の絶え間ない改善など&lt;/p&gt;&lt;/td&gt;&lt;td&gt;&lt;p&gt;既存産業基盤、継続的改善、部品産業&lt;/p&gt;&lt;/td&gt;&lt;/tr&gt;&lt;tr&gt;&lt;td&gt;&lt;p&gt;&lt;strong&gt;④ 量産・組立&lt;/strong&gt;&lt;/p&gt;&lt;/td&gt;&lt;td&gt;&lt;p&gt;多品種を効率的に量産&lt;/p&gt;&lt;/td&gt;&lt;td&gt;&lt;p&gt;中国・珠江デルタの電子機器製造&lt;/p&gt;&lt;/td&gt;&lt;td&gt;&lt;p&gt;大規模生産インフラ、物流、グローバルアクセス&lt;/p&gt;&lt;/td&gt;&lt;/tr&gt;&lt;/tbody&gt;&lt;/table&gt;
&lt;p&gt;高専が設立されていたときの日本は③④を中心とした産業であり、それに準じた技術者が高専から輩出されていたように思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;一方、最近盛んなシリコンバレー＋スタートアップモデルの模倣は、①を地域に作ろうということです。しかし①の実現は極めて困難であり、成功したとしても、その恩恵は一部の起業家や投資家に集中しやすく、地域経済全体への波及効果は限定的で社会経済的な格差を拡大する傾向がある点に注意が必要だと言われています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;たとえばイスラエルなどは、外国資本のVC資金を使ってハイテク・スタートアップの創出に成功した例としてしばしば取り上げられます。ただ内実をよく見ると、成功したイスラエル企業は確かに海外市場で株式公開して巨額の利益を上げましたが、95% 以上が外国資本だったため、利益の多くは国外投資家に還流し、国内の他産業の生産性や賃金は停滞、かつて平等主義的だった社会だったのに一部の人だけが儲かり、他産業に波及しなかったため、相対的貧困状態の人口の割合が高い国へと変化した、という&lt;a href=&quot;https://www.bostonreview.net/forum/what-silicon-valley-gets-wrong-about-innovation/&quot;&gt;指摘&lt;/a&gt;もなされています。（あと&lt;a href=&quot;https://www.oecd.org/en/publications/oecd-economic-surveys-israel-2023_901365a6-en.html&quot;&gt;イスラエルは再分配が弱い&lt;/a&gt;点がOECDからも指摘されています。）&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;よくよく考えて起業を進めなければ、同様のことは東京⇔地方でも起こるでしょう。東京にいる人たちが儲かり、地方は搾取されるモデルです。特にソフトウェア領域においてはその可能性は高いと思っています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;①ではなく、③④で生きていく手法もあるかと思いますが、④は現状では中国や発展途上国がおそらく強く（だからこそKOSENモデルが輸出されており）、研究開発に強い研究機関が地域にない限り①は難しく、②③あたりが多くの地方が高付加価値を実現しつつ、取れる産業戦略なのではないか、と思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;（ただ Breznitz の本も、自由貿易経済が2025年のような状況になる前に書かれた本なので、経済安全保障等の力学を加味して、少し再検討する必要があるとは思います。）&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&quot;地域産業を考えた高専での教育&quot;&gt;地域産業を考えた高専での教育&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;仮にそうした地域産業戦略を取り、高専がイノベーションのための学校だとすると、高専は&lt;strong&gt;地域での②③に対するイノベーション人材を輩出していく&lt;/strong&gt;ことになります（ただしこれは地域がそうした戦略をとった場合の仮定です。ほかにもグローバル化して海外の人材を呼び込むなどの選択肢もありえます）。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;実際、高専側でもこうした認識があるようで、先ほどの表と&lt;a href=&quot;https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/061/gijiroku/__icsFiles/afieldfile/2014/11/18/1353485_1.pdf&quot;&gt;似たような分類&lt;/a&gt;がなされています。&lt;/p&gt;
&lt;figure&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/kosen-entrepreneurship-education/20250518185646.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;figcaption&gt;
&lt;p&gt;&lt;a href=&quot;https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/061/gijiroku/__icsFiles/afieldfile/2014/11/18/1353485_1.pdf&quot;&gt;https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/061/gijiroku/__icsFiles/afieldfile/2014/11/18/1353485_1.pdf&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;/figcaption&gt;
&lt;/figure&gt;
