Startup, Idea, Chris
この記事は 2015年1月4日 に Medium で公開したものです。
時折「スタートアップにとっての良いアイデアとは何か」というトピックが雑談の中で上がってくるので、(論理の飛躍がありますが)ここはひとつ海外の VC 勢の中でも Top 10 に入るほど好きで insightful な Chris Dixon のブログの中から、ここ2年ぐらいで面白いものを羅列していってみることにします。Chris については機会があればもうちょっと詳しく書きます。
知らない人のために:Chris Dixon は Andreessen Horowitz の Investment 担当パートナーで、これまで BuzzFeed、Airwareに投資しているほか、PandoDaily、Strip などには Seed 段階から投資をしています。
最初は Y Combinator の Startup School 2013 の講演、PG を引きながらの「本当に良いアイデアは、最初は悪いアイデアのように見える」ことについて。
また Peter Thiel 的な「秘密」(something you believe that most other people don’t believe: ほとんどの人が信じていなくて、あなただけが知っている何か)をどうやって見つけるかということについての話。
「本当に良いアイデアは、最初は悪いアイデアのように見える」ことの例として、たとえば Google が始まる前は、ポータルサイトにとって検索エンジンはオプションで、いかに Yahoo! などのポータルサイトにとどまってもらうか、というのがビジネスの通説だったのが、Google はその通説を見事にひっくり返しましたし、Airbnb も eBay も出てくる前は悪いアイデアのように見えましたが、実際には良いアイデアでした。
良いアイデアには「秘密」がある。では「秘密」をどうやって知るか、という点を、 Chris が受けた数千のピッチやこれまでの投資を通して、システマティックに「何が良いアイデアの predictor / 判断材料なのか」を見た結果を、特に人(ファウンダー)とアイデアの二つに分けてこの講演では話しています。具体的にはまずファウンダーについて 3 つ。
1. 誰よりもツールについて知っている (e.g. Dropbox: 技術力)
2. 誰よりも課題について知っている (e.g. Kickstarter: 創業者は 10 年アートの業界にいた)
3. ユニークな人生経験から引き出せる (e.g. SiteAdvisor: social engineering でのハックの経験から)
Chris のおすすめは Direct experience を軸に、technical か domain expertise をつけて考えたほうが良い、ということです。トレンドやアナリストの分析、アナロジー (Uber for X とか) という抽象的な考えから出発するよりもそっちのほうが良いと。
2つ目はアイデア。良いアイデアを見分けるには? 悪いように見えて本当は良いアイデアがどういう特徴を持つかと言うと:
1. 力のある人たちから「おもちゃ」だと思われるもの (e.g. 電報の時代、電話はおもちゃだと思われていたし Skype も当初おもた)
2. 他にすでに行われていることを unbundle する (e.g. 新聞はブランド、キュレーション、クラシファイド広告、そして配信がいっしょくたで提供されているが、それは今やキュレーションは Huffinton Post。クラシファイドは Craigslist など、新聞の一部の機能に特化した)
3. 趣味として生まれている
4. 社会規範に反する
というようなことを話しており、大変クレバーです。おすすめ。以下はノートです。
2013 Startup School2013.startupnotes.org
何を問うべきか:タイミング
"A lot of the best tech startups are ideas that have been around for years"cdixon.org
こちらも関連で。
Technology に対する意識がこれまでの food delivery とかとの違い
Three levels of enthusiasm for technologycdixon.org
Software eats software developmentcdixon.org
モバイルWebの終わり、アプリで過ごす時間が多くなっている。apps are winning and the web is losing。
The decline of the mobile webcdixon.org
Full Stack Startup。バリューチェーンすべてを提供することによって、より良い体験を提供し、業界を大きく変えていく。
こちらも参照。
フルスタックスタートアップとは何ぞや? - ワザノバ | wazanovawazanova.jp
成功するスタートアップのファウンダーはビジネス、デザイン、テクノロジーの3つをよく理解して、かつそれらが混然一体としていることを知っている。
「アイデアが大事」から「アイデアより実行」、そこから「アイデアも重要」へ。良いアイデアを検証するには、歴史、アナロジー、理論、直接的な体験が重要。
クラウドファンデイングがスタートアップにとって持つ意味とは。専門的な知識を持つ人がファンドできるとか、Linkedin のように働くとか、ファウンダーの評価がオンラインできるとか。
Some thoughts on startup crowdfundingcdixon.org
Chris が Bitcoin に興味を持つ理由。テクノロジーが金融を変える可能性は、既存の金融システムをバイパスするところから始まるだろう、Bitcoin が payment の新しいソフトウェアのプロトコルとして流通するようになれば、という Full Stack Startup にも通じる話。Programmable money としての Bitcoin は手数料を引き下げて、新しい活動を可能にするだろう、という夢のある話です。
Why I'm interested in Bitcoincdixon.org
スタートアップを Fundraising などの “financial lens” を通してみるのではなく、”product lens” を通してみる、という話。モバイルではどちらのレンズでモノを見るかで結構違ってきて、文政的なタイプな人は financial のほうが好きですよね、という本当に申し訳ありません。
2013年初頭に書かれたSamsung の構造的な弱みを解説した記事。まだ Samsung に勢いがあったころに書かれたものと考えると中々。
Samsung's predicamentcdixon.org
(Google Trend 参照: https://www.google.co.jp/trends/explore#q=Samsung)
テクノロジーの installation phase と deployment phase。インストールのフェーズでは様々なインフラが整備され、デプロイのときにはより上のレイヤでビジネスが行われる、という話。こちらも Full Stack Startup の概念に繋がってきそうです。
The computing deployment phasecdixon.org
証明のトラップ。良い大学に入り、良い企業に入れば他人からの賞賛は得られるが、そうした外部の検証に頼って最適化されていることは、次の照明を得るための戦いが続いていくだけだ、という Peter Thiel などを引きながらの記事。they all had a great future in their past.
The credentials trapcdixon.org
ブレークスルーを生むテクノロジーは、スマートな人たちが週末にやっている趣味から生まれる、という話。スマートな人たちが週末にやっていることは、普通の人たちが10年後に weekday にしていることだ。
ハードウェアスタートアップのための指針。