&lt;p&gt;ただ、従来は大企業の支店や工場があり、そこが高専人材の受け皿となっていましたが、受け皿となる雇用が地域になくなりつつある中では、単に人材を輩出するだけではうまくいきません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;地域に貢献する人材をその地域に残そうとすると、その地域で新しい事業を立ち上げる、ということが従来よりもより求められるはずで、そのときに&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/from-narrow-to-wide-entrepreneurship-education/&quot;&gt;狭義のアントレプレナーシップ&lt;/a&gt;、つまり起業が求められることになるでしょう。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;比較的成功しているであろう例としては、たとえば&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/local-startup-policy-and-failure/&quot;&gt;ドイツの例&lt;/a&gt;があります。ドイツでは旧産業をもとに、デジタルを掛け合わせて新しい産業を作っているようです。その地域のエコシステムとして、ハブを作ったり、教育機関が地域と連携したりしています。&lt;/p&gt;
&lt;figure&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/kosen-entrepreneurship-education/20250518190608.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;figcaption&gt;
&lt;p&gt;&lt;a href=&quot;https://www.projectdesign.jp/201812/area-future-vision/005752.php&quot;&gt;https://www.projectdesign.jp/201812/area-future-vision/005752.php&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;/figcaption&gt;
&lt;/figure&gt;
&lt;p&gt;そこで今の時代の高専は、「&lt;strong&gt;地域の産業課題や地域の社会課題を、テクノロジー（ソフトウェア以外も含む）で解決し、その地域の産業と社会に貢献する&lt;/strong&gt;」という立ち位置で新たに貢献しうるのではないかと思っています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;また、その種のイノベーションを起こしていくとき、起業というのは現代から近い未来において1つの大きな選択肢であり、アントレプレナーシップ教育はその文脈でも重要であるように思います。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&quot;高専でのアントレプレナーシップ教育&quot;&gt;高専でのアントレプレナーシップ教育&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;そうなると、高専でのアントレプレナーシップ教育は、&lt;strong&gt;地域課題や地域産業と密接に関係しながら、その地域のイノベーションをテクノロジーで牽引していくような、実践的・創造的人材としての起業家を育てる&lt;/strong&gt;ための教育をしていくことになるでしょう。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;デジタルは一つの選択肢でしかありませんが、仮にデジタルとした場合でも、各地域の地場産業をデジタル化し、そのデジタル化したモデルや製品を他地域や他国に売っていくような、そんな新しいビジネスの輩出校になりうると思います。またデジタル以外の知識も用いて、地域の社会課題をテクノロジーで解決していくような取り組みも可能な学校であるように思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;つまり、この文脈での高専のアントレプレナーシップ教育は、&lt;/p&gt;
&lt;ul&gt;
&lt;li&gt;地域産業テック起業教育&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;地域社会テック起業教育&lt;/li&gt;
&lt;/ul&gt;
&lt;p&gt;などを題材にして、&lt;a href=&quot;https://www.jstage.jst.go.jp/article/soshikikagaku/56/2/56_20230217-4/_pdf/-char/ja&quot;&gt;地域のエコシステム&lt;/a&gt;と連携しながらアントレプレナーシップを涵養していく、という形になるのではないかと考えています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;高専の良い点は「技術」という解決策を短期に養成しながら、それを活用した実践的な課題解決ができることです。さらに地域の大学の教育と比べたときに、教育内容はより実践的で、その地域に密接に関係する傾向にあります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;最先端の研究で新規性のある起業をしていくという機能は旧帝大などに比べると弱いかもしれませんが、既存の技術を応用するという点ではより実践的・創造的であるので、こうした地域社会課題解決に特に適した学校のように思いますし、アントレプレナーシップ教育もそうした文脈で活用しうるのかなと思っています。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&quot;既存のカリキュラムの中でアントレプレナーシップ教育を実践するための埋め込まれたアントレプレナーシップ教育&quot;&gt;既存のカリキュラムの中でアントレプレナーシップ教育を実践するための『埋め込まれたアントレプレナーシップ教育』&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;しかし授業時間は限られています。高専は短期で技術者を養成するという目的もあり、JABEEなどで厳しく質確保がされているので、授業のコマはかなり埋まっています。教員の皆さんも、研究に加えてクラス担任、クラブ顧問、校務等も重なって疲弊していると聞いており、追加の課外活動をすることも難しいでしょう。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そこでアントレプレナーシップ教育を追加・別枠で行うのではなく、『&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/embedded-entrepreneurship-education/&quot;&gt;埋め込まれたアントレプレナーシップ教育&lt;/a&gt;』という形で、従来の科目の中でアントレプレナーシップ教育的な要素を入れていく――という取り組みができるのではないかと思っています。たとえば&lt;a href=&quot;https://www.emerald.com/insight/content/doi/10.1108/00400910810909063/full/html&quot;&gt;こちらの報告&lt;/a&gt;などがSTEMでの例としてあります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;授業自体を少し変える必要があるため、最初の負担は大きいかと思いますが、それでも追加授業を行うよりは良いかと思いますし（一度やるとどんどん追加されていくので…）、もし地域で新しい時代のイノベーションが求められているのであれば、それに合わせた教育をしていくことを率先して求められるのだろうと思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;それに、実践的・創造的な教育をする高専だからこそ、こうした取り組みはしやすい学校だろうと考えています。ただ、難しいことであることは間違いありません。アントレプレナーシップ教育に取り組む歳に、授業数や課外活動を増やすのか、授業の中身を変更するのか、どちらの難しさを取るのか、というグラデーションのある問題だと思います。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&quot;まとめ&quot;&gt;まとめ&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;高専外部の人間がどうこう言うのもおこがましい話ではあるのですが、アントレプレナーシップ教育という観点から見たときに、各校でどのように考えていくべきか、という点であれば多少考えを述べることができるだろうと思うので、その考え方を紹介させていただきました。教育社会学等の観点からは批判点も多いようにも思いますが、いったんは自分の考えとしてまとめさせていただきます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;なお、学校としてステークホルダーからの期待に沿うよう努力するとは言え、教育側で中長期の観点を持つことは必要です。多くの場合、産業界や学生個人は短期的な期待がかなり強く出る傾向にあるからです。特に産業界の要望は短期になりがちです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;地域産業を考えたうえで教育を考えるときは、その地域で2040年に15歳になる人口（つまり、その地域で2025年――今年です――に生まれた子供の数）や、そのときの産業構造を考える必要もあることは付記させてください。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;特に地方では、日本全国に比べて人口減少スピードが速く、今後社会減も加速すると思われます。中には若者人口が半減してしまうところも出てくるでしょう。（たとえば、優れたレポートを出されている&lt;a href=&quot;https://research.hachinohe-u.ac.jp/wp-content/uploads/2019/05/10_20180521-20190215.pdf&quot;&gt;八戸高専&lt;/a&gt;のある青森県は、2009年の出生数は9500人程度でしたが、2024年は5410人だったようです。15年後はこの約5410人というパイを県内の各学校が争うことになります。）&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そんな中で、どのような地域産業を残すのか、そしてそのためにどのように地域産業と教育が連携していき、どのような種類のアントレプレナー（ビジネス起業家に限らず）を育てていくのかが、アントレプレナーシップ教育では特に問われているのだろうと思っています。&lt;/p&gt;
&lt;section data-footnotes=&quot;&quot; class=&quot;footnotes&quot;&gt;&lt;h2 class=&quot;sr-only&quot; id=&quot;footnote-label&quot;&gt;脚注&lt;/h2&gt;
&lt;ol&gt;
&lt;li id=&quot;user-content-fn-1&quot;&gt;
&lt;p&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/gx-leaders-2040-august-2024/&quot;&gt;岸田元総理の会のとき&lt;/a&gt;と同様、なるべく開示しておくべきだと考えています。 &lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/kosen-entrepreneurship-education/#user-content-fnref-1&quot; data-footnote-backref=&quot;&quot; aria-label=&quot;本文の参照 1 へ戻る&quot; class=&quot;data-footnote-backref&quot;&gt;↩&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;/li&gt;
&lt;li id=&quot;user-content-fn-2&quot;&gt;
&lt;p&gt;社会からの期待に添おうとしすぎると、短期的かつ市場志向が強まったり、既存の権力を温存することになるので、それに対してクリティカルな立場も取れる教育をするべきだとは思いますが、本論から逸れるので今回は議論しません。 &lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/kosen-entrepreneurship-education/#user-content-fnref-2&quot; data-footnote-backref=&quot;&quot; aria-label=&quot;本文の参照 2 へ戻る&quot; class=&quot;data-footnote-backref&quot;&gt;↩&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;/li&gt;
&lt;li id=&quot;user-content-fn-3&quot;&gt;
&lt;p&gt;違う考え方でやっていらっしゃる同じ大学の先生もいるかもしれませんが、私はそう考えている、という話です。 &lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/kosen-entrepreneurship-education/#user-content-fnref-3&quot; data-footnote-backref=&quot;&quot; aria-label=&quot;本文の参照 3 へ戻る&quot; class=&quot;data-footnote-backref&quot;&gt;↩&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;/li&gt;
&lt;li id=&quot;user-content-fn-4&quot;&gt;
&lt;p&gt;私自身は、ビジネス起業を題材に用いたアントレプレナーシップ教育については、アントレプレナーシップの教育効果という観点からも、学校に期待されている役目という観点からも、その方針には反対の立場を取ることが多いです。 &lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/kosen-entrepreneurship-education/#user-content-fnref-4&quot; data-footnote-backref=&quot;&quot; aria-label=&quot;本文の参照 4 へ戻る&quot; class=&quot;data-footnote-backref&quot;&gt;↩&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;/li&gt;
&lt;li id=&quot;user-content-fn-5&quot;&gt;
&lt;p&gt;だからといってハイグロース・スタートアップを教えるべきではない、というわけではなく、強弱の問題です。また広範な学校で扱える1つの共通解が&lt;a href=&quot;https://peplatform.org/ja/latest/pep-for-youth-issues-campaign&quot;&gt;地域課題を用いた政策起業&lt;/a&gt;であると個人的には思っていますが、それはまた別なので別途書きます。 &lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/kosen-entrepreneurship-education/#user-content-fnref-5&quot; data-footnote-backref=&quot;&quot; aria-label=&quot;本文の参照 5 へ戻る&quot; class=&quot;data-footnote-backref&quot;&gt;↩&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;/li&gt;
&lt;/ol&gt;
&lt;/section&gt;</content:encoded><dc:creator>馬田 隆明</dc:creator><category>アントレプレナーシップ教育</category></item><item><title>アントレプレナーシップ教育に関わる教職員の方に読んでほしい論文・レポート5選</title><link>https://takaumada.com/blog/entrepreneurship-education-readings/</link><guid isPermaLink="true">https://takaumada.com/blog/entrepreneurship-education-readings/</guid><description>日本全体でスタートアップに対しての注目が高まるとともに、アントレプレナーシップ『教育』にも注目が集まるようになりました。その結果、様々なバックグラウンドを持つ人たちがアントレプレナーシップ教育に関わり始めています。 アントレプレナーシップ教…</description><pubDate>Mon, 26 Aug 2024 00:49:52 GMT</pubDate><content:encoded>&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/entrepreneurship-education-readings/20240826093928.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;日本全体でスタートアップに対しての注目が高まるとともに、アントレプレナーシップ『教育』にも注目が集まるようになりました。その結果、様々なバックグラウンドを持つ人たちがアントレプレナーシップ教育に関わり始めています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;アントレプレナーシップ教育の専門家、という人はほぼいないため、現場では実務家教員や大学の別の専攻（経営学部や工学部など）の教員が教えることが多いと聞いています。「自校ではできないから」と教育や研究に関する知見の少ない民間企業に発注する、ということもあるようです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;「アントレプレナーシップ教育は単にビジネスや起業の方法を教えれば良いので、バックグラウンドは不要」だと思われるかもしれませんが、実際は中々複雑な分野です。そしてこの数十年で様々な知見が培われてきた分野であり、そうした知見を生かして教育を行うことで、学生の皆さんにより良い学習経験を提供できるのではないかと思っています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そこでアントレプレナーシップを教える人だけではなく、アントレプレナーシップ教育の政策に関わる人、アントレプレナーシップ教育を外部に発注する人も含めて、是非一読いただきたい論文や資料を5つ選びました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;すべて読んでも2～3時間程度しかかからないと思うので、ぜひ読んでみてください。&lt;/p&gt;
&lt;ul&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/entrepreneurship-education-readings/#%E7%89%A7%E9%87%8E%E6%81%B5%E7%BE%8E-2018-%E6%B5%B7%E5%A4%96%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E8%B5%B7%E6%A5%AD%E5%AE%B6%E6%95%99%E8%82%B2%E3%81%AE%E5%85%88%E8%A1%8C%E7%A0%94%E7%A9%B6%E3%83%AC%E3%83%93%E3%83%A5%E3%83%BC&quot;&gt;牧野恵美. (2018). 海外における起業家教育の先行研究レビュー&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/entrepreneurship-education-readings/#lack%C3%A9us-m-2015-entrepreneurship-in-education-what-why-when-how&quot;&gt;Lackéus, M. (2015). Entrepreneurship in Education: What, Why, When, How&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/entrepreneurship-education-readings/#h%C3%A4gg-g--gabrielsson-j-2019-a-systematic-literature-review-of-the-evolution-of-pedagogy-in-entrepreneurial-education-research&quot;&gt;Hägg, G., &amp;amp; Gabrielsson, J. (2019). A systematic literature review of the evolution of pedagogy in entrepreneurial education research&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/entrepreneurship-education-readings/#nabi-g-li%C3%B1%C3%A1n-f-fayolle-a-krueger-n--walmsley-a-2017-the-impact-of-entrepreneurship-education-in-higher-education-a-systematic-review-and-research-agenda&quot;&gt;Nabi, G., Liñán, F., Fayolle, A., Krueger, N., &amp;amp; Walmsley, A. (2017). The Impact of Entrepreneurship Education in Higher Education: A Systematic Review and Research Agenda&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/entrepreneurship-education-readings/#igl-2022-evidence-bites&quot;&gt;IGL. (2022). Evidence Bites&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/entrepreneurship-education-readings/#%E3%81%BE%E3%81%A8%E3%82%81&quot;&gt;まとめ&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;/ul&gt;
&lt;p&gt;今回は過去10年に出版された新しめの論文やレポートを選んでいます。また、なるべく手に入りやすいものを挙げています。&lt;/p&gt;
&lt;h3 id=&quot;牧野恵美-2018-海外における起業家教育の先行研究レビュー&quot;&gt;牧野恵美. (2018). 海外における起業家教育の先行研究レビュー&lt;/h3&gt;
&lt;p&gt;URL: &lt;a href=&quot;https://doi.org/10.20801/jsrpim.33.2_92&quot;&gt;https://doi.org/10.20801/jsrpim.33.2_92&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;現APUの牧野先生による、アントレプレナーシップ教育の日本語のレビュー論文です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;2018年までの海外のいくつかのレビュー論文やメタ分析の論文をコンパクトにまとめられていて、かつ日本語で読める文献なので、最初の入口としてとても役に立つと思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;特に日本のアントレプレナーシップ教育は「起業意思を上げる」ことを目的としがちですが、教育すれば起業意思が高まるかというとそうは言い切れず、教育だけで起業意思への介入が難しいことなどを知る上でも便利です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;上記のリンクからダウンロードできます。&lt;/p&gt;
&lt;h3 id=&quot;lackéus-m-2015-entrepreneurship-in-education-what-why-when-how&quot;&gt;Lackéus, M. (2015). Entrepreneurship in Education: What, Why, When, How&lt;/h3&gt;
&lt;p&gt;URL: &lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1787/cccac96a-en&quot;&gt;https://doi.org/10.1787/cccac96a-en&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;2015年にOECDが発行した論文です。著者のLackéusはスウェーデンのチャルマース工科大学という、アントレプレナーシップ教育で昔から有名な大学に属している元起業家であり、沢山の論文を出している大学教員です。またOECDは教育分野でも様々な活動をしており、そこが出しているレポートということで、現代的なアントレプレナーシップ教育の基盤となるドキュメントだと思います。実際、2024年8月時点で、1200の引用数を誇るなど、影響力の高い論文となっています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;このドキュメントでは、様々な論文を引用しながらどういう議論がなされてきたかを What, Why, When, How の観点でシンプルにまとめている点や、広義 (wide) と狭義 (narrow) のアントレプレナーシップを区分けしている点、そして発達段階に応じて重視するべきところがどこかや、ステップを踏んで教育内容を変えていくことを提案している点が、教育の実務においても有用だと思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;アメリカかつ実務ばかりを見ていると、かなりビジネスに寄った「narrow」なアントレプレナーシップとアントレプレナーシップ教育を志向して、知識伝達が中心になりがちなので、より広い視点を培う上でもこのドキュメントは有用でしょう。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/entrepreneurship-education-readings/20240826094543.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;h3 id=&quot;hägg-g--gabrielsson-j-2019-a-systematic-literature-review-of-the-evolution-of-pedagogy-in-entrepreneurial-education-research&quot;&gt;Hägg, G., &amp;amp; Gabrielsson, J. (2019). A systematic literature review of the evolution of pedagogy in entrepreneurial education research&lt;/h3&gt;
&lt;p&gt;URL: &lt;a href=&quot;https://doi.org/10.1108/ijebr-04-2018-0272&quot;&gt;https://doi.org/10.1108/ijebr-04-2018-0272&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;アントレプレナーシップ教育研究がどのような進歩をたどってきたのかを振り返るレビュー論文です。先ほど挙げたOECDのものが2015年時点の最新のスナップショットだとしたら、この論文はそこに至るまでの変遷を振り返ったものです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;1980年代の教師中心➡1990年代のプロセス中心➡2000年代の文脈中心➡2010年代の学習者中心、という流れを元に、アントレプレナーシップ教育のWho、What、Whom、Howのそれぞれがどのように変遷してきたかを整理しています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;「起業」だけを目的としたアントレプレナーシップ教育の議論を超えてきた経緯や、ゲスト講義などを中心としたHowが現在ではやや古くなっていること、今は別種のアプローチも行われていることなどを概観できます。また、先ほどのnarrowとwideもまだ論争的であることなども触れられています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;少し手に入りづらいのですが、Table 1だけでも見てほしい論文です。&lt;/p&gt;
&lt;h3 id=&quot;nabi-g-liñán-f-fayolle-a-krueger-n--walmsley-a-2017-the-impact-of-entrepreneurship-education-in-higher-education-a-systematic-review-and-research-agenda&quot;&gt;Nabi, G., Liñán, F., Fayolle, A., Krueger, N., &amp;amp; Walmsley, A. (2017). The Impact of Entrepreneurship Education in Higher Education: A Systematic Review and Research Agenda&lt;/h3&gt;
&lt;p&gt;URL: &lt;a href=&quot;https://doi.org/10.5465/amle.2015.0026&quot;&gt;https://doi.org/10.5465/amle.2015.0026&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;高等教育におけるアントレプレナーシップ教育のインパクト（効果）のシステマティックレビューです。引用数は2500を超えており、この領域で最初に読まれる文献の一つです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;この論文では、アントレプレナーシップ教育をすると、学生にどのような効果があるのかを時間軸で5つのレベルに分け、過去の論文の結果を整理しています。たとえば多くの論文が起業意思を効果として測っており、それなりに効果が出ているという論文が多いものの、それなりの数 (22%) の論文では効果が見られなかったり、ネガティブな効果が見られたという、効果にかなり違いのある結果となっていることも指摘されています。アントレプレナーシップ教育をすれば起業数が増える、という単純なものではないということでしょう。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そのほか、「意思が伸びたとして、行動につながっているかどうか」研究が少ないといった、今後の研究のアジェンダについても触れられています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;a href=&quot;https://www.semanticscholar.org/paper/The-Impact-of-Entrepreneurship-Education-in-Higher-Nabi-Li%C3%B1%C3%A1n/49eba9c1ad361e1a0b6d457ee3fefe1c2573ed99&quot;&gt;Semantic Scholarから論文のリンク&lt;/a&gt;があります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src=&quot;https://img.takaumada.com/blog/entrepreneurship-education-readings/20240826094605.webp&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;600&quot;&gt;&lt;/p&gt;
&lt;h3 id=&quot;igl-2022-evidence-bites&quot;&gt;IGL. (2022). Evidence Bites&lt;/h3&gt;
&lt;p&gt;URL: &lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;a href=&quot;https://evidence-bites.innovationgrowthlab.org/topics/entrepreneurship-education/&quot;&gt;https://evidence-bites.innovationgrowthlab.org/topics/entrepreneurship-education/&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt; 「即効性のある示唆が欲しい」という教員の方も多いと思います。そんなときはIGLがまとめた「Evidence Bites」を読むと良いでしょう。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;これまでの論文から得られた示唆をまとめて、何に効果がありそうなのか、そうでないのかがシンプルにまとめられています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;なお、これについては翻訳もしています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;a href=&quot;https://evidence-bites.innovationgrowthlab.org/topics/entrepreneurship-education/&quot;&gt; &lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;a href=&quot;https://takaumada.com/blog/entre-policy-research-igl-2022/&quot;&gt;https://blog.takaumada.com/entry/entre-policy-research-igl-2022&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;より教育一般であれば、Visible Learning なども参照してみてください。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;a href=&quot;https://visible-learning.org/hattie-ranking-influences-effect-sizes-learning-achievement/&quot;&gt;https://visible-learning.org/hattie-ranking-influences-effect-sizes-learning-achievement/&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;個人的な意見では、アントレプレナーシップ教育を適切に行うためには、ビジネスの方法論よりも教育学の知見のほうが活かせるのでは、と思っています。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&quot;まとめ&quot;&gt;まとめ&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;アントレプレナーシップ教育はまだその中身に論争があり、完全に定まっているわけではありません。ただ、議論や教育の改善をするときにはある程度同じ土台に立つ必要があります。その土台としての学術的な知見は、完璧とは言えないとはいえ、それなりに積み重ねのあるものだと思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;すべての学術的な知見が応用できるわけではありませんが、上手く使えば過去のミスを回避することもできます。個人の勘や経験だけに頼らず、過去の人類の蓄積を活かすことが、より良い教育を学生の皆さんに提供していく上では大切だと思いますので、これからアントレプレナーシップ教育に関わる方々がいれば、上記の論文やレポートをぜひ一読してみてください。&lt;/p&gt;</content:encoded><dc:creator>馬田 隆明</dc:creator><category>アントレプレナーシップ教育</category></item></channel></rss